平成17年4月6日から平成23年9月6日までのブログ

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画集・霧山幻影

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風情とはこのようにあるべし。

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コイ

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 最上川にはところどころに鯉群がいるけれども、コイの話をするものはまずそこのことを話すのが常である。川前(かわまえ)という村から大石田へ移転してきた、井刈安蔵という人がいた。普段はいなか骨董などを売買しているが、魚をとらえることが好きで、またそのほうの巧者である。ある日楯岡(たておか)へ行った帰りに袖崎(そでさき)駅で下車して大石田へむかって歩いてくると、ヘグリに近い小菅(こすげ)村にそうた最上川にコイのむれが遊泳しているような気配を感じた。これはいわゆる『勘』というやつで、波だつ紋のぐあいで直覚したというのである。安蔵は大石田の家に帰り、昼食をはやばやにすませて、とあみ舟で行ってみたところが、はたしてコイがいた。二尺七八寸ぐらいのやつが四尾ばかり先行し、おなじぐらい大きい七八尾がそれにつづいていた。安蔵がいきおいこんでアミを打ったところが、手答えがあって、じつに大きいのが一尾とれた。あとは前に言った洞窟にかくれてしまったというのである。
『そうだなあ、五尺はあったな、十五貫はあったべな』などと安蔵はかたったそうである。
 友人からこの話をきいたとき、いくぶん安蔵の話にホラもまじっているような気もした。わたしはもうこの年になったので、人の話をそのままうけとれないばあいもちょいちょいあるようになり、また今宿のヘグリあたりにはしばしば散歩もして、底のみえるまですんだ最上川を見おろすことがあっても、ついぞコイのすがたを見たことがなかったからである。

 (『コイ』 斉藤茂吉 より )

山椒魚

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 山椒魚は悲しんだ。
 彼は彼の棲家である岩屋から外に出てみようとしたのであるが、頭が出口につかえて外に出ることができなかったのである。今は最早、彼にとっては永遠の棲家である岩屋は、出入口のところがそんなに狭かった。そして、ほの暗かった。強いて出て行こうとこころみると、彼の頭は出入口を塞ぐコロップの栓となるにすぎなくて、それはまる二年の間に彼の体が発育した証拠にこそはなったが、彼を狼狽させ且つ悲しませるには十分であったのだ。
「何たる失策であることか!」
 彼は岩屋のなかを許されるかぎり広く泳ぎまわってみようとした。人々は思いぞ屈せし場合、部屋のなかを屡々こんな工合に歩きまわるものである。けれど山椒魚の棲家は、泳ぎまわるべくあまりに広くなかった。彼は体を前後左右に動かすことができただけである。その結果、岩屋の壁は水あかにまみれて滑かに感触され、彼は彼自身の背中や尻尾や腹に、ついに苔が生えてしまったと信じた。彼は深い嘆息をもらしたが、あたかも一つの決心がついたかのごとく呟いた。
「いよいよ出られないというならば、俺にも相当な考えがあるんだ」
 しかし彼に何一つとしてうまい考えがある道理はなかったのである。

 (『山椒魚』 井伏鱒二 より )

年賀状を描く3

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 山に棲む女に会いに行ったら、妙に色めき立ったヤマメが出来上がった。やっぱり、日本渓流界の乙女

といった感じだ。やはらかなる肢体にサクラ色なる頬を染め、ひそやかなる趣にも、たおやかな敏捷性を

有して居る。大きくなると、サクラマスと呼ばれるようになる。春の花見をしながら、ヤマメの美肉を召

し上がるのも一興かと思う。生息する清らかな自然が失われ行く中で、このような女のいなくなる日々も

近いのだろうか。拙なるも、90点かな。何だか、頭がズキズキ。

                                 霧山人

年賀状を描く2

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 今日は、涙を流す女のように雨が降っているので、アマゴの画を描いた。ちょっと寂しげなニュアンス

のものとなった。繊細なだけに、少しづつ汚れていくことを抑えられないといった風が出て来た。降った

り止んだり晴れ間が射したりだが、この雨の中にひっそりと佇んでいる姿は、今にも消えてしまいそうな

幽玄なる感を与える。荒廃した自然の中において、滅び行く魚族の影に重なる。天然の消失しつつある日

本の原形に、我々は何を守ることができようか。そこまで、思いこんで居るかは知らないが、そのような

面持ちを持っている。うーん、80点。アマゴは、大きくなったらサツキマスになる。そういう色彩が出

たであろうか。

                                        霧山人

年賀状を描く1

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 年賀状を描きはじめる。最初に描いた絵は、虹鱒だ。片岡鶴太郎さんも一番初めに描いたのが虹鱒だっ

たらしい。そういうことに綾かって、吾輩も虹鱒を描いてみた。最初は、いろいろとたくさん描いて、そ

れぞれを郵送しようと思ったが、いつの間にかパソコンで編集して、年賀はがきに写そうかと試みてい

た。パソコンで絵の編集も遊びでやっていた。アナログとデジタルも使えるという両刀遣いを目指そう!

としている。まあ、プリンターの画像の倍率とか、面倒臭いことが多いので、全部、手描きで描いた方が

作品が増えそうな気配だったが、なんでもやってみないとしょうがないので、結局、デジタルの画も製造

してみたのだった。自筆の原画は、明るい色彩なのだが、プリントアウトした画は、渋くて実物っぽい味

が出た。尻尾がちょびっとだけ切れたので、何とか縮小法を探している。色の違いを修正したりといろい

ろと試す。これも就職活動に役にたつだろうか。小説・霧山幻想の挿絵も自分で描こうかな?

 雨降る霧山より。

                                       霧山人

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