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「之を歙めんと将欲すれば、必ず固く之を張る。之を弱めんと将欲すれば、必ず固く之を強くす。
之を廃せんと将欲すれば、必ず固く之を興す。之を奪わんと将欲すれば、必ず固く之を与う。
是れを微明と謂う。柔弱は剛強に勝つ。魚は淵より脱るべからず。国の利器は以て人に示すべからず。」
(微明)
「天下に水より柔弱なるは莫し。而うして堅強を攻むる者、之に能く勝る莫きは、其の以て之を易うる無
きを以てなり。弱の強に勝ち、柔の剛に勝つは、天下、知らざるは莫きも、能く行なう莫し。
是を以て聖人は云う、「国の垢を受くる、是れを社稷の主と謂い、国の不祥を受くる、是れを天下の王と
謂う」と。正言は反するが若し。」(任信)
「大怨を和するも、必ず余怨有り。安んぞ以て善と為すべけんや。是を以て聖人は、左契を執りて人に責
めず。徳有るものは契を司り、徳無きものは徹――取り立つること――を司る。天道は親無く、常に善人
に与す。」(任契)
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