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此三人は兄弟なり。
親に後れて後、親の財宝を三つに分けて取れるが、庭前に紫荊樹とて、枝葉栄へ、花も咲き乱れたる木一
本あり。
これをも三つに分けて取るべしとて、夜もすがら三人僉議しけるが、夜のすでに明けければ、木を切らん
とて、木のもとへ到りければ、昨日まで栄へたる木が、にはかに枯れたり。
田真これを見て、「草木心ありて、切り分たんといへるを聞いて、枯れたり。まことに人として、これを
わきまへざるべしや」とて、分たずして置きたれば、また再びもとの如く栄へたるとなり。
(『御伽草子』 二十四孝 より )
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