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峰崎財務副大臣が子供手当実施に伴って扶養者控除を廃止するものの、配偶者控除は女性の立場や控除が導入された経過を含めて改めて議論する必要があるとして分けて考えるとして廃止の先送りを示唆したが、別に分けて考える必要もないだろう。
なぜなら出産・育児により子供にしっかりと教育を施して社会に送り出すことは社会的に大変価値のある尊いものだからである。これに対して配偶関係を結ぶこと自体は特に社会的価値のあることではない。
少子高齢化の第一要因は成熟した豊かな社会実現の基礎となる高学歴化で、これが社会進出の年齢を遅くして経済的自立を遅らせるために晩婚化につながり、教育費増大が家計を圧迫するために結婚した女性が産む子供の数である「生涯完結出生児数」が下がっている。この第一要因である高学歴化は豊かな成熟社会を実現するために必要欠くべからざるものであり、特に問題はあるまい。むしろ人口爆発著しい中東やアフリカなどでは教育の充実に伴う出生率低下を促進するべきだ。
少子高齢化の第二要因は経済的自立のできないパラサイトシングル(親同居未婚者)やニートを増やす温床となって非婚化を助長させている扶養者控除と、シングルマザーなど結婚しないで子育てを行う人たちを相対的に冷遇することでその生き方を選択しにくくする配偶者控除である。これらの制度が非婚化および不産化を助長させ欧米を下回る出生率を実現させる大きな要因となっている。非婚化と不産化は先進国の中では日本と韓国で見られる現象である。ヨーロッパでは子持ち未婚者への支援が充実しているので、出産・子育てを結婚しないで行う道を選択する自由が大きく、出生率と生涯完結出生児数との差は日本に比べてかなり小さい。
そもそも、日本は経済至上主義に傾きすぎたせいか、交換価値のある産業労働には注意を払ってきたが、交換価値のない出産・育児といった家庭内労働に対して社会的対価を十分に支払って来なかった。日本はセーフティネットとしてベーシックインカム制度を導入し、子供手当・失業者などの生活保護・年金制度をこれに組み込むことで複雑極まる制度を一元化・簡素化し、その財源として所得税の税率および累進税率を引き上げるようにした方が年金不安、失業不安、子育て不安に伴う貯蓄率増大(これは経済縮小につながる)と少子化を食い止めるのに適している。
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