平成17年4月6日から平成23年9月6日までのブログ

日本の四季を大切にしよう。引越し先でも閲覧可。下の一言が入り口↓ 容量2GBを超えたので引越ししたよ。

古典

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浦島太郎 4

 さて女房申しけるは、「これは竜宮城と申す所なり、此所に四方に四季の草木をあらはせり。入らせ給

へ、見せ申さん」とて、引具して出でにけり。まづ東の戸をあけて見ければ、春の景色と覚えて、梅や桜

の咲き乱れ、柳の糸も春風に、なびく霞のうちよりも、鶯の音も軒近く、いづれの木末も花なれや。南表

を見てあれば、夏の景色とうち見えて、春をへだつる垣穂には、卯の花や、まづ咲きぬらん、池の蓮は露

かけて、汀涼しきさざなみに、水鳥あまた遊びけり。木々の梢も茂りつつ、空に鳴きぬる蝉の声、夕立過

ぐる雲間より、声たて通るほととぎす、鳴きて夏とや知らせけり。西は秋とうち見えて、四方の梢も紅葉

して、籠の内なる白菊や、霧たちこむる野辺の末、真萩が露を分け分けて、声ものすごき鹿の音に、秋と

のみこそ知られけれ。さて又北をながむれば、冬の景色とうち見えて、四方の木末も冬がれて、枯葉に置

ける初霜や、山々やただ白妙の、雪に埋るる谷の戸に、心細くも炭竃の煙にしるき賤がわざ、冬と知らす

る景色哉。

(『御伽草子』 浦島太郎 より )

浦島太郎 3

 さて船より上り、いかなる所やらんと思へば、銀の築地をつきて、金の甍をならべ、門をたて、いかな

らん天上の住居も、これにはいかで勝るべき。此女房のすみ所、ことばにも及ばれず、中々申すもおろか

なり。さて女房の申しけるは、「一樹の蔭に宿り、一河の流れを汲むことも、皆これ他生の縁ぞかし。ま

してや遥かの波路を、はるばると送らせ給ふ事、ひとへに他生の縁なれば、何かは苦しかるべき、わらは

と夫婦の契をもなし給ひて、同じ所に明し暮し候はんや」と、こまごまと語りける。浦島太郎申しける

は、「ともかくも仰せに従ふべし」とぞ申しける。さて偕老同穴の語らひも浅からず。天にあらば比翼の

鳥、地にあらば連理の枝とならんと、互に鴛鴦の契浅からずして、明し暮させ給ふ。

(『御伽草子』 浦島太郎 より )

浦島太郎 2

 かくて浦島太郎、其日は暮れて帰りぬ。又次の日浦の方へ出でて、釣をせんと思ひ見ければ、はるかの

海上に、小船一艘浮べり。怪しみやすらひ見れば、美しき女房只ひとり波にゆられて、次第に太郎が立ち

たる所へ着きにけり。浦島太郎が申しけるは、「御身いかなる人にてましませば、かかる恐ろしき海上

に、ただ一人乗りて御入り候やらん」と申しければ、女房いひけるは、「さればさる方へ便船申して候へ

ば、折ふし浪風荒くして、人あまた海の中へはね入れられしを、心ある人有りて、自らをば此はし舟に乗

せて放されけり。悲しく思ひ鬼の島へや行かんと、行方知らぬ折ふし、ただ今人に逢ひ参らせさぶらふ。

此世ならぬ御縁にてこそ候へ。されば虎狼も、人を縁とこそしさぶらへ」とて、さめざめと泣きにけり。

浦島太郎も、さすが岩木にあらざれば、あはれと思ひ、綱を取りて引き寄せにけり。さて女房申しける

は、「あはれわれらを本国へ送らせ給ひてたび候へかし。これにて捨てられ参らせば、わらはは何処へ何

となりさぶらふべき。捨て給ひ候はば、海上にての物思ひも、同じ事にてこそ候はめ」と、かきくどきさ

めざめと泣きければ、浦島太郎もあはれと思ひ、同じ船に乗り、沖の方へ漕ぎ出す。かの女房の教へに従

ひて、はるか十日余りの船路を送り、故郷へぞ着きにける。

(『御伽草子』 浦島太郎 より )

浦島太郎 1

 昔丹後国に、浦島といふもの侍りしに、その子に浦島太郎と申して、年の齢二十四五の男有りけり。明

け暮れ海のうろくづをとりて、父母を養ひけるが、ある日のつれづれに、釣をせんとて出でにけり。浦々

島々、入江々々、到らぬ所もなく、釣をし、貝を拾ひ、みるめを刈りなどしける所に、ゑしまが磯といふ

所にて、亀を一つ釣り上げける。浦島太郎此亀にいふやう、「汝、生有るものの中にも、鶴は千年、亀は

万年とて、命久しきものなり。忽ちここにて命をたたん事、いたはしければ、助くるなり。常には此恩を

思ひ出すべし」とて、此亀をもとの海にかへしける。

(『御伽草子』 浦島太郎 より )

一寸法師 6

 その後、金銀打ち出し、姫君ともに都へ上り、五条あたりに宿をとり、十日ばかりありけるが、此事隠

れなければ、内裏にきこしめされて、急ぎ一寸法師をぞ召されけり。すなはち参内つかまつり、大王御覧

じて、「まことにいつくしき童にて侍る。いかさまこれはいやしからず」。先祖を尋ね給ふ。おほぢは掘

河の中納言と申す人の子なり。人の讒言により、流され人となり給ふ。田舎にてまうけし子なり。うばは

伏見の小将と申す人の子なり、幼き時より父母に後れ給ひ、かやうに心もいやしからざれば、殿上へ召さ

れ、堀河の少将になし給ふこそめでたけれ。父母をも呼び参らせ、もてなしかしづき給ふ事、よのつねに

てはなかりけり。

 さる程に少将殿、中納言になり給ふ。心かたちはじめより、よろづ人にすぐれ給へば、御一門のおぼえ

いみじくおぼしける。宰相殿きこしめし、喜び給ひける。その後若君三人いできけり。めでたく栄へ給ひ

けり。

 住吉の御誓に、末繁昌に栄へ給ふ。世のめでたき例、これに過ぎたることはよもあらじとぞ申し侍りけ

る。

(『御伽草子』 一寸法師 より )


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