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鳩山総理大臣の外交デビューの目玉は何と言っても温室効果ガス削減目標を1990年比25%削減と世界に公言したことであろう。
上の図は各国の国民1人当たりの二酸化炭素排出量だが、米国・オーストラリアの19トン、カナダの16.5トンと突出しているのがまず目につく。日本は9.5トンで、英国の8.9トン、ドイツの10トン、ロシアの11.1トンとほぼ同水準だ。環境汚染が問題になっている中国は4.3トンと先進国と比べると少ないが人口は13億と日本の10倍もあるため影響が大きく、購買力平価で見た一人当たり国内生産と比較して効率が悪い。
気候が厳しいところや物資運搬効率の悪い地域(例えば内陸国で寒冷地域であるロシアなど)は温室効果ガス排出量/購買力平価国内総生産が高くなりやすいという地政学的条件を考慮する必要はあるが、生産額あたりの温室効果ガス排出量の高さはその国の自己中心主義・ファッショ度合いを測る一つの指標になりうる。
そうしてみると、自己中心主義国家の横綱はブッシュ政権時のアメリカと中国で、両者がっぷり四つに組合ってお互いに譲らず、水入りの大一番といったところだ。この両国はこれまで環境汚染も顧みずに具体的削減目標提示を放棄しながら、両国合わせて地球の40%以上の温室効果ガスを排出するまでになった。アメリカはオバマ政権になって人並みレベルに近づこうという意思をやっと見せてきたと言える。EU(中でも北欧、中欧)は世界で最も民度が高い地域であり、環境問題や人権その他、周囲を思いやる能力に優れており、この方面で世界のけん引役となっている。
問題はわが国で、鳩山総理の温暖化ガスの1990年比25%削減の公言は国民的合意を得ているとは言い難い。目標の高さはEUと同等以上で、民主党にありがちな浮足立った公約はその実現性に疑念が持たれる。私的には1990年比15〜20%減(麻生政権時は8%減)が望ましいと思っているが、世界公約になった以上は是が非でも実現しなければ日本の国際的信用は失墜する。
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