更紗とアジアの良布

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パレンバンの刺繍布

最近、入手した刺繍布です。
見せて欲しいと要望があったので、掲載します。

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おそらく、スマトラ島のミナンカバウのものだと思われますが、
下の写真を見ていただけるとわかりますが、珍しい形をしていて、どのような目的で作られたのか、
その用途もわかりません。現在、調べているところです。

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その表面の全面に刺繍が施されています。
長さ100×最大幅54cm

この布は、最近、インドネシアである方から譲り受けたものです。
お金がいるので買ってくれないか・・とお持ちかけられました。

長年の友人のお母さんは、王家出身の方。そのお母様からの頼みということもあって、
お役に立てるなら・・・と2枚ほど譲り受けました。そのうちの1枚です。


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2年程前から、家の整理をしなくては・・と本気で考え始め、
持ち物の処分を検討していました。

友人が、布などがぎっしり詰まった、我が家のクローゼットを見て、
「お店が1軒できるね」と苦笑していました。

周囲からの要望もあって、友人知人たちと、
それらを出品したお宝市?蚤の市?を
12月に経堂(世田谷)で開催することにいたしました。

詳細は、近日中にお知らせします。
これまでにも、こういうものを出す機会がなかったのですが、
お宝市?蚤の市?では、これまでお見せすることのなかった布や、
旅で見つけたものを、喜んでいただける方にお譲りしたいと考えています。
インドネシア・スマトラ島・パレンバン地域で織られる絹絣「リマール」の紹介です。
全体的に赤紫色が多く、金糸の使い方が美しいのが特徴です。

数年前までは、資料としての貸し出していましたが、少しでも傷むことを避けるため、
今はロール状に巻いて仕舞いこんでいます。

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その昔、パレンバンは、スリウィジャヤ王国の時代、貿易港としても栄えていたそうです。
そのためか、リマールを見ていると、インドの布「パトラ」の影響を色濃く残していることがわかります。
稀に、中国の刺繍が取り込まれていることがあります。
地理的にも恵まれた貿易港だったのでしょう。

イメージ 2

今回、リクエストがあったため、お見せすることにしました。
いつもなら、写真を撮る前に、蒸気を当ててシワを延ばしますが、
これ以上、傷めたくないので、それもためらわれる状態です。

かなり大きなものになるでしょうが、そのまま額に入れるか、
部分的に利用できるところを、表装などに使うか迷っています。
何か良い活用方法はないでしょうか。

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この布もそうですが、古布に関しては、特に収集していたわけではありません。
インドネシアの友人に「お金が必要だから買ってくれないか・・・」と頼まれて、
購入したものがほとんどです。

細い絹糸で織りられる細かな模様を見ても、古き良き時代の布だということが見て取れます。
そうして購入したものの、昔の糸、染料、本来持っている技術を知る上で、とても参考になりました。

---このリマールは、欲しい方にお譲りしても良いか・・・と考えています。
もしくは、美術館、資料室などに寄贈することを考えています。

雑誌にの写真もよく使われた布です。
私が監修を務めた雑誌「urma」では、2ページ見開きで紹介されています。
我が家のスキャナが小さくて、読み込めないのが残念です。

いまも地機(じばた)で織られ続ける現地の写真や、現代のリマールは、またそのうちに掲載します。

<コレクション>
■Copyright © 2008 RUMIKO KOGA/Collection Saya■
白布に、バリ島の古典絵画で『羽衣伝説』が描かれています。
カマサンという画法が使われています。
バリ島の古都クルンクンの祭礼用装飾布です。

雑誌、展示会などでご覧になった方たちから、「見てみたい」とのご要望が多いため、
紹介させていただくことにしました。

たて27cm×長さ5m24cmのうちの、一部を紹介いたします。

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描かれるストーリーは「ジョゴ・ダルブット」。

日本各地にある「羽衣伝説」。沖縄では「飛衣羽衣」(とびんすはにんす)と言われているようです。
それらによく似た話が、絵巻物のように描かれています。

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以前、古いカマサン絵画に人気の集まった時期に、多くが細かく切り売りされたため、
この状態で残っているものは、少ないのではないかと思います。

鴨居のようなところに付けられて飾られたのか、ところどころに竹製の取り付け具が付いています。

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絵画なので、わたしは門外漢です。
バリの貴族階級の友人から「お金がいるので買ってくれないか」と持ちかけられました。
当時、お金のなかった私ですが、「お役に立てるのであれば」・・・と購入しました。

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5年前、アジアの布を特集した月刊誌で監修を務めました。22ページの特集号でした。
私のコレクションの布だけでなく、我が家や私までも・・・写真に撮られ、紹介されています。

同誌では、いくつかのサブタイトルの中で「伝え合った海の道」を紹介しています。
海の道を連想させる、このカマサンの紹介記事で「デヴィプランギー」と書いてしまいました。
「ジョコタルブット」の誤りでした。

原稿、撮影・・・約二週間、寝る間もなく、締め切りに追われましたが、
今となっては楽しい思い出です。良い経験をさせていただきました。

この祭礼装飾布は、日の目を見ないため、いずれ、資料として役に立てていただけそうな、
美術館に寄贈することを考えています。

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■Copyright © 2008 RUMIKO KOGA/Collection Saya■


---スマプラ宮殿の旧裁判所の天井には、カマサン絵画で、道徳的な教えが描かれています。
★スマプラ宮殿・クルタゴア★ (バリ島com・紹介記事)

中国刺繍布・1

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15年程前、まだ勤めをしていた頃、香港への出張が頻繁にありました。

慌しい日程の中、少しでも時間があると、中環(セントラル)の山の手にある、ギャラリー街に足を運びました。

工芸品を扱う店が並んでおり、中でも、中国のアンティーク刺繍布、織り布を扱うテレサ・コールマンの店と、

数軒となりにあった古いチベット家具、ラグをそろえた店が好きでした。


イギリス人のテレサ・コールマンさんは、たしか、前職が大英美術館に関わる研究者で、

中国東部のテキスタイルを専門に、調査、収集されていたそうです。

その経験を活かし、お店をはじめた・・・と聞いたような記憶です。


 店内に飾られる、細かく糸が刺された刺繍布、難易度の高い綴れ織りを見ることができ、

中国工芸品に対して持っていた、色彩や形のイメージが完全に覆された覚えがあります。

写真は、そこで譲り受けた刺繍布です。家の片づけをしていたら、本の間から出てきました。


写真の刺繍布のことも、丁寧に説明していただいたのですが、残念ながら、清の時代のもの

ということしか覚えていません。そのうち、中国刺繍の本を見ながら調べてみようと思います。

生命樹・2008 vol.2

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10年ほど前に購入した、スマトラ島の南部ランプン地域に伝わる布「TAMPAN」は、

日本では霊船布として知られています。


太めの綿糸で、浮織りの技法で織られ、やや厚めに仕上がっています。

この文様にはいろいろな説がありますが、魔よけ、縁起物として、結婚式などのさまざまな祭礼の際に、

飾りに用いられるのが一般的なようです。


ランプンはインド洋に面し、マラッカ海峡に近いため、かつて交易で栄えていた時代がありました。

この布には、船上にそびえる樹木、その周りに多くの人々、獣、鳥などが描かれています。

船によって、多くのものが運び込まれ、地域を豊かにしたのでしょう。


この船布は、最近は見かけなくなったものの、わりと近年に作られており、特別に珍しいものでも、

技術的に優れたものでもありません。生命樹の構図のひとつではありますが、航海技術も満足ではない頃に、

海が道になっていたことを、思いめぐらせるのに楽しい1枚です。


日本にも、ペルシャの織物やインド更紗に由来するといわれる樹木文様が、正倉院に数多く遺されています。

樹木文様は、豊穣を表すものとして「生命の木」「生命樹」と言われ、現代の染織(特に呉服)にも、

数多く見ることができます。


文様のいわれやルーツは、歴史的な背景からもさまざまな意見があり、何が正しいのか判断しにくい

ところです。14世紀に書かれたポルトガル人トメ・ピレスの「スマ・オリエンタル」(東方諸国記)

によると、中継貿易港として栄えていたマラッカを訪れた際のことが、詳しく記されています。

読んでいると、海の道は日本にも続いていたと思われる部分がいくつもあり、

興味深い内容が記載されています。・・・詳しくは、またそのうち。


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