平成17年4月6日から平成23年9月6日までのブログ

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宮崎の食材

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 栗に大小あり。丹波の大栗を勝れたりとす。三つ有るいがの内、中なるをゑり取りて湿地に埋め置き、

春芽少し出でんとする時、肥地の底は堅く立根のながく入らぬ所をゑらびて、五七寸間を置きてならべ

うへ、中一年して移し栽ゆべし。二三年にして必ず実る物なり。又是を所をゑらびてうへをき、杖ほどに

なりたる時、だい木にして大栗の穂を接ぎたるもしるし速かなり。二年の後は必ず実るべし。又山にて柴

栗のだい木を掘りうへをきて接ぎたるもよし。

 又一説に、栗はうへ付けにして移しうゆべからずともいへり。木ふとりてうへかゆれば久しくたらぬ物

なり。小き時は移しうへてもかはる事なし。

 又栗をうゆる事は木より落つるを其まゝ拾ひ、わらなどに包み深く埋み、春二月の頃芽少し出づるを見

て、とがりたる方を下にして、深さ二三寸に種ゆべし。若したねを遠方より取るならば、桶か箱に沙土を

入れ、其中にいけて風日にあつべからず。惣じて木となりても手風の触るゝ事を忌む物なるゆへ、うへを

きて盛長の後まで、木に手を触るべからず。手風切々触るればならぬ物なり。

 又丹波にても一さかりなりにては、木に蟲付きて中を通し痛みて実らぬ物なり。十月に入りて草を以て

幹(しんぼく)を包み、下にも木の葉をかきあつめ火を付けて焼くべし。蟲の穴にけぶり入り、朽ちたる

所に火入りてこがれ蟲も死し、其後木わかへてよくなる物なり。丹波にても大栗は大かた屋敷廻り山畠な

どの畦々ばかりうへて、山中には大栗はまれなりと云ふなり。丹波の土は大概赤土なり。種ゆる所は南向

取分きよし。又はあらき白砂の地も栗によしと云ふなり。北向の肥へて深き地は宜しからず。あはぬ地に

ても一端はふとりさかゆれども、やがて蟲付きてたをるゝ物なり。土地、風気をよくゑらびてうゆる事肝

要なり。

 同じく丹波にて栗を取りて収る事は、よく熟し、自ら口をひらきたるばかりを拾ひて一日乾し、其後か

まげに入れ他所へ売出すなり。

 又かち栗はわらの灰のあくに一夜漬け置きて、明る日日出でて取出し、さらし乾し、肉よくかはきて堅

く成りたる時皮をうち去るべし。臼にてつきて去りたるもよし。

 又生栗を来年まで納め置く事は、箱か桶又は壺にても沙を入れ、栗の芽の所をやきがねにて焼き、段々

沙に埋み置けば夏までも新しきがごとし。

 又栗の芽の所を右に云ふごとく焼きて土にてぬり、ざつと干し日の当らぬ縁の下に散しをきたるは、く

さらずして久しくたもつ物なり。但しじねんと口ひらき落ちたるよし。熟せざるはこたへず。

 又栗実らざるをば下枝を多く切り捨てゝ梢の枝をとめをけば、かならずみのる。

         ( 『農業全書』 巻之八 菓子之類 栗 第五 より )

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 稲は五穀の中にて極めて貴き物なり。太陰の精にて水を含んで其徳をさかんにすと云ふて、水によりて

生長するゆへ、土地のよしあしをばさのみ云はずして、先水を専にする事也。稲は汚泉に宜しとて、上に

流水あるか、又は泉池塘など有りて、水のかけ引自由にて旱にも絶えず、又洪水などの災もなく、殊に村

里の濁水の流れ来る地を第一とするなり。さて土の性は黄色、又は黒土のねばり気すくなく、青黒の小石

少々交りばらつきて重く、深くして性強く、悪土少しもまじはらず、水をはづして麦を蒔き、木わた其外

何にても畠物を作りても湿気のきらひもなく、日向までよくて実りよき高田を上々とは云ふ也。是より以

下よき事の不足なる次第を以て、上中下段々の位をはかり定むべし。

 稲の種子、早晩、美悪、色々其品限なく多しといへども、其粒白き事霜のごとくすきわたりて味よく、

実り多きをゑらびて作るべし。尤風虫などにもさのみ痛まず、其所の土に相応して利分のまされるを考え

て用ゆべし。必ずしも前々より其所に作り来りて、此外は求るにたらずと一遍に思ふべからず。種子のよ

しあし、相応不相応にて、過分の損徳ある事、諸書に委しく記し置けり。然るゆへに物種子を収むる総論

に詳に其事をしるせり。正月種へて五月刈り、其根より又茎葉を生じ、九月熟する稲あり。又当年から枯

れて来年をのづから生ふる稲も唐には有りと見えたり。是等の稲たねを求めて作り心みたき事なり。

 稲は柳に生ずとて、楊柳のさかゆる歳が稲のよきものなり。本朝にても農民の世話に梅出、枇杷麦とも

云ふなり。考へみるに此説大抵たがわず。

 稲は苗をうへて七八十日にして穂に出で、さてそれより早田は三十日、中田、晩田は四五十日にて刈し

ほになる物なり。

         ( 『農業全書』 巻之二 五穀之類 稲 第一 より )

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