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大根は四季ともに種を植える物にて、其の名も亦おのおの替わる。されども夏の終わりで秋の始めに蒔くことを定法とする。是れあまねく作る所なり。
其の種子色々多しといえども、尾張、山城、京、大坂にて作る勝れたるたねを求めて植えるべし。根ふとく本末なりあいて長く、皮うすく、水多く甘く、中実して脆く、茎付き細く、葉柔らかなるを選びて作るべし。根短く、末細にして、皮厚く、茎付きの所ふとく、葉もあらく苦いのは、是れよからぬたねなり。
又宮の前大根といって、大坂守口の香の物にする細長き牙脆い物あり。又餅大根といって、秋蒔きて春に至り、根甚だふとく、葉もよく栄え味辛い物あり。三月大根あり。はだ菜あり。又夏大根色々あり。又播州津賀野大根といって彼の地の名物なり。此の外蕎麦切りに入る。甚だ辛き物を求めつくるべし。
(省略)
干し大根、十月の末、いまだ寒気の甚だしからざる中にぬきて洗い、鬚を去り、二把をくくり合わせ、軒の下或は樹木の枝またにかけて干し、又は竹木をわたしかけて干すもよし。ししびに干たる時もみなやしもとのごとく干し、二三度このようにして其の後よく干して損ねない時に、こもに包み、湿気なき所におさめ置き、折々出し干し棚にて干してかびのでないようにすべし。又は極めてよく干して壺に入れ、口を封じおき、梅雨前に取り出し、少し干して前のごとく壺に入れおくべし。又よい程に干した時、盤の上に置き、よこづちにてしかじかと打ちて収めおくも中うつけずして味よし。打つ時頭の方より尾の方へ取り替えて打つべし。甘汁尾まで行きわたりて中うつくる事なし。初め先ずもみやわらげ、其の後うちたるなおよし。
又漬物にする事、糠に蔵め、味噌に漬け、其の外漬け様色々ありて何れも賞翫し、家事を助ける益多き物なり。
又唐人は国によって多く作って、根葉ともに漬けおき、雪の中是のみ菜に用いて朝晩のさいとなし、尤も飢えをも助けると書きたり。いか様山野の菜蔬多い中に是に勝る物少なし。土地多い所にては必ず過分に作るべし。
一種小大根あり、野に生ず。正二月ほりて漬物とすべし。
伊吹菜又ねずみ大根と云う。其の根の末細く鼠の尾のごとし。近江伊吹山にあり。彼の地の名物なり(又干し大根の法、能き大根を寒中三十日の間木の枝か或は縄を引き、それにかけ外にさらし置き、其の後なお干し納めおく事は前に同じ。はなはだ味よし)。
(『農業全書』 三之巻 第一 より )
ダイコン
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農業全書
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拝見いたしました。なんと言って宜しいやら、ポチ^^
2010/10/23(土) 午前 10:17 [ f u k o ]
fukoさん、ポチありがとうございます。
栄養不足になりますと、いい活動はできませんよ。
健康第一です。
2010/10/23(土) 午前 10:25 [ 霧山人 ]