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野蛮が全世界を支配していたときにおいてすら、文明は野蛮に打ち勝ったのであるから、野蛮がすでに
充分に征服された後において、それが復活して文明を征服するかも知れないことを懼れるなどと告白する
のは、行き過ぎというものであろう。己れのいったん征服した敵に負けるような文明は、まず第一に、す
でに甚だしく頽廃していて、それの任命した僧侶や教師も、また他のいかなる人物も、このような文明を
擁護するために立ち上がる能力もなければ、またその労を取ろうとする意志もなくなっているに相違ない
のである。そうとすれば、このような文明が退去命令を受けることが早ければ早いほど、なお結構であ
る。このような文明は、悪からさらに一層の悪へとますます悪化してゆくばかりであって、ついには精力
旺盛な野蛮人たちによって、(西ローマ帝国の如く)亡ぼされ、また更正させられる他はないのである。
(今のアメリカ合衆国はどうであろうか。まだ、同盟国日本に更正させられるならばましというわけだが
、イスラム諸国や中国によっての更正ならば、取り返しのつかないことになってしまうだろう。霧山人
注)
( 『自由論』 第四章 個人を支配する社会の権威の限界について J.S.ミル著 より )
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