Paul Cézanne
ポール・セザンヌは印象派の一員として後期印象派と呼ばれる事が有るが、セザンヌの
スタイルは当時何処にも属さない異端過ぎる存在だった。
興味の無い方はスルーして、最後の音楽だけでも楽しんで下さい。

西洋絵画で、現在は一番人気の美しい色彩で彩られた印象派の絵画でさえ、新し過ぎる
表現で当時の評論家からは認められていない。その印象派より先進的だったセザンヌの
絵画は嘲笑の対象でしか無かった事は容易に想像が付く。
コンクールに出展しても、これ以上は思い付かない否定的な言葉を投げ掛けられる。
それでも自分の道を貫く為にアトリエに籠り、黙々と絵と向き合い全ての交流を絶って
しまう。幼馴染で唯一の理解者と思えた小説家のエミール・ゾラまでセザンヌを題材に
して最後は自殺する哀れな画家として小説に描かれ、失意のどん底に落ちてしまった。
そんなセザンヌの偉大さに気付いた一人の画商が絵画を収取して個展を開き、徐々にだが
若い画家の注目を浴び始め、セザンヌの元に次世代を担う画家達が集まり始めた。
ポール・ゴーギャンやマチス、そしてセザンヌの画業を進めて行くブラックやピカソは
大きな成功を収め時代を飲み込んでしまう。
セザンヌの何処が良いのか?何が革新的なのか分からないと思う人が大半だと思います。
どうして近代絵画の父と呼ばれているのかを、少しだけ書いてみたく成りました。
ピカソの絵は比較的分かり易い面が有りますが、セザンヌは同じ題材を繰り返し描く
事が多く、その魅力や凄さは伝わり難いでしょうか。例えば静物画ではリンゴやナシが
多く描かれていて、何の変哲もない空き瓶や皿が何度も登場します。
この絵の一番妙な処を気付いた方は居るでしょうか?一見すると特に不自然さは感じ
ませんが、テーブルの板が右と左で数センチ歪んで描かれていて、現実には有り得ない
形に見えます。テーブルクロスを乗せる事で不自然さを消してはいますが(笑)
これは何を意図していたかはセザンヌ自身が語った訳ではないので個人的な解釈ですが
視点を変えて一枚の板を描いた為のズレだと思います。
セザンヌはキュビズムにヒントを与えましたが、ピカソが横顔に正面から見た瞳を書いた
事と同じ手法です。簡単に説明をすると、右目と左目では微妙にズレた画像を見ていて
その2枚の画像を脳の中で一枚の画像にする事で、立体で有る事を認識します。
3Dの映画を見るときに左右で違う色のメガネを使用する事で飛び出した映像を感じる
のと同じ理屈に成ります。その原理を絵画の中で表現しようと試みたのがセザンヌです。
その事から立体派と呼ばれるキュビズムの創始者とも言えます。
長文にも関わらず、ほんの一部の説明しか出来ませんが、少しでも偉大さが伝われば
満足ですwその理論を用いながら、2次元のキャンバスに立体的な対象を筆で描き込み
ながら3Dの感覚で彫刻をしていたのが、セザンヌの絵画だと個人的には考えています。
最後に、同じく孤高のイメージが有る、ピーター・グリーンのカヴァー集を。
アルバム全曲がアップされているので、お好きな所まで聞いてみて下さい(笑)
1997年に録音されたロバート・ジョンソンのカヴァーアルバムです。
PETER GREEN - THE ROBERT JOHNSON SONGBOOK
Peter Green -- guitars, vocals, harmonica Nigel Watson -- guitars, vocals
Neil Murray -- bass guitar Roger Cotton -- piano Larry Tolfree -- drums
Street Angels '98 -- backing vocals
誰も認めてくれないのに黙々と描き続ける事は並みの精神力では無いと思います。
自分を信じ孤独な道を歩み続け、誰も考えもしなかった事を成し遂げたセザンヌは
本物だったと思います。天才なんて言葉も軽々しく思える位、偉大な画家でした♪