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「空襲だ!」
古参兵の一人が叫んだ 爆撃機特有の重低音のエンジン音が近づいてくる まだ眠っていた志村と飯沼を起こし兵舎を飛び出て近くに掘ってあった塹壕に飛び込んだ 古参兵達はさして慌てるわけでもなく塹壕に入ってきた 川瀬大尉もその中にいた 「あいつらヘタクソだから見ておくといい」と川瀬大尉が馬鹿にするように言った 滑走路の上空を巨大な爆撃機が通過して行く 我軍の飛行機は我々の零戦と同じようにジャングルの中に隠してあるのか滑走路には出ていない 我々を誘導してきてくれた一式陸攻だけが隠しきれず滑走路に身をさらしている 「大丈夫でしょうか?」と心配そうに一式陸攻の隊員が呟いた 「安心しなさい 大丈夫だ メザシまで来てるな」そう言って川瀬大尉が滑走路上空を旋回している爆撃機の方を指差した 爆撃機の近くに双胴の奇妙な形の戦闘機が一機飛んでいる P―38だ 敵の陸軍戦闘機を目にしたのは初めてだった 爆撃機が爆弾を投下した 轟音がして地面が震えた 爆風が吹きつけてきたので皆、塹壕の中で頭を下げた 砂埃が舞い上がり一式陸攻が見えなくなった 視界が晴れてくると一式陸攻の姿が見え少し離れた所に大穴が空いている 川瀬大尉の言う通り下手くそな腕だった 我軍の鑑爆隊の連中なら確実に命中させている 爆撃機とP―38は悠々と去って行く その時、急にジャングルの中から戦闘機が現れて滑走路を疾走し素早く上空に躍り出た (続く) |

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