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最上川にはところどころに鯉群がいるけれども、コイの話をするものはまずそこのことを話すのが常である。川前(かわまえ)という村から大石田へ移転してきた、井刈安蔵という人がいた。普段はいなか骨董などを売買しているが、魚をとらえることが好きで、またそのほうの巧者である。ある日楯岡(たておか)へ行った帰りに袖崎(そでさき)駅で下車して大石田へむかって歩いてくると、ヘグリに近い小菅(こすげ)村にそうた最上川にコイのむれが遊泳しているような気配を感じた。これはいわゆる『勘』というやつで、波だつ紋のぐあいで直覚したというのである。安蔵は大石田の家に帰り、昼食をはやばやにすませて、とあみ舟で行ってみたところが、はたしてコイがいた。二尺七八寸ぐらいのやつが四尾ばかり先行し、おなじぐらい大きい七八尾がそれにつづいていた。安蔵がいきおいこんでアミを打ったところが、手答えがあって、じつに大きいのが一尾とれた。あとは前に言った洞窟にかくれてしまったというのである。 |
画集・霧山幻影
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山椒魚は悲しんだ。 |
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山に棲む女に会いに行ったら、妙に色めき立ったヤマメが出来上がった。やっぱり、日本渓流界の乙女 |
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今日は、涙を流す女のように雨が降っているので、アマゴの画を描いた。ちょっと寂しげなニュアンス |
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年賀状を描きはじめる。最初に描いた絵は、虹鱒だ。片岡鶴太郎さんも一番初めに描いたのが虹鱒だっ |


