「なんとかなるだろ」 イングランドの田舎に家族居残り

国際化社会。子供らに重要なのは英語なんかでない。大切なのは人間性だ。専門知識があればなお良い。ちゃんと将来を担う若者が育つ社会に

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たまたま仕事で海外で生活をすることになった時期が子供の幼児から少年の時期になったので自然と言葉というものに対する関心は高くなった。

以前、このブログでも書いたが英語は世界の共通語であるというのは紛れもない事実であるが、国際社会で活躍している人には当然、英語が母国語でない人大勢いる。そういう人、全員が英語が非常に堪能かというとそういうわけでもない。ボクが今まで会った人の中にはかなりわかり難い英語を話す人もいれば、ほとんど理解不能(とくに博士号をとった中国やインド方)の英語を話す方もいる。
だから、英語は必要だが重要ではない、という結論だ。しかし、それは言葉の重要性を否定しているのではない。実は言葉は大変重要なのだ。

今から16年ほど前に長男が生まれた。
かみさんが友人からあるビデオをもらってきた。佐藤宗夫さんという人の講演を録画したものだった。
子供に対する読書、読み聞かせの大切さをご本人の体験も交えながら上手に説明していた。
いい加減な性格のボクもさすがに人の親になるという事で多少は気合が入っていたのと、直感的に感じた危機的な感覚からすっかりそれにのめりこんでしまった。
正確には覚えていないが、「抽象概念の認識力」「本質の理解力」「論理的考察力」などの言葉が繰り返し謳われていたと思う。それらの力を育てるために読み聞かせが重要だと。

そこで、2つのことを実践することにした。いずれも推薦されていたことだ。
1.子供の前ではテレビを見るのを止めて、本の読み聞かせをする。
2.子供の早期教育はしない。

子供が1歳半のとき、仕事で渡米することになったが、読み聞かせは続けた。もちろん日本語の本だ。相当数の本を買って引越しの荷物として持っていった。その後も日本に帰国するたびにダンボール箱1個分の絵本を抱えてアメリカに帰るということを繰り返し、いつのまにか小さな図書館の子供コーナーくらいの本が揃うようになった。

子供が寝るときの「パパの読み聞かせ」は毎晩の習慣になった。当然、昼間などはかみさんが読み聞かせをした。
アメリカ駐在が決まり仕事をやめ、専業主婦になったかみさんにとって、この「子供の前ではテレビを見るのを止めて、本の読み聞かせをする」の実行は決して楽なものではなかった。
頼る人も居ない外国暮らしで疲れた時に「ちょっとテレビに子守を」が出来なかったのはかなり辛かったはずだ。
かみさんがよく口にしていた「子供は洩れなくついてくる。24 hours a day, 7 days a week」というのが今でも思い出される。

ボクらが読んだのはすべて日本語の本だった。英語が不自由な僕達に英語の本での読み聞かせは出来ない。日本語の本なら感情移入だろうが、登場人物に応じての声色の変化だろうが自在だ。

この「子供の前ではテレビを見るのを止めて、本の読み聞かせをする」は実は7歳までという時限立法で、8歳の誕生日からは制約は設けない方針だった。ところが長男が7歳の時、次男が生まれた。
まさか、露骨に差をつけることも出来ず、次男も同じ方針をとったので、もう15年も続いている。

長男は当然、本好きになる。学校で字を習って読み書きができるようになると自分でも読み出す。習った文字が英語なので読む本はすべて英語だ。しかも半端でない本好きなので膨大な量の本を読む。読むのも早い。1日で900ページが小学校の記録だ(Harry Potterの本、1冊以上)と本人が言っていた。
母親からは「Nerd」と呼ばれていた。「がり勉のもやし野郎」みたいな意味かな。

日本語での読み聞かせが実は後に「英語が不自由な両親に英語圏で育てられたという不利な環境を克服」する重要な要素となるとは誰も予想しなかった。

続く
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