cygnus_odile の 雑記

2012年(1月6日)は、ジャンヌ・ダルクの生誕600周年!

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Joan of Arc: An Epic Poem(叙事詩『ジャンヌ・ダルク』)
  by Robert Southey, Japanese translation by cygnus_odile

 原著(Second Edition, 1798)はこちら → http://www.archive.org/details/joanofarc00soutuoft

Joan of ARC. Book VII. (04)
ジャンヌ・ダルク 第7章(04)

And by his side the martial Maiden pass'd, 
Lovely in arms as that Arcadian boy 
Parthenopaeus, when the war of beasts               115 
Disdaining, he to cope with men went forth, 
Bearing the bow and those Dictaean shafts 
Diana gave, when she the youth's fair form 
Saw, soften'd, and forgave the mother's fault.      119 

そして彼の横に並んで『武装乙女』が通り過ぎた、
うっとりするほど美しく武具に身を包み
それはアルカディアの少年パルテノパイオスのようだった、
残忍な恥ずべき戦争のとき、
彼は人々と争うために出発した、
ディアナ(アルテミス)が贈った 弓とあの "(クレタ島の)ディクテの森" の矢を携えて、
アルテミスはその若者の美しい姿を見たときに、
心を和《なご》ませて、その弓と矢とを贈り、そしてその母親の過ちを許したのだった。



※ line 115 / Parthenopaeus : <ギリ神> パルテノパイオス(Parthenopaios)。テーバイ攻めの七将の一人。
  ja.wikipedia.org/wiki/パルテノパイオス
 を参照すると、パルテノパイオスとは「処女の息子」という意味で、女狩人アタランテーとメラニオーンとの間に生まれた。
 と、記載されている。
  アルテミスを信仰し、処女を守ることを誓っていた女狩人のアトランテーは、競争に負けてメラニオーンの妻となることを承諾する。
 そして、一説によれば、二人の間に生まれたのがこのパルテノパイオス。
 処女の誓いを破ったアトランテーは、アルテミスの怒りを被っていた(と、著者R.サウジーは想定していた)のであろう。

 伝説では、アトランテーとメラニオーンの夫婦は、メラニオーンが女神アフロディーテへの感謝を忘れたために、その怒りを蒙って、二人共ライオン(?)に姿を変えられたとか。
 (メラニオーンは、アルテミスを快く思わないアフロディーテに知恵を授かって、三つの金のりんごを追いつかれそうになる度に転がしてアトランテーに走り勝ったのでした)


※ Dictaean / Cretan
  ディクテオン山(標高2148m)、ゼウス神が生れた直後に親のクロノスに飲み込まれることを恐れてかくされたとの伝説のディクテオン洞窟がある。

 ウェルギリウスの叙事詩『アエネーイス』第四歌には、カルタゴの女王ディードがアエネイアースに恋い焦がれて苦しむ様を表現して、
 六十八行から七十三行に
 「悲運のディードは身を焼かれる。都中をさまよい、
  熱情に狂うさまは、まるで矢を射当てられた雌鹿のよう。
  鹿はクレータの森の中で気づかずにいたところ、これを遠くから牧人が
  弓矢をもって射抜いた。そのまま羽根ある鏃《やじり》を鹿に残したのを
  牧人は知らない。鹿の方は逃げ去りながらディクテの森と茂み
  さまよいゆく。が、死をもたらす矢は脇腹に刺さって離れない」
 と、ありますが、この弓矢の事かな? 
   ウェルギリウス著『アエネーイス』(岡道夫、及び、高橋宏幸訳、京都大学出版会)より、引用。



Loup's was the nearest fort. Here Gladdisdale 
Commands the English, who as the enemy 
Moved to the assault, from bow and arbalist 
Their shafts and quarrels shower'd. Nor did they use 
Hand-weapons only and hand-engines here, 

サン・ルー(fort of St. Loup.)は最も近い砦だった。ここでグラスデールは
英国勢を指揮する立場にある、敵が
接近戦のために移動すると、弓と石弓(arbalist)から
それらの矢と(石弓用の)太矢(quarrel(2))を雨の様に浴びせた。
そしてまた彼らは
手持ちの武器だけをそして手持ちの兵器をここで使うことはなかった、

Nor by the arm alone, or bow-string sped            125 
The missile flew, but driven by the strain'd force 
Of the balista, in one body spent 
Stay'd not ; through arms and men it made its way, 
And leaving death behind, still held its course     129 
By many a death unclogg'd. With rapid march 

また腕力だけによらず、しかし石弓の引き絞った力によって、
弓の弦は飛ぶ矢を疾走させられて、
いっせいに飛び勢いをなくすことはなかった。
武具や人を貫通してそれは進み、
そして背後に死を残して、多くの死で邪魔されることなく
未だその進路を保った。 迅速な行軍で

Onward the assailants came, and now they reach'd 
Where by the bayle's embattled wall in arms 
The knights of England stood. There Poynings shook 
His lance, and Gladdisdale his heavy mace 
For the death-blow prepared. Alencon here,          135 
And here the Bastard came, and by the Maid, 
That daring man who to the English host 
Then insolent of many a conquest gain'd, 

襲撃者たちは向かって来た、そしていまや彼らは
外壁の要塞化された壁の傍らで英国の騎士たちが立っているところへ
到達した。そこで、ポイニングズ卿は彼の槍を振るった、
そしてグラスデールは彼の重い戦棍(棍棒状の武器)を
死の殴打のために準備した。アランソン公がここに、
そしてここに『私生児』が来た、そして『乙女』の横には、
あのとき英国軍に向かって彼女の命令を運んで
そして無礼な多くの口説き落としを得た豪胆な男が。

Had borne her bidding. A rude coat of mail 
Unhosed, unhooded, as of lowly line                 140 
He wore, though here amid the high-born chiefs 
Pre-eminent for prowess. On his head 
A black plume shadow'd the rude-featured helm. 

粗野な鎖帷子の外套を脱ぎ捨て、
頭巾を脱ぎ、まるで身分の卑しい家系に
彼は位しているかのようだった、しかしながらここ高貴な生まれの隊長たちの間で
勇敢な行為についてより上位にあった。彼の頭のうえでは
黒い羽根飾りがその粗野な造りの兜を覆っていた。

Then was the war of men, when front to front 
They rear'd the hostile hand, for low the wall      145 
Where an assailant's upward-driven spear 
Might reach his enemy. 

それから男どもの戦いがあった、そのとき面と向かって
彼らは敵意をもった手をまっすぐに立てた、
襲撃者の上へ向かって突き出された槍が
彼の敵へ到達出来る低い壁の方へ向けて。




※ line 120 / Gladdisdale ウィリアム・グラスデール(William Glasdale 生年不詳-1429年5月7日)は
  百年戦争期のイングランド軍の隊長。(Wikipedia)
※ line 126 / missile  : (石、矢、投げ槍などの)飛び道具、ここでは矢

※ line 132 / bayle : bail (中世の城館の)外壁、(外壁に囲まれた)庭

※ line 133 / Poynings : <人名>ポイニングズ

※ line 135 / Alencon の c は実際には、小文字c(セディラ)< ç ç>



【 こめんと 】

 オルレアンに終結したフランス軍のうち、デュノワの指揮する部隊に同行するジャンヌは凛々しく、美しく、古代ギリシアの美少年に喩えられております。

 いよいよ、フランス勢が、サン・ルー砦におしよせ、戦いが始まりました。
 このサン・ルー砦は、オルレアンの城壁の東側のブルゴーニュ門から出たところ、東側にある砦です。

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ジャンヌは古代ギリシャの美少年にたとえられているのですか。
もしも私に過去にタイムスリップする力があったら、ぜひ彼女の素顔を拝んでみたいですね。

2011/7/24(日) 午前 11:52 都環 咲耶子(とわさくやこ)

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はは、咲耶子さんはやはり、『美少年』に敏感に反応しますね。
咲耶子さん同様、女神さまたちも美少年(や美青年)に惚れやすかったようで、思いつくものをあげると、
愛の女神アフロディーテ → アドニス
(ペルセポネーと取り合いになった。)
月の女神セレーネ → エンデュミオン
妖精エコー → ナルキッソス
暁の女神エーオース → ティトーノス(美青年)
暁の女神エーオース → ケパロス(美青年)
サウジーの引用するパルテノパイオスが美少年であったとは知りませんでしたけど。

私にとってジャンヌは勇ましく凛々しい美少女戦士のイメージです。
http://lespetitsmotsdecat.over-blog.com/article-30912166.html
http://www.shouzou.com/mag/p17.html

2011/7/24(日) 午後 8:07 [ cygnus_odile ]

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ギシリア神話って面白いですよね。
昔翻訳しようとしてて挫折した覚えがあります。
人間(?)関係が入り組んでてかなり複雑でしたけれど。

2012/1/18(水) 午後 1:33 [ きら ]

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ギリシヤ神話の世界は人と神とがわりと分け隔てなくさまざまな人間模様を描くエピソードで彩られてて、楽しいものだと思います。悲劇もありですが。
小学生の頃子供向けの本で夢中になり、子供向けの「海のトリトン」なるアニメ番組では、結構ギリシア神話の登場人物の名前が使われていて興味深かったことがあります。
それにしても、サッフォーはもちろんの事、西洋文学を読み解こうとするとギリシア神話の伝説はある程度前提の知識(教養)としてとして知っておかねばならぬようで、あと、旧約聖書などの故事もかな。

2012/1/20(金) 午前 0:20 [ cygnus_odile ]

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翻訳に挑まれたのですか、それは凄いや。
ギリシア神話の本は幾つか持ってますが、総記的なものとしては、呉茂一著のギリシア神話(新潮社)をよくよんでます。文庫版上下と単行本上下(こちらは昭32の第五刷、古本屋に積まれてたのを見つけた。)ブルフィンチの訳本よりも読みやすいと思います。辞書的にも使えるし。

2012/1/20(金) 午前 0:29 [ cygnus_odile ]

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数ページで挫折したので全然凄くないんです;
講談社からの「GREEK MYTHS〜GREEK MYTHS(Tales of Love and Beauty)」というタイトルでした。
読み易いものがあれば、翻訳されたものにチャレンジして
みようかな。
余談ですが、同じく講談社の「PETER PAN」もあります(洋書)。
たくさん下線を引いた後がありますが、やはり挫折して
翻訳された角川文庫の小説を結局読みましたw

2012/1/23(月) 午前 0:52 [ きら ]

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そうですね、私の場合は、和訳がないから&英語力がないので書き残さないと読み返せないので訳してるみたいなもんです。とはいえ、やはりサッフォー様の詩みたいに短いものが楽ですね。このジャンヌの場合は、詩だからなんとかなるかと思いつつ始めましたが、結局一年がかりとなりました。もう少しでおえる予定ですけど。

2012/1/23(月) 午後 9:52 [ cygnus_odile ]


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