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時計台の下に観光客が集まり・・時計塔を見上げる。

彫像がゆっくりと動き・・鐘を鳴らす・・・時を告げ終わると・・観光客は少し散った。

広場には多くの観光客が行き交い・・たむろしている。

プラハはさすがに観光客が多い。

特にこの広場は素晴らしい、中世期の雰囲気を・・映画のセットのように・・・漂わせている。



柵に腰掛けていた二人の若い日本人の一人が立ち上がるとニコニコ顔で近づいてきて・・。

「円は上がっていますか?」と聞く。

「???」返事のしょうがない・・・。

「一ヶ月ほど・・新聞を見てないので・・」

「分からない・・」・・殆ど円の動きなど気にしていないので・・長期に旅行すると・・円の動きが気になるのだろう・・しかし動いても知れてるのに・・と思うのだが・・彼らにとっては重要なのだろう。

彼は情報を得られず・・すごすごと相棒のところへ帰っていった。
その相棒が軽く頭を下げた。


道に大きな人物の写真を並べている2x3mは有るか・・20枚ほどもあるだろうか?

政治家だな・・と相棒が言う・・見たことも無い顔ばかりだ・・ハベル大統領だ・・作家の・・と相棒・・全く僕には知識が無い。


通り抜けて突き当たりを右に曲がり・・しばらく行くとドボルザークホール(?)の丸い玄関が通りの一角に見える。

ホテルで何かコンサートをやっていないか聞いたら・・分からない・・行て御覧なさい・・と言う。

正面玄関の円形の階段と上の入り口は閉じられて・・人の出入りが無い・・・横へ回ってどこか入り口が無いか探すが・・・・どうも出入り口は他に無い。

また正面へきて・・階段を上がってみる・・人が中にいるようだ・・大きなドアをの左脇に小さなドアーがある・・押すと開いた。

入り口ホールの広いスペースから更に大きな正面階段・・少し上がった右側に中年の男が立っている。

今日のコンサートは?

彼はホールの右の小さな窓をさして・・チケットを買えという。

ウヲ―何かやってる・・チエコフイルだろうか?

窓口でチケットをと言うと・・・ホールの席の一覧表を見せて・・・何処を・・・と?

勝手に・・席が選べるのだ???

前の方の中ごろをさすと・・なにやらザラ紙の様な小さな紙切れに・・数字を鉛筆で書いたチケットくれた。

多分50円ほどだった????。


階段に立つ黒背広でノータイの中年の男にチケットを渡す・・彼は受け取ると・・手でどうぞと階段の上へと・・・。

下のホールに何人かの人が入ってきている。


ホールはさすがに立派だ・・といっても何時ごろのものだろうか・・先の大戦で破壊されていないようにも見える。

木目の美しい床のホールとイスと・・二階席・・日本ではお目にかかれない落ち着きと風格と。

客は50〜60人か?

開演時間は?・・プログラムらしき一枚の紙を渡された・・少しずつ人が入ってくる・・6時半ぐらいだったような気がするのだが・・。

楽器を持った団員が三々五々・・着席して・・調弦を始めた・・・ウオー始まるぞーーわくわくする・・とにかくチエコでチエコフイル?を聞けるかも・・・!!!。

????しかし・・どうも妙だ・・ジーパンのバイオリニストに・・ノータイのチエロに・・・皆実にラフだ・・。


と指揮者が現れて・・・まだ半分も埋まらない客席に・・背を向けて・・指揮棒を振り下ろした!!!

マーラノ交響曲・・・ステージの後ろの二階席で日本人に見えたのだが?中国・韓国人らしい若い女性が現れて下を見下ろし・・立ち聞きしている。

曲が少し進み始めたそのとき・・・一番前の席でトントンと音がして・・曲はとまった・・となにやら大きな声で指示をしている。

指揮者は振り向いて腰を折り・・それを聞いている・・。

そかーー分かった・・これは練習だ・・学生の指揮者の・・・奏者は学生ではないから・・曲の練習ではない・・指揮者の指示ではなく・・前に座った教授が・・指揮者に指示・指導をしてるのだ・・。

とまた演奏が始まり・・しばらくマーラーが・・・。

「これ退屈な曲だから・・・」と・・小声で相棒に話す・・。

とまた手が響いて・・曲は止まった・・・飛ばせ・・と指示をしてるようだ・・こんな長い退屈な曲を聞かされるのか・・と思っていたら・・。

どうはしょったのか・・とにかく曲は終わって・・指揮者は教授に頭を下げて消えた。

と次に・・違う指揮者が・・・その後何をどう聞いたのか・・覚えていないが・・7〜8人が指揮したような記憶がある・・・プログラムにもそのぐらい曲が並んでいたと思う。



既に・・外は真っ暗で赤い街灯が暗く道路を照らしている・・・。

もと来た道の賑やかのところへでると・・明かりが煌々と・・街燈も急に明るくなり・・なにやら店らしきものが・・・。


「日本の方ですか・・?」

上手な日本語でその男は話しかけてきた・・30前後のやせぎすな男だ。

「おーーー日本語が上手だな!」

「何処で習ったの?」・・・「はい自分で勉強して・・」。

「どこかで飯を・・・あそこで何か食えそうだ」明るい建物の中も明るく照らし出された・・マックが有る・・そのほかの店もあるようだ。

夕飯にマックはどうも・・と2階に上がると・・それらしいレストランがある・・やたら明るい開放感のあるそれでいて・・安っぽい新品の店・・・セルフの感じだ。

なにやらピラフのようなものを取り・・ビールで・・・乾・・。

地方の教師をしているという・・休みなのか・・既に職を失ってるのか・・。

「チエコも・・イチバ経済になり・・・。」

「何だ?イチバ経済??そんなこと言うかなあ?・・。」・・「言うよ・・。」相棒がうなずく。

シジョウ経済なら・・市場経済・・イチバ経済と読めないことも無いが妙な語感だ。

日本語の辞書が手に入らないので困ってるという。

何を話したのか殆どお覚えていないが・・既に食べ終わって・・・彼は殆どまだだ・・・おいもう行くよ・・あわてて彼はそれを食べた。

住所を聞いて彼の言う本を贈る約束をして分かれた・・・後で調べたら彼の言う本が2〜3冊見つかった・・彼はよく調べている・・それを送っておいた・・。


時計塔の広場は昼以上の人込みだった・・若者がたむろして・・にぎやかだ・・。

と・・こちらを見ていたジーンズの・・少しお尻の立派な子が笑顔で二人の真ん中に割って入り肩を組んだ・・・何処に・・相棒が何かたどたどしい英語で話す・・。

黒い瞳に・・黒い髪がすそでちじれて・・夜風になびく・・。


とーー僕のジーンズのポケットを盛んに触るのだ・・財布だ!!!

この野郎!!

思わず僕は叫んだ・・・ピックポケットだ・・。

その子はあわてて・・笑いながら消えた・・おい大丈夫か・・あいぼうに聞いた・・被害は無かった。


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柳 四郎
柳 四郎
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