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たまゆら。魂が顕れたもの。丸い白い球体。“オーブ”http://hasuhana.com/gallery-i.htm |
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川端康成の『たまゆら』を読了した。川端康成は、この小説を未完で終えている。それでも、テレビド |
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「ふん。あき子はわが家のたからものの、勾玉をうまいことせしめたから、(勾玉)とか、あるひは勾玉の古歌を書いておいてあげるかね。僕が会社をやめた時、いちばんなんにも言はなかつたのはあき子だつた。やさしいいたはりを、胸にひそめてゐてくれるのが、よくわかつたね。」 |
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「宮崎の旅を思ひ出すよ。」と直木は目をつぶつた。「えびの高原の赤松なんかね。えびの高原は硫黄が噴き出してゐて、そんな荒れた感じもあるし、まはりの山も京の山よりは強いが、赤松が多くてね、朝、ホテルの窓をあけると、赤松の群れの幹を、日の照らしてゐるのが実に美しいんだ。あの赤松の幹の色は、京都の赤松の幹の色より美しいかもしれんな。」 |
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鎌倉に住む占領軍の二三の家庭に、治彦少年はしじゆう招かれた。自然と父や母もともに招かれるやうになり、直木の家にも占領軍の家族を招くやうになつた。アメリカ人たちはこんな家庭的な交りを、敗戦のあとの日本人が思ひおよばないほどよろこんだ。思ひがけないほどの明るい善意を示した。 |





