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ワルシャワの飛行場で搭乗手続きを取り・・ついでにバッグの確認をしたが・・やはり着いてないという。
ロストバックの保管所を見せてくれというと・・すぐ右手の建物の埃だらけの棚にある・・15〜6のバッグを見せてくれた。
引き取り手のないバッグが・・並んでいる・・行き先も発送元も不明になったバッグは・・行き場を失ってこの棚に眠っているのだ。
ぼくのバッグは無かった・・間違って・・ニュョークへ行ったという!!!
保険で保障しますからと・・言う。
ロスで相棒のバッグが出てこないで・・ずいぶん心配したことがあったが・・相棒がなんだかやわらかい布製の芋虫のような袋に荷物を入れて出したため・・空港員が親切にそれをダンボールへ詰めなおしてくれたために・・相棒にはそのダンボールが自分のものとは分からずに大騒ぎだった。
どうも相棒はどじでよく問題を起こす・・昨日も・・朝遅い朝食をとって・・ロビーから出ようとしたところで・・30ぐらいの草色のスーツに身を固めた男に呼び止められて・・エクスチエンジ・・という・・お金も少し足りなくなってきて交換をと思っていたのだが・・闇屋はいないというから・・また郵便局か・・と思っていたのだが・・この男が変えてくれるという。
相棒は円を出して彼に渡すとその男はししわしわの束ねた札束を出して・・何かいいながら数えて見せた・・相棒は分かったような分からん勘定を黙って見ていた・・男は一旦ポケットに手を入れて札束を足して・・これでいくらいくらだと目の前で束を相棒に渡し・・相棒はそれを受け取った。
その男は深く日本式の礼をして紳士的な態度で消えた。
しばらく歩いてから相棒が妙な顔ををしてい札束を見ている・・・!!
そう・・それは小額紙幣の札束とすりかえられていたのだ・・。
両替しながら次々と違う国を歩くと・・殆ど紙幣が理解できない・・。
手ぶらで機上の人となり・・手ぶらで・・東ドイツへと降り立った。
東ドイツ空港はもう覚えていない・・事務的に的確にすべては運ばれたのだろう。
ブランデンブルグ門の近くにあるホテルの窓から・・ワルシャワよりよほど確りした感じの町並みを見ながら朝食をとっていた。
下で街路樹の手入れをしてる若いのが・・なにやら棒を片手に木の根元をつついている。
4〜5回突っつくと立ってしばらく休む・・しばらくすると思い出したように・・また木の根っこを2〜3回突っつく・・一体何をしてるのだろう?・・同じような作業員が二人ほど離れて立ち働いているのが見え隠れする。
と路上のゴミ箱から煙が上がった・・すぐに消防車がサイレンを鳴らして到着した・・火の手にもならない煙を消防は消し止めた。
作業員は少し離れてそれを見ている。
日本のような作業服など無く・・思い思いの私服だ。
仕事が出来るかどうかなどどうでもいいことなのだろうか?
消防のすばやさと・・レストランの従業員のてきぱきした動きと・・路上のやる気の無い作業員と。
日本の方ですね・・若いのがそう言って前に座った・・殆ど満席状態だから・・僕一人のところに来たのだろう。
ウラジヲストックからシベリア横断鉄道でモスクワににはいりソ連を回って・・ここに来たという。
今年卒業で一回りしてるという・・僕は既に終わりかけていたので・・席をたった。
どうもこの光輝く若者の相手をする気になれなかった。
彼にしてみればシベリア鉄道で1週間以上の旅をして・・・暗くてわびしいモスクワをうろつき・・やっと人並みのホテルにたどり着いて・・・日本人に会えた・・・いろいろ話したかったに違いない。
そこそこに込み合うこのダイニングで一人の日本人を見つけて座った・・
彼の血色のいいつやの有る美しい笑顔・・。
なぜか僕は話したくなかった。
いいホテルだロビーもフロントもすべて光っている・・新しい機能的なホテルだ。
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