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爰に上京辺の人なりしに、世に尊き御発心者有り。悪を捨てて善に進み、朝には天長地久、夕には現世 |
古典
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天下太平国土安穏、かかるめでたき御代にあふこと、人間は申すに及ばず、鳥類畜類に至るまで、有り |
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今の世までも、親孝行の人は、天道の恵みにあづかるべし。必ず人をあはれめば、その報早くして、わ |
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さるほどに、此事天下にかくれなし。みかども叡聞ましまして、世にたぐひなき事なりとて、急ぎ大しうを雲上へ
召され、長安城のみかどの御位を、大しうにゆづり給ふ。これすなはち親に孝ある故なりと、聞く人殊勝にありが
たく、皆感涙をもよほしけり。正月に筋もなき者を位になし給ふを、県召といふことあり、これもこの時より始まれ
り。
(『御伽草子』 七草草紙 より )
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大しう大きに喜び、とうせんより立ち帰り、折しも頃は新玉の、一日よりこの草を集めて、父母にこそ与へける。
すでに正月七日には、二人の親の御姿を見奉れば、忽ち二十ばかりに経かへりけり。大しうこれを見て、喜ぶこ
と限りなし。七草を正月七日にみかどへ供ふる事は、この時より始まれり。また若菜、若水などといふことも、こ
のいはれなるべし。
(『御伽草子』 七草草紙 より )
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