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インドネシアで、バティックの父とも言われるイワン ティルタ氏の来日記念講演が、
2005年6月10日(金)、日本記者クラブ プレスセンター(東京・内幸町)で開かれました。
ユドヨノ大統領の初来日にあわせて、経済視察団の一員として来日でした。
イワンティルタ氏は、インドネシア大学法学部助教授当時、美術にも興味を持ち、
1960年後半から、中部ジャワの王宮舞踊の研究をするうちに、衰退するバティックの現状を憂い、
残されているバティックのバターンの収集や、バティックをめぐる執筆をしています。
さらに、それまでの職をすて、バティックデザイナーへと転身を遂げたのです。
彼のデザインになる華麗で優美なバティックは、世界的に知られ、各国からの招待を受けて
展示会やショーを開催しています。これまでに、日本で2回のショーを行っており、NHKの企画番組
でも取り上げられています。イワンティルタ氏の経歴と、展示会履歴等は、とても長くなるので、
こちらでは省かせていただきます。
わたしは、来日記念講演にあわせて、日本でのバティックの現状を文書にまとめるよう関係者から
依頼があり、イワンティルタ氏に送付していました。来日の打ち合わせで、初めて同氏にお会いする
ことになりました。風格と風貌に圧倒されましたが、とても気さくな方で、わたしの緊張をほぐそうと、
冗談を言っては場を和ませてくださいました。
講演では、イワンティルタ氏、通訳に加え、わたしが日本語でのサポート役として、前方に座る
ことになりました。講演と質疑応答に2時間。バティック工芸の定義、文化的位置付け、ジャワ更紗の
特徴をエピソードを交えながら話し、バティックの確かな技術、基準や規則があり、ジャワ文化との
結びつきが強い一方、宗教による規制や制限はない−−などと説明。布のモチーフについて話には、
会場の皆さんもメモをとりながら聞いているなど、関心を示している様子でした。
近年、インドネシア商工会議所は、インドネシアの3つの工芸分野「バティック」「木彫芸術」
「ジャムウ(ハーブを調合したインドネシア版漢方薬のようなもの)」を、『国家の文化的象徴』に
提唱しています。そういった、産業としてのバティックに話にも触れていました。
イワンティルタ氏は、75歳には見えない若々しさです。
「また、日本で、このような機会を持ちたい」と話していました。
次の機会には、彼のデザインした優美な作品を見せていただきながら、
デザインやモチーフの由来などを、もう少し聞くことができればと考えています。
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