PENTANGLE Cruel Sister
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1970年にペンタングルのオリジナル・メンバーによるアルバム”Cruel Sister”を発表♪
通算4枚目と成るアルバムは、これまでのサウンドとは少し趣が違っていた。
UKのアルバム・チャートで5位のヒット作となったサード・アルバムではシタールが
使用されるなど変化の兆しが見られたが、ブリティッシュ・フォークという範疇からは
一歩踏み出たと思えるジャズ的な明快なキレが見られ、そこに魅力を感じたファンも多い。
しかし、この4枚目ではアコースティックではない電気楽器が投入され、今まで聞かれた
ブルース色が抑えられた代わりに、伝統的な英国らしいサウンドへと舵が切られている。
その為かセールスでは前作ほどは振るわず51位止まりだった。やや陰影が深く成った
サウンドはヴィクトリア朝時代の最もイギリスが繁栄した時代の絵画とイメージが重なる
かも知れない。19世紀の英国と言えば、ラファエル前派の画家が存在を示していた。
その前派の画家”ジョン・エヴァレット・ミレー”が描いた水面に横たわる美女の絵画は
特に印象的で彼の代表作でもある。この「オフィーリア」と題された絵は、ハムレットの
ヒロインをモチーフに細密にして華麗な描写で表され、夏目漱石の「草枕」にも登場した。
儚く消えゆく憂いを湛えた表情からは、英国でしか持ち得なかった独特な美学を感じます。
そんな絵画を思い浮かべたアルバムが、ペンタングルの”Cruel Sister”なんです♪
明快なポップさは後退していますが、ユッタリと流れる幽玄なブリティシュ・フォークの
世界を楽しんで下さい☆
まずは、「少女は白鳥のように北の海に浮かび〜」と姉妹の不幸な結末を憂いながら淡々と
歌われているアルバムのタイトル曲から。シタールはジョン・レンボーン☆
The Pentangle Cruel Sister
続いて、比較的カラフルな色彩を感じるサウンドはミレイの「オフェリア」と重なり
深く沈んだ心の襞に古色染みた音を見事に絡ませて行く。
Pentangle - A Maid That's Deep In Love
これまでのクールさに比べると、暖か味のあるサウンドとも言えるだろうか。
バート・ヤンシュのヴォーカルは、傷ついた心にも、やさしく語りかけて来ます。
Pentangle - Lord Franklin
締めは、少し長い18分の大作なので興味のある方は聞いてみて下さい。
浮遊するエレキ・ギターと繊細なアコギが絡み、3人のヴォーカルが歴史絵巻を織り込み
ながら、繊細で美しいタペストリーを頭の中で広げてくれます。
Pentangle - Jack Orion
全体的な印象は渋い音が重なり派手さは無いアルバムですが、聞くうちに深い霧の中に
迷い込み、何故か離れがたい魅力に気付く作品だと個人的には思います。