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英語学習の難しさについて、多くの人が誤解しているようだ。この誤解の元には、「聴くだけで分かる英語」などというまことしやかな宣伝の影響と我々英語教師の発信力不足に起因しているように思える。悲しいことに、生徒や保護者だけでなく、英語以外の同僚でさえその誤解を抱いたままであると言うことだ。
先日、学校で成績検討会という行事が行われた。英語、数学、国語の成績について外部模擬試験のデータなどを見ながら検討するという内容である。そこで、英語の成績で上位層と下位層の差が激しいことが取り上げられた。その際、他教科の先生からは学習法をしっかり教えていないのではないかなどとありがた迷惑なご意見を頂いた。
ここではっきり言っておきたいのは、英語は修得するのにとても難しい教科ということだ。おそらく、かけた労力に対して目に見える成果が分かりづらい最たる教科である。例えば、数学が100の努力に対して10の成果を感じるとしたら、英語は1しかないという具合である。数学の先生が「これだけ学習させたたんだから」という感覚の10倍しなければ、同じ効果が得られないということだ。
別の例えをしてみる。英語の教員は英語を習得する為に生徒に毎日1000本の素振りを求めているのである。それは、具体的には英単語を4000語しっかり覚えることであり、基本的な文を暗唱することであり、毎日英文を読むことである。しかし、毎日1000本の素振りを続けることができる人がどれだけいるだろうか?これは学習法の問題ではない。簡単に1000本素振りをする方法はないし、半分で効果的にする方法もない。ひたすら、気合いを入れて素振りをするだけである。要するにそれができるかできないかである。
自分はそれほど苦労しなかったという人もいるだろう。もちろん、1000本というのはたとえであり、人によって素振りの回数はだいぶ違う。最近の本県の高校生は中学時代に適当に訳す変な癖を付けているので、修正するために素振り回数は増えてしまう。また、しっかり単語おぼえてきた生徒や読書習慣があり言語能力がある場合には300本などとなるだろう。英語学習はそんなに華やかな物ではない、練習試合ばかり繰り返して、次第にうまくなるなんて考えることは間違いなのだ。(もちろん練習試合を全否定するつもりはないが)。
そして、もう一つよくある誤解は、「授業がつまらないから成績が上がらない」というものだ。生徒に興味を抱かせる授業、目を輝かせる授業をなどとよく言われるが、そんな授業が存在するのだろうか? 変な例えだが、人気番組でさえ視聴率30%がいいところである。50%いったら化け物である。そんな世界で40人の生徒全員が目を輝かせる授業?それは神のなせる技である。TV制作者に視聴率100%とれる番組作りを目指してなどという人はいないだろう。しかし、学校現場ではそれを平気で言う人がいる。
不可能な目標を掲げていると、物事は間違った方向へ行く。教育現場では長年、その不可能な目標を負わされて、ずいぶん迷走している気がする。本来、学校の学習とはそんなに楽しい行為ではない。好き嫌いにかかわらず、国社数理英など次から次へ教えられるわけである。学校の授業が楽しかったなどという人はかなり少数派であろう。実際、私もおもしろくはなかった。それは、時代が変わろうとも、変わらない事実である。
では、学校が向かうべき目標とは何か。それは、楽しい授業などという幻想を取り払い、いかにして、地道な1000本の素振りをさせるかということだ。もちろん、ただ、鞭を振って強制的にやらせるだけではうまくはいかない。そこには続けられる仕掛けが必要だ。今こそ、この明確な目標に向かって、様々な方策を考えている時期だと思う。
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私は英語が大の苦手です。中学から、いわゆる「わかりにくい授業」ばかりでした。
唯一、高2のときは解りやすく教えてくれる先生でしたので、その1年の知識で大学受験に臨んだようなもんです。
と、先生のせいにしちゃってますが、実際は素振りが足りなかったんだろうなぁ。
と、反省です。 ( _ _)ノ|
2009/12/8(火) 午後 7:40
英語が苦手というのが、ごく普通のことだと思います。言葉は誰だってマスターできるという前提が間違っている気がします。英語環境が無く、必要性もない日本で外国語を身につけることは難しいと思わないと、生徒も教師もただ劣等感に苦しむだけです。
現在の公立中学校では、劣等感を植え付けないことに主眼をおいているようです。文法を排除して、簡単な会話やゲームなどを取り得れて、テストも点が取りやすいと生徒が言ってました。先日、英語の偏差値45の生徒が「中学では90点以下とったことがないのに・・」と言っていたのに愕然としました。
とはいっても、最近では音読や暗唱など、英語を意識的に体得させようとする中学校も出てきました。いわゆる素振りです。輪切りにされていない分、能力にかなり幅のある中学校ではいろいろと難しい点がありますが、少しずつ良くなっている事に期待しています。
2009/12/9(水) 午前 9:16 [ 田舎教師 ]