平成17年4月6日から平成23年9月6日までのブログ

日本の四季を大切にしよう。引越し先でも閲覧可。下の一言が入り口↓ 容量2GBを超えたので引越ししたよ。

文学

[ リスト | 詳細 ]

記事検索
検索

故郷盧橘

イメージ 1

           いにしへを忍ぶとなしにふる里の夕の雨に匂ふたちばな



 続拾遺集に入る。真淵評「橘に昔の人のいふ一首につきて、後人その言葉にのみよめるはまだしき事なり、是もはじめの歌ならん」(飯田本)「古今歌集に、むかしの人のとよみし一首につき後世千萬の橘の歌によむはいまだしきなり」(三輪田本)。

 (『金塊和歌集』 岩波文庫 斉藤茂吉校定 )

 金塊集は、一に金塊和歌集、鎌倉右大臣集といい、鎌倉三代将軍源実朝の歌集である。金は鎌倉の鎌の偏を取り、塊は、面三塊三公位焉などといって大臣の意味になるから、金塊集は鎌倉右大臣家集ということになるのである。

 ( 同上 解説 昭和四年春彼岸。斉藤茂吉識。 )

 

イメージ 1

 チヨツキはたつたいま消えて行つた
 恐るべくかなしむべき真空溶媒は
 こんどはおれに働きだした
 まるで熊の胃袋のなかだ
 それでもどうせ質量不変の定律だから
 べつにどうにもなつてゐない
 といつたところでおれといふ
 この明らかな牧師の意識から
 ぐんぐんものが消えて行くとは情ない
  (いやあ 奇遇ですな)
  (おお 赤鼻紳士
   たうとう犬がおつかまりでしたな)
  (ありがたう しかるに
   あなたは一体どうなすつたのです)
  (上着をなくして大へん寒いのです)
  (なるほど はてな
   あなたの上着はそれでせう)
  (どれですか)
  (なるほど ははあ
   真空のちよつとした奇術ですな)
  (えゝ さうですとも
   ところがどうもをかしい
   それがわたしの金鎖ですがね)
  (えゝどうせその泥炭の保安掛りの作用です)
  (ははあ 泥炭のちよつとした奇術ですな)
  (さうですとも
   犬があんまりくしゃみをしますが大丈夫ですか)
  (なあにいつものことです)
  (大きなもんですな)
  (これは北極犬です)
  (馬の代りには使へないんですか)
  (使へますとも どうです
   お召しなさいませんか)
  (どうもありがたう
   そんなら拝借しますかな
  (さあどうぞ)
 おれはたしかに
 その北極犬の背中にまたがり
 犬神のやうに東へ歩き出す
 まばゆい緑のしばくさだ
 おれたちの影は青い沙漠旅行
 そしてそこはさつきの銀杏の並樹
 こんな華奢な水平な枝に
 硝子のりつぱなわかものが
 すつかり三角になつてぶらさがる

(『春と修羅』 新編 宮沢賢治詩集 天沢退二郎編 )

イメージ 1

  (ウーイ 神はほめられよ
   みちからのたたふべきかな
   ウーイ いゝ空気だ)
 そらの澄明 すべてのごみはみな洗はれて
 ひかりはすこしもとまらない
 だからあんなにまつくらだ
 太陽がくらくらまはつてゐるにもかゝはらず
 おれは数しれぬほしのまたたきを見る
 ことにもしろいマヂエラン星雲
 草はみな葉緑素を恢復し
 葡萄糖を含む月光液は
 もうよろこびの脈さへうつ
 泥炭がなにかぶつぶつ言つてゐる
  (もしもし 牧師さん
   あの馳せ出した雲をごらんなさい
   まるで天の競馬のサラアブレツドです)
  (うん きれいだな
   雲だ 競馬だ
   天のサラアブレツドだ 雲だ)
 あらゆる変幻の色彩を示し
 ……もうおそい ほめるひまなどない
 虹彩はあはく変化はゆるやか
 いまは一むらの軽い湯気になり
 零下二千度の真空溶媒のなかに
 すつととられて消えてしまふ
 それどこでない おれのステツキは
 いつたいどこへ行つたのだ
 上着もいつかなくなつてゐる
 
(『春と修羅』 新編宮沢賢治詩集 天沢退二郎編 より )
 

イメージ 1

 水が落ちている
 ありがたい有難い神はほめられよ 雨だ
 悪い瓦斯はみんな溶けろ
  (しつかりなさい しつかり
   もう大丈夫です)
 何が大丈夫だ おれははね起きる
  (だまれ きさま
   黄いろな時間の追剥め
   飄然たるテナルディ軍曹だ
   きさま
   あんまりひとをばかにするな
   保安掛りとはなんだ きさま)
 いゝ気味だ ひどくしよげてしまつた
 ちゞまつてしまつたちひさくなつてしまつた
 ひからびてしまつた
 四角な背嚢ばかりのこり
 たゞ一かけの泥炭になつた
 ざまを見ろじつに醜い泥炭なのだぞ
 背嚢なんかなにを入れてあるのだ
 保安掛り じつにかあいさうです
 カムチヤツカの蟹の缶詰と
 陸稲の種子がひとふくろ
 ぬれた大きな靴が片つ方
 それと赤鼻紳士の金鎖
 どうでもいゝ 実にいゝ空気だ
 ほんたうに液体のやうな空気だ

(『春と修羅』 新編 宮沢賢治詩集 天沢退二郎編 より )

イメージ 1

 まつたくひどいかぜだ
 たふれてしまひさうだ
 沙漠でくされた駝鳥の卵
 たしかに硫化水素ははひつてゐるし
 ほかに無水亜硫酸
 つまりこれはそらからの瓦斯の気流に二つある
 しようとつして渦になつて硫黄華ができる
     気流に二つあつて硫黄華ができる
         気流に二つあつて硫黄華ができる
  (しつかりなさい しつかり
   もしもし しつかりなさい
   たうとう参つてしまつたな
   たしかにまゐつた
   そんならひとつお時計をちやうだいしますかな)
 おれのかくしに手を入れるのは
 なにがいつたい保安掛りだ
 必要がない どなつてやらうか
          どなつてやらうか
             どなつてやらうか
                どなつてやらうか
                   どなつ……

(『春と修羅』 新編 宮沢賢治詩集 天沢退二郎編 より )


.
霧山人
霧山人
非公開 / 非公開
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について

エコロジー

日本的なもの

標準グループ

感覚として

健康について

わーるど・ネット

小説家たち

政治勢力

料理ひと

Yahoo!からのお知らせ

友だち(8)
  • C-KOA
  • RYUMYAKU
  • 杉山 浩司
  • oxauco
  • cafeherb
  • 馬上侍
友だち一覧
検索 検索

よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

ふるさと納税サイト『さとふる』
実質2000円で特産品がお手元に
11/30までキャンペーン実施中!

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事