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なすびに紫白青の三色あり。又丸きあり、長きあり、此内丸くして紫なるを作るべし。餘はおとれり。丸きは味甘く和らかにして肉実し、料理に用ひ能く、煮てもみだりにとけくだくる事なし。かうの物其外にも専ら是を用ゆべし。
又長き茄子にをそく老いて大きなるあり。是又よきたねなり。
種子を収め置く事、二番なりのうるはしきに札を付け置き、九月よく熟したるをわりて、子を水にて洗ひ、沈みたるをゆり取り、其ままよくさらし乾し、さらさらとする程よく干たる時収め置くべし。又丸ながら庭の火たくあたりに埋み置きて春ほり出し、洗ひゆり取り灰に合せ蒔くもよし。是早く萌ゆるなり。又二つにわり、かづらなどにつらぬき、軒の下につりをきて、蒔く時ぬる湯にひたし、しばし有りて子を洗ひ取り、灰沙に合せ蒔くもよし。
(略)
(『農業全書』 三之巻 第七 より )
ナス
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農業全書
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絲瓜(へちま)、わかき時は料理にして食す。同じく漬物にして極めてよき物なり。老いて皮厚く、堅くなりたるを干して其後水に漬け置けば、肉くさり上皮のきて、其筋あらき布のごとく成りたるをもみ洗ひ乾し置き、是にて器物をあらへばたとひぬりたる物にても引めも付かず、物のあかを能くとり、又湯手に用ひて甚だよし。うへ様雑瓜に同じ。垣にははせ、かや屋にははせたるよし。此瓜は痘疹(ほうそうはしか)の薬なり。其外にも功多し。
(『農業全書』 三之巻 第十五 より )
へちま
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黄瓜又の名は胡瓜、是下品の瓜にて賞翫ならずといへども、諸瓜に先立ちて早く出来るゆへ、いなかに多く作る物なり。都にはまれなり。
うへ様大かた菜園の廻りなど、冬より地をこしらへをき、種子を下す事、正月晦日又は二月も三月も晦日にうへて土を少しおほひ、或は灰糞をおほひたるは猶よし。但きうりは早きを専にする物なれば、なるほど早くうゆべし。又所によりて多く作る事は甘瓜のごとく、區うへにし、こやしをよくすれば、過分になるものなり。さきをとめ、手くばり其外甘瓜にかはる事なし。たねにおく物は中なりよし。本なりは子少し。うへておほくならず。
(『農業全書』 三之巻 第十一 より )
キュウリ
上の写真のきゅうりは8月の自家栽です。
漢方では、利尿作用があることで知られ、むくみに有効である。漢方というものは、どのくらいの量を食べればいいのかがよくわからないので、野菜の場合、できるだけ多量に摂るのがよいだろう。キュウリに含まれるカリウム成分が体内の余分な塩分を排出してくれる。そのため、血圧を正常に保つ作用があり、高血圧や腎臓病の人に効果がある。一般にウリ科の野菜の多くは、体の中の湿気や熱をとる効果があるとされる。
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西瓜、水の多き物なる故、水瓜と云ふにはあらず。是もと西域より出たる物也。故に西瓜(てんぢく)の號あり。
うゆる法、甘瓜にかはる事なし。種子下す時分も大かた同じ。少し遲きも苦しからず。又苗をうへ置きて移しうゆるもよし。畦も區も甘瓜より廣くこやしもなる程多く用ゆべし。海藻ある所ならば是を多く入れたるがよし。區ごとに立てをく数も畦のひろきせばきにしたがひ、一本若しは二本も置くべし。多くはをくべからず。又子をば一本に二つ三つまでは置くべし。甚だ大なるを好まば一つをきたるにはしかず。わきのつるも花も皆々つみ切るべし。是は甘瓜のごとく先を留る事はなし。無用のつるの出づるをきりさるべし。其まま置けば瓜ふとからず。甘瓜の終りて後熟し、味よく暑気をさまし、酒毒を解し、渇きをやめ、多く食しても人にたたらず、いさぎよき食物なり。たねに色々あり。じゃがたらと云うあり。肉赤く味勝れたり。是を専ら作るべし。海辺ちかき南向の肥へたる砂地を好む物にて、山中など取分け宜しからず。
大根を作る地の余計なき所にては、西瓜をば斟酌(手加減)すべし。甘瓜より地晩(おそ)くあくゆへ、甘瓜の跡の早くあきて、大根を早く蒔き、其利の多きにしかず。西瓜は昔は日本になし。寛永の末初めて其種子来り、其後やうやく諸州にひろまる。
(『農業全書』 三之巻 第十三 より )
スイカ
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ぶだう、是も色々あり。水晶葡萄とて白くすきわたりてきれいなるあり。是殊に味もよし。又紫、白、黒の三色、大小、甘き酸きあり。ゑらびてうゆべし。さし木、取木共によし。(略)
又乾葡萄を造る法、いかにもよく熟したるを、ほぞの所をきり去り、汁は出でざる様にして蜜と等分に合せ、ざつと四あは五あは煮て、布にてこし鉢などに入れ、かげ干しにすれば即ちかたまりて其味すぐれて美なり。殊に薬なり。是夏月も損ぜず。近年おりおり唐船に持来れり。佳味なる物なり。
又葡萄酒を造る事は尋常(よのつね)の葡萄にてはならぬ物なりとしるせり。
(『農業全書』 八之巻 第十三 より )
近年、ぶどうの名産地・フランスでは、地球温暖化による気候変動により、ぶどうの生産に影響がでないかと心配しているようだ。
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