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よく、廃墟好きと誤解されてますが、実は廃墟一歩手前の生きている物件が好きなのです。 

しかも別に古いからというだけではなく、やはり昔の建物には(いい意味で)無駄な細工が 
多くて好きです。例えば窓枠一つ、ドアノブ一つとっても、昔のものはちょっと凝った作りで、そこにとてつもない魅力を感じますね。 

ところが今の建物は、ありものの新建材とか、ドアとか窓を、ただ組み合わせているようにしか見えません。そして特に嫌なのが、「色を塗る」ということを全くしないこと! 

そんなハリボテのような建物だらけにして行く、いわゆるまちづくりというものの首謀者の 
景観に対する美的センスを心の底から大いに疑います。 

さて、下北沢北口駅前商店街には行きつけの飲み屋さん「なまず」があります。 
初めて行ったのは、いわゆる2軒目的な感じで行ったんで、いつだったか覚えてませんが、 
いつしかそこで、友人の女優さんも働くようになり、仕事帰りの帰宅ラッシュ回避のため、 
よく行くようになりました。4畳ほどのお店はいわゆるバラック建築。増築を重ねたりで、 
変な位置にある電気のスイッチ、塗り重ねられた壁や、ワンオフで作られたカウンター、 
コンクリの床などは、ずっと見ていても飽きませんでした。 
来店されるほかのお客様方も、とても気さくな方が多く、いきなり意気投合して仲良くなることが多々ありました(でも酔ってるんで、あまり話した内容は覚えていない) 

そんなこのお店も、今月20日に、小田急の再開発の煽りで閉店してしまいます。 

昨晩は、7年間勤めたその友人の女優さんの最後の出勤日でしたので、顔を出しましたが、 
やはりご苦労さん会のような雰囲気になっており、あまり長居するのも気の毒なのと、 
一緒に行った友人が外人で、さらに、突然現れた旧友も外人で、日本語ばかりで話すと気の毒だと思い、毒に当てられ早々と退散しました。 

帰り道、商店街を歩き、改めて歴史の深さや、建物の経年劣化の渋さを堪能。 

恐らく来年には跡形もなくなり、スターバックスやマクドナルドやユニクロの入った 
ハリボテにとって代わり、またどこにでもあるような町が一つ生まれることでしょう。 

そして今日は近所の金物屋さんも「55年間ありがとうございました」と丁寧な張り紙。 
ここでは、一度も買い物をしたことがないんですが、「金物」という電飾看板や、裏手に連なる 
蔵のような建物を眺めるのが好きでした。 
しかし、この張り紙の言葉、55年間ありがとうございました、 
いろんなドラマを連想させます・・・ 

こんなふうに、喜怒哀楽全ての思い出が詰まっている筈の場所を、手放さなくてはならぬほどまで追い込んだのは・・・ 








俺だ!! 

嘘です! 

そして廃墟・・・廃墟の墟って、虚しいって字にしたほうがぴったりくる気がします。 

まさに廃れて虚しい。

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