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チャオリン?
僕は田中太郎。昨年のテニス日本ジュニア選手権優勝者だ。今、中学三年生で、最後の全国大会団体戦に挑んでいる。選手権で個人優勝するよりも、団体戦で優勝して笑いたい。僕は誰にも負けないくらい練習してきたし、部長である僕にみんな必死についてきてくれた。だから実力どこにも負けない自信はあるし、某スポーツ雑誌でも僕らは優勝候補筆頭だ。まさに努力の賜物だと言えると思う。
でも一つだけ不安要素がある。
今日、この全国大会決勝戦で対戦する相手の学校が、なんか変なんだ。
特に主将が痛いんだ。
・・・某スポーツ雑誌ではCランクの学校なのに、なんだかんだで決勝まで来てしまった。そして今、シングルスとダブルスが二試合ずつ終わり、二勝二敗。そして最後の一勝をかけて、つまり優勝をかけて最後のシングルスの戦いが始まりまろうとしている。あ・・・噂の痛い主将がやってきた。
「俺は・・・"ファイター"こと堂本力也は・・・妹に誓ったんだ・・・絶対に負けないと!」
ほら・・・なんか言ってるよ。
「俺が負けたら・・・妹の病気は治らない・・・だから勝たなきゃいけないんだ!」
対戦相手はこんなこと言われたら、やりずらいわけで・・・それを聞いた僕のコーチが近寄ってきた。
「あんなこといっているが、だからって負ける必要はないぞ!」
絶対ひとごとだと思ってだろ。でも、俺・田中太郎は負けないって決めた。ここで負けたら僕らの夢だってついえてしまうのだから。奴の言うことは無視して、心を鬼にしてコテンパンにしてやる。
おっと、開始の合図だ。とりあえず最初は握手か・・。
「今日はお袋の命日だ・・絶対に負けられねぇ!」
背負いすぎだよ。普通に握手してくださいよ。そしてサーブ権を決めなきゃな・・。
「最初のサーブ権は・・・お前にくれてやるぜ!」
運だろ。って言うか、俺はコート選んだからサーブ権お前だし。
「行くぜ! 必殺ブラックサーブ!!」
テニスで殺すなよ。
「くっ! 捕られたか! それなら爆裂ダークレシーブ!」
なんかさっきから技名が悪役っぽいな。好きな色は黒ってか?
「これは取れるかな!? ゴーストボレー!」
普通のボレーだろ。普通に返して俺が先取点じゃねえか。
「それならこれを喰らえ! 必殺ブラックホールサーブ!」
「説明しよう。これはボールに加えられた力によってブラックホールの様にボールがゆが」
「ゴーストボレー!」
言い終わらないのかよ。
「くそ! 0-30になってしまった・・それならこれはどうだ! 分身サーブ!」
「説明しよう。要は分身するのだ!」
略しすぎだよ。
「ゴーストボレー!」
これを打つから俺に点が入るんだよ。だいたい幽霊みたいにふんわりとしたボレーだからゴーストなのだろ? 世間一般ではそれを絶好球と言うんだよ。
「まずい! 得意技のゴーストボレーが通じない! 相手はあのゆらゆら回転を見切っていると言うのか!?」
ただの横回転にしか見えない。
「だが、簡単にはやらせない! ファイアー!!!」
外人が炎! って、叫んでたらどう思うよ。
「いくぜ! スーパーミラクルエメ・・サーブ!」
言い終わらないのかよ。
「またしてもとられた・・・しかし! それは想定の範囲内さ!」
流行語大賞かよ。それ言っていた奴は捕まったぞ。
「タイフーンボレー!! ・・しまった!」
一回転している間にボール見失うなよ。
「タイフーンボレーさえ決まっていれば・・・しかし、次はお前の番だ! 見ろ! この写真に見覚えはあるか!?」
初対面だよ。
「今日は・・お前に殺された父の命日だ! その今日と言う日に・・・え? 反則? 相手選手に話しかけちゃ駄目? そんな! ふざけんな! お前は大体何様・・」
こうして彼は審判を殴って退場となり、僕らの団体戦優勝は決まった。
悲しい時ー!!
漫画の主人公のような人が
退場になった時ー!!
めでたし。めでたし。
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