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久しぶりにうならせる映画を見た。「V for vendetta」。欲を言うなら日本用のタイトルを付けた方がよかった気がする。何しろvendettaなどという単語知っている日本人そうはいないので何の話か想像つかないのではないだろうか。まあ、そんな些細なことはおいとくとして、脚本、制作はあのウォシャウスキー兄弟である。私は彼らの「マトリックス」を見たとき、あまりにも素晴らしすぎてこれ以上の作品は作れないだろうな。と一人思っていた。実際パート2,パート3はちょっと寂しい出来だった。これは第二のN.シャラマンになってしまうのだろうかと心配したが、杞憂に終わったようだ。
話の内容はウィキペディアからの引用で
近未来、全体主義国家と化したイングランド。国営放送BTNに勤務する女性イヴィー・ハモンドはやむを得ない事情で外出禁止時刻に外出せざるを得なかった。だが案の定、秘密警察ザ・フィンガーの警備員に捕まり強姦されそうになる。そこに現れたガイ・フォークスの仮面を被る謎の男“V”に助けられ、彼女はこの奇妙な男と徐々に関わりを持つようになる。だが、Vは自分を怪物に変えた者達に血の報いを与える復讐鬼であり、さらには全体主義に支配されたイングランドの転覆をも企むテロリストだった……
何か、こう書いてしまうと安っぽいアメコミのようだけど(実際そうなんですが・・・)いろいろ考えさせるところが多い。この作品は2005年に公開予定だったが、ロンドン爆破テロの影響でお蔵入りになっていた。また、内容が内容なだけに9.11後のアメリカでもしばらく公開できない感じだった。
この作品で興味深いのは政府が自ら細菌兵器をばらまき、テロリストの犯行と言うことにして、人々を恐怖に陥れ、ジョージオーエル「1984」ばりの管理社会を作ることにある。実際ロンドンでは町の至る所に監視カメラが張り巡らされている。また、9.11後アメリカでは恐怖を傘にして、ブッシュが人々の自由を制限する危険性のある法律(名前を忘れてしまった)を作ってしまった。政府が恐怖をばらまいて人々を管理していく、これはもはやフィクションの世界ではない。現実なのである。
そして、”V"という人物の行動も考えさせられる。彼は復習鬼であり、自分を怪物にした人々を次々殺していき、またそういった社会を破壊しようとする。ラストのシーンはまるでフランス革命時のバスティーユ監獄を連想させる(まあ、実際見たわけないですが・・・)彼は、政府から見れば単なるテロリストであり、一般市民から見れば革命の英雄であろう。
つまり、テロと革命には何ら違いはないのである。その行動が失敗すればテロであるし、成功すれば革命である。政府とテロリストのどちらに正義があるかということは簡単に言い切れることではない。9.11で被害にあった国民より多くのアメリカ国民がアフガンやイラクで亡くなっている。そんなアメリカに一方的な正義があるとは思えない。さりとて、あれほどの無差別殺人をする人々の言い分に素直に耳を傾ける気にもならない。歴史はいつも勝者に優しい。100年後の教科書を見なければ答えはわからないだろう。
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