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tu ta9さんのブログ、「今日考えたこと」から転載です。 先日の韓国ドキュメンタリー映画祭で購入した 「外国人研修生殺人事件」 (安田浩一著 七つ森書館)。これ、本当に一気に読める、というか読ませる。 ぼくが持っている「『労働情報』30周年記念出版」バージョンの帯には斎藤貴男さんがこんな風に書いている。 == 千葉県木更津市の養豚場で発生した殺人事件に、この国の荒廃と病理が凝縮されていた。とめどなくグローバル化していく日本経済は、”国際貢献”の美名を掲げて新しい奴隷制度の構築さえ求めるに至って、そのニーズに応じるビジネスが続々と誕生し始めた。見えない鎖に繋がれた「外国人研修生」という名の奴隷たち。深層海流を追って、安田浩一は中国・黒龍江省はチチハルの町に飛んだ――。 素晴らしい取材をしている。同業者として嫉妬を感じる。 == 斎藤貴男さんに嫉妬さえ感じさせたこの本。 まず、この事実がもっと知られる必要がある。日本人が知らなければならない巨大な暗部がここにある。これを読めば、その問題の根深さ大きさ、また、この制度の上に富を得て安住しているものの問題がみえるはず。 そして、安田さんにはこの本の続きが書いて欲しい。その本には、「前著が読まれたことも一つの契機として、このような形で研修生制度が奴隷制度として使われることがほとんど不可能になり、外国人研修生制度と移住労働者問題が大幅に改善されたことは喜ばしい」とかいうフレーズが入ればいいなぁ。 そのためにはまず、この本がもっと売れて欲しい。 P.S. おぼろげで曖昧な記憶だが、安田さんがこの問題を扱った『労働情報』でのルポルタージュには、新自由主義に曝される中で、研修生を奴隷のような形で雇用しなければ生き残っていけない産業側の事情がもう少し書かれていたように思う。そこについては今回の本ではかなり削られているような印象が残った。前のルポでもグローバリゼーションを理由にこのような制度を免罪することはできないということは明記されていたはずだが、それを言い出すと確かに対立点は不明確になる。また、現にこんな奴隷制度を用いなくても生き残っている同業の業者もある。 3Kと呼ばれるような現業部門に若い労働力は本当に集まらないのか、集まらないとしたらそれは何故なのか。そのあたりのことを誰かがきっと別の角度から見た本もどこかにあるのだろうが、残念ながらぼくは知らない。そのあたりのことも、もう少し読んでみたいような気はする。 |
外国人研修生問題
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詳細
『外国人研修生殺人事件』(安田浩一・著/七つ森書館・発行/四六版・ハードカバー/1680円・税込・送料実費)
●斎藤貴男さん(ジャーナリスト)の推薦文
千葉県木更津市の養豚場で発生した殺人事件に、この国の荒廃と病理が凝縮されていた。とめどなくグローバル化していく日本経済は、“国際貢献”の美名を掲げて新しい奴隷制度の構築さえ求めるに至って、そのニーズに応じるビジネスが続々と誕生し始めた。
千葉県木更津市の養豚場で発生した殺人事件に、この国の荒廃と病理が凝縮されていた。とめどなくグローバル化していく日本経済は、“国際貢献”の美名を掲げて新しい奴隷制度の構築さえ求めるに至って、そのニーズに応じるビジネスが続々と誕生し始めた。
見えない鎖に繋がれた「外国人研修生」という名の奴隷たち。深層海流を追って、安田浩一は中国・黒龍江省はチチハルの町に飛んだ――。素晴らしい取材をしている。同業者として嫉妬を感じる。
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1日2日前、安田さんに、朝日新聞から取材があった。「家庭欄」に掲載予定とかって。 明日、19日は崔さんの初公判。 私は編集追い込みだけど、安田さんは勿論、取材に行きます。 最近の崔さんは、同房の人に日本をを教えてもらい、かなり上達したとか。 今は、少し元気になって、「死にたいです」とは言わなくなったとか。 何人かが、ブログなどで感想を書いてらっしゃいます。 異口同音に、もっとこの現実を知って欲しい、読んで欲しいと述べてらっしゃいます。 今朝、最寄り駅前の大型書店に寄ってきました。 店内のPCで検索したら、既に売り切れでした。 RJに、お申し込み下さい。 それが、RJの財政に大きく寄与して下さることにもなります。 何せ、「RJ創刊30周年記念」ですから (=^・ェ・^=) |
私は時代小説の他に、一気に本を読み続けるということはほとんどなかった。でも安さんのこの本は「労働情報」の30周年記念レセップションで売り出した次の夜、一気に読み抜いてしまった。 千葉県にある養豚場のごくごくありふれた作業現場から、一人の中国人研修生の物語が始まる。起きるべくして起こった自殺願望と殺人事件が交錯する「現代の悲劇」が安さんの心・情動との対比の中で展開されていく。 冷めた目で現実を見ている目は確かにジャーナリストの目であるが、切り取られ突きつけられた現実の一端に安さんの自我は苦悶し、よりよい回答を探してまた苦悶する新鮮な精神の躍動が文章に貫かれている。その精神の躍動感は、題材が重い分だけ読者の目を引きつける。 中国人研修生・実習生達が熱望した、よりよい生活。その希望を叶えるのは、日本の「外国人研修生・技能実習生制度」であり、それが中国の農村と日本のローカル都市や農村を跨ぐ虹の架け橋のように見えたことは不思議ではない。 しかし、彼ら・彼女らにとって、黄金の国・ジパングでその夢を実現させるには、現実はあまりにも虚構であることを思い知らされる。現場に足を向けて取材する者のみが持つ説得力で、その内実が中国取材で、国内取材で暴かれていく。 かつての総評議長・槙枝元文達の日中友好の陰に隠れている「シミ」や中国革命の「澱み」が、グローバルな時代の中で広がっていく。それを覆い隠す日本の法律によって支えられている研修生・技能実習生制度。 グローバルな資本経営を底辺で支える零細中小企業に働く労働者達は、貧しさの坩堝と底辺に向かう競争、二重な意味で差別的現実が助長されているのだ。「時給300円」の最低賃金法違反。パスポートや預金通帳を取り上げ、かつての女工哀史を連想させる寄宿舎は現代に復活した新たな「奴隷労働」であり、その現実に「当たり前だ」と無痛覚にうそぶく零細中小企業の社長・家族達。 そして我らが組合、全統一の鳥井一平書記長や外国人分会担当オルグの中島浩氏らをはじめ、研修生・実習生ネットワークの登場となり、彼ら・彼女らを手助けする行動が紹介されていく・・・ 中国研修生・実習生の暗く重たい態度の向こうには、中国から送り出されたときに支払った「100万」という、身代金のような保証金制度が彼ら・彼女らをがんじがらめにさせ、日本の受け入れ団体である協同組合などによるピンハネ…、そしてそこに介在するコーディネート企業などの暗躍が書き込まれている。 さて、この本は労働問題に拘ってきた筆者・安さんの完成度の高い到達点であり、通過点であると私は考える。そして労働組合に関わっている人もそうでない人も、是非読んでほしい一冊なのである。 新自由主義時代の幕が上がってから20年になるが、人間が自由であるためには社会の仕組みと向き合うことなしには成り立たないし、また現在の労働問題の所在がどこにあるかを示唆している。 よりよい回答を探してまた苦悶する安さんの新鮮な精神の躍動が、少なくとも読者に優しく語りかけているのである。 |
昨日の読売に外国人研修生問題が大きく取り上げられているという情報が入りました。 転載します(新聞のコピーをお持ちの方、03-3837-2544へFAXお願いします。) ・・・ここから本文 ★外国人研修制度、受け入れ団体・企業に不正多発★(02.04 読売新聞より) 開発途上国の人材育成が名目の外国人研修・技能実習制度で、法務省が昨年1〜8月に認定した、全国183の受け入れ団体・企業の不正行為の詳細が、読売新聞の情報公開請求などで明らかになった。 Click here to find out more! 計17の事業協同組合などが、不正隠ぺいのため、入管に虚偽の監査報告書を提出していた。研修生らに申請内容と違う作業をさせていた団体・企業は計41。法務省指針で禁じられた残業をさせていた企業は50社を超えた。 実習生を法定最低賃金以下の時給で働かせていた企業も33社あった。受け入れが認められていない人材派遣業者が団体と結託し、研修生を「安価な労働力」として働かせていたケースも発覚した。 同省によると、開示された団体・企業を含めて、昨年1年間に不正行為を認定した団体・企業は計229にのぼり、過去最多だった2004年(210団体・企業)を上回った。 同制度には、大企業が直接、受け入れる「企業単独型」と、事業協同組合や商工会、農協などが1次受け入れ団体となって中小零細企業や農漁業者に研修生らを配分する「団体監理型」がある。183団体・企業のうち、企業単独型は9社だけで、団体監理型が174団体・企業と95%を占めた。いずれの団体・企業も3年間、研修生の受け入れ停止の処分を受けた。 開示文書と読売新聞の取材によると、高知県の事業協同組合は、企業の受け入れ枠が従業員数によって法務省令で定められていることから、企業数の水増しによる受け入れ枠拡大を計画。高松入国管理局に、県内の縫製会社7社に配分すると虚偽申請し、実際には3社に法定枠を大きく上回る計20人の研修生らを送り込んでいた。 残る4社のうち3社はペーパー会社で、もう1社は、虚偽申請のために名義を貸しただけだった。 1次受け入れ団体は少なくとも3か月に1回、企業を監査し、入管に報告することが義務付けられているが、同事業協同組合はペーパー会社を含む7社について「研修・実習は適正に行われている」と虚偽内容の報告書を提出していた。 愛知県の事業協同組合は、受け入れた研修生らを別の人材派遣業者に管理させ、業者と契約する複数の企業に派遣労働者として送り込んでいた。 同省はこれまで、不正行為を認定した団体・企業数と大まかな手口別の団体・企業数しか公表しておらず、開示文書でも団体・企業の特定につながる情報は非公開とされた。 同制度を巡っては、見直し作業を進める政府が、研修生の法的保護や不正行為の罰則強化を盛り込んだ基本方針を3月末までにまとめ、09年度までに関連法案を国会に提出する方針を明らかにしている。 (2007年2月4日13時58分 読売新聞) ・・・本文、終わり 写真は、RJ30周年のオリジナル帯です。 2月8〜9日頃から店頭に並ぶ書店販売と、帯が違います。 ●お申し込み方法● 必要冊数、送付先、お名前、電話番号を rodojoho@med.email.ne.jp fax:03-3837-2544 まで、お知らせ下さい。 |







