【ROKBOX】三日月みっつ♪

9/9◆かなり忙しいので、ちょっとお休みさせてもらっています。年末まで忙しいのですが、時間が出来たら遊びに行きますね!

☆★手作り小説★☆

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ROKの手作り小説です

ありきたりな題材で書くショート小説なので

読みやすいと思います^^

是非、感想コメントお願いします☆⌒(*^∇゜)v

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イメージ 1

【ここまでのあらすじ】
・・・城主高虎を暗殺すべく忍び込んでくる忍びを撃退するために
すずに生きることを誓う十郎であった・・・
http://blogs.yahoo.co.jp/rok_dorafa/19333412.html

【第一話】
http://blogs.yahoo.co.jp/rok_dorafa/15223142.html

【前回】
http://blogs.yahoo.co.jp/rok_dorafa/19042537.html


・・・だれでも・・どこでも・・いつでも・・叫んでいる・・・



時はちょうど日付を変えようとしていた。その間、十郎はただただ殿様の寝室の側で待っていた。


(・・・)


ふすまにもたれかかり目を閉じてはたからみるとまるで眠っているようである。それを横目で見ながら他の番兵たちはあわただしく巡回している。高虎の寝所は寝床の部屋を中心として4つの部屋(5つの部屋すべて6畳)に囲まれており、その5つの部屋で他の建物からは独立した構造の平屋(普通の家)の建物となっており、入り口は北口の一つである。4つの部屋に今は3人ずつおり、時間が来れば場所を交代しながら巡回。他8名が4・4に別れて寝所の周りを巡回している。それに十郎も含めると総勢21名にもなる。

それから2時間が過ぎようとしていた。するとおもむろに十郎は高虎の寝室に入っていった。高虎は熟睡している様に見える。十郎はそこで素振りを始めた。体を動かし温めることで自分の能力を最大限引き出せることを知っている。


ビュン!ビュン!


その音を聞き番兵にも緊張感が走る。寝所は本丸内に独立してたてられており、その本丸は内堀のよって囲まれており、その内堀の周りにある二の丸には各武将の住まいも兼ねた建物が建てられ、その周りを広大な外堀が張り巡らされており、二の丸から監視できるように12のやぐらが設けられている。櫓の見張りに見つからぬよう西側の「伊賀口門」をくぐり二の丸を通り、本丸の西にある「西の丸」を突破してようやく本丸にたどり着く。普通に考えれば、こんな中忍び込むというのは不可能だ。


(・・・!)


十郎が素振りをやめ、当たりに意識を集中し始めた。


(違和感・・・何かがおかしい・・・!)

(巡回兵の足音が・・・?)



「ぐぁあああ!!」


(囲まれたか!)


外の7人はすでにやられたようだ。こちらは残り【13人】、相手の数は不明。


「曲者じゃ〜!!!であえ〜!!!」


番兵が場内へと招集をかける。その瞬間戸をぶち破り忍びが進入してきた。敵の正面突破だ。4人の忍びが音もなく近づき、北正面を守る三人に目潰しをかけ、好きの生じた瞬間。


ドスッ


と言う音とともに命を奪った。そこへ他の戸を守っていた6人が集まってくる。【残り10人】


「いやぁああああ!!」

キン!

ドスッ


4人が二手にわかれてふすまを蹴破り東西を守る6人を北と東をつなぐ廊下で迎え撃った。3人が揃って突きを入れたが全てかわされ、逆に突き返されてしまい二人が命を落とした。【残り8人】


「いやぁああああ!!」

キン!

バシュ!!


逆に西側は半ばやけになり切りかかったところ、かわしきれず敵を一人切り捨てた。残った一人は後退しつつ目潰しを放ったところ2人に直撃・・・残り一人が忍びへと切りかかったが刀をなぎ払われ、相手に突き殺された。【残り7人】

その4人のしのびを2人の忍びが通り過ぎ、3人の死体を飛び越えて思い切り寝室のふすまを蹴破った・・・


「オラァァァアアア!!!」

ビュン!!!

ドサッドサッ!!


蹴破ってきた二つの影に対し十郎は刀を横に一閃させ、次の瞬間二つの首が入り口付近まで飛んだ。


バン!!


次の瞬間、東側のふすまが蹴破られ忍びが二人進入してきた。敵の足元には4人の死体が転がっている。(1人は北側の番兵の死体)逆に十郎の足元には首のない死体が二つ横たわっていた。


「死ねや〜!!!」


と、死体を見て躊躇していた二つの影の一方に飛びかかった。影は自分の刀で防御したらしく

キン

という音がしたが、刀ごと押し潰されるようにして切り捨てられた。それを見たもう一方が十郎に切りかかるも十郎は刀を素早く戻しガード。つばぜり合いになり両者刀で押し合うが、あっと言う間に忍びは後方へ押し倒され・・


バシュッ!!!


という音とともに片足を十郎に切り取られ、痛みに悶絶しているところを一切りされ命を失った。

そこに西側のふすまが蹴破られた。敵の足元には6人の死体が横たわっている。

振り向いた十郎にその男は言った。


「お前が佐々十郎か?」


そういうと影は十郎めがけて目潰し・棒手裏剣を飛ばし、自らも襲い掛った。

【つづき】
http://blogs.yahoo.co.jp/rok_dorafa/20069608.html

・・・だれでも・・どこでも・・いつでも・・叫んでいる・・・


【第一章】〜十郎編〜


【第二章】〜赤坂編〜


【第三章】〜暗殺編〜


【最終章】〜決戦編〜



【あらすじ】


【第一章】

佐々十郎(さっさ・じゅうろう)

は博打も酒も女もやらない男だが、妻の病を治すべく財産を使い果たすも妻は他界。
さらにはまだ7歳の

一人娘のすず

もまた病に冒されていることを知り、借金を重ねてしまう。
その甲斐あって若いすずはその生命力でだいぶ回復した。
その借金を肩代わりしてくれている、

宿屋の親父・斉藤五兵衛(さいとう・ごへえ)

の依頼で野犬【1・2話】や夜盗を追い払っているうちに
その噂が城にまで知れ渡る結果をもたらす。

役人から城へ上るよう説得・脅しをされるも断るが
恩人・五兵衛の言葉で決心が揺らぐ。
・・しまいには殿様である、

藤堂高虎(とうどう・たかとら)

自らの誘いを受け、すずのためにそれを受ける。【3・4話】

【第二章】

ある子供が京都の寺に捨てられ、育てられた。
育てられる過程で暗殺の技術を学ばされ、その教育の一環として言葉を取られる。
さらにあたえられる名前は毎回違い、本名を知らずに育つこととなる。

人は彼らを「名無し」と呼ぶ

名無しである彼ら―忍び―は任務遂行中にほとんどが殺されてしまう。

その数少ない生き残りである「彼」は15歳。

豆腐屋のすず

に恋をする。(5話)豆腐屋に押し入った強盗を殺すなどして守ること(6話)が
彼の生きがいであるが、寺の和尚からおそらく最後だといわれ、
藤堂高虎暗殺の指令を受ける。

しかし大大名である高虎を忍び込んで殺すのは無理と悟り
兵として志願し、

安井信光(やすい・のぶみつ)

に取り入ることでターゲットに近づくこととなる。その過程で

赤坂太助(あかさか・たすけ)

という名前を名づけられ

若田部健介(わかたべ・けんすけ)

という年も近い青年と友達になる。(7話)初めてできた友達と日々楽しい暮らしを送りながら、
出世の機会をうかがっていた。そんなある日、

青木信正(あおき・のぶまさ)

という名前からは想像もつかない嫌な奴を倒す計画を立て、実行する。(8〜13話)
それにより、ターゲット・藤堂高虎の目にとまることになり、
見事出世し藤堂高虎殺害のチャンスを伺う日々を過ごす。(14話)

【第三章】

十郎自ら殿様の寝所の側で過ごすことを申し出て、庭に今まで暮らしていたような小屋を作らせる。
そこで娘のすずや番兵(一平・二郎・三助)と色々ありながらも
仲むつまじく暮らしていた(15話)のだが、城内の番犬が皆殺しにされるという事件が起こる。

お庭番の犬飼音(いぬかい・おと)

や

侍大将の森利親(もり・まさちか)

が兵を増やし守りを強化するが、城主・高虎の長男

藤堂高次(とうどう・たかつぐ)

は、どうも腑に落ちないらしく思考にふけっている。

そんな中、十郎はすずが母親を恋しく思っていること・十郎のことが心配でたまらないことを知り
新しい何かが自分の中に芽生えたことに気付いた。

そしてその何かが与えるエネルギーで全身に力がみなぎる思いであった。


そんな十郎は忍びを次々に蹴散らして忍びの大将との一騎打ちへとつづく。


十郎は忍びを撃退することに成功する。そしてすぐさま高虎を駿河(静岡)へ送るたびに出ることとなる。

十郎は尾張(愛知)の宿場町でのんびりしていると、赤坂の不審な動きに気がつき後を付けることに・・・。

しかしそれはただ恋人へのプレゼントのため恥ずかしくこそこそ動いていただけであった。

そして物語りはクライマックスへと・・・!【19話まで】


【登場人物】

佐々十郎

ナナシ(赤坂太助)

すず

すず(豆腐屋)

若田部健介

安井信光

青木信正

斉藤五兵衛

藤堂高虎

藤堂高次

犬飼音

森利親

一平・二郎・三助

イメージ 1

【第一話】
http://blogs.yahoo.co.jp/rok_dorafa/15223142.html

【前回】
http://blogs.yahoo.co.jp/rok_dorafa/19042537.html


・・・だれでも・・どこでも・・いつでも・・叫んでいる・・・



番犬の殺害・・・これは忍びの常套手段である。城の隅の暗闇に毒の餌を撒き、番犬を殺害・・・そして隠蔽。物音と目で追う人間と違い、匂いで追ってくる犬を防ぐ方法はこれが主流である。つまり番犬の殺害は忍び ―暗殺するためだけの侍― の進入を意味する。

「だれか、怪しい影は見たものはおるか!!」

夜の番をつとめる侍大将・森が皆に聞いたがただ黙るだけであった。今回、犬(12匹)の死骸は本丸近くの塀の側に作られた木陰に隠されていた。

「このこと、お主らは他言無用である!
位置にもどれ!!
何か見つけたら私か犬飼殿に報告するのだ!!!」

と森は言うと何人かに犬の処理を任せ、自分はお庭番・犬飼(いぬかい)の元へと去っていった。


(・・・むう・・・)

十郎は色々と気がついたことがあるらしく、考え込んでいた。




この日の夜の番は犬飼のはからいで犬のいない分、一時的に人数を10人増やすこととなった。

「これで万全じゃろうか・・」

・・とおびえて言っているのは犬飼である。

「要は殿がやられなければよいと思う次第でございます」

・・と冷静に言っているのは森である。


「・・・あとはたいまつを増やせば・・・」

「その必要はございませぬ。寝所の明かりは十分でございます」

「・・・まあ・・・いい・・」

「はっ!」


犬飼は森の言葉などほとんど聞かなかったかのようにのろのろと城下町にある自分の屋敷へ去っていった。森はどうも犬飼とそりがあわないようで、ぶつぶつなにかいいながら森は情趣藤堂高虎が長男・藤堂高次(たかつぐ)のところへと報告に行った。


「首尾は上々でございます」

「むう・・・」

「・・・」

「・・・」

「さがってよいぞ」

「はっ!」


森は寡黙な高次に戸惑うようにその場を去り・・

(高次様は何をお考えかわからん・・・しゃべらないと思ったら先日は・・・『この国は腐りきっておる』と嘆いておられた・・・政(まつりごと)に興味があるのかないのか・・・さっぱりわからん)

・・と、ぶつぶつ嘆きながら去っていった。




時は過ぎてすでに夜、場所は十郎とすずの小屋である。蒲団に入りすずを寝かしつけているところだ。


「大丈夫かなぁ・・・」

「なにがじゃ?」

「なにがって・・・おっとうの体だよ・・」

「忍びのことか?」

「そうだよ・・・」


十郎はまだ7歳の小さなすずを抱き寄せた。すずの目には涙がたまっている。


「大丈夫だ・・・おっとうはこの城・・この国で一番強いんじゃ・・・だからあんずることはない・・」

「・・・」

「大丈夫じゃ・・・大丈夫じゃ・・・」

「おっかあは今頃元気にしとるかなぁ・・・天国で・・・」

「・・・最近夢には出て来てきてくれんのか??」

「・・・うん・・・」

「じゃあ、俺が頼んでおくから・・・夢の中で甘えておいで・・」

「・・・うん・・・♪」


そうして十郎はすずの涙をぬぐい、頭をなでながら眠りにつかせた。




(・・・来るとしたら今日か・・・)



(犬はいない・・・人間は殺せばいい・・・)



(しかし、可愛そうに・・・)



十郎は、すずからもらったみなぎる力を抑えられないかのようだった。


(今夜の俺は違うぞ・・・)

イメージ 1

【第一話】
http://blogs.yahoo.co.jp/rok_dorafa/15223142.html

【前回】
http://blogs.yahoo.co.jp/rok_dorafa/18671056.html


・・・だれでも・・どこでも・・いつでも・・叫んでいる・・・


時は11月・・・十郎は藤堂高虎直属の護衛として、破格の待遇を受けていた。十郎の希望で城の中(城主・高虎の寝所のすぐそば)に一軒家を建ててもらい、娘のすずとともに住んでいた。――どうも厳かな雰囲気が受け付けないらしい――しかし、すずはすぐに適応したらしく、城の中でお供を連れて遊びまわっている。


そんなある日の夜、まだ木のにおいが芳しい15畳程度の小屋の中、すずとともに小屋に似つかわないいいとても綺麗な蒲団の中、仰向けになり天井の模様を目で追いながら十郎は考え込んでいた。

(・・・大滝・・・五十嵐は・・・相変わらずじゃ・・・)

今日の昼間に行われた試合を思い出していた。

(・・・大滝程度が何人かかってこようと・・・どうでもよい・・・)

十郎は目を閉じた。


(問題は・・・赤坂だ・・・あの動きは・・・侍ではなく・・・忍びじゃ・・・)

(・・・しかも・・・あれは・・・本来の力では・・・ない)

(・・・証拠は・・ないゆえ・・・なんとも・・できんが・・・まあ・・・目的は・・・わかっているのだから・・・)

(・・・)


寝てしまった。



次の日の朝になった。十郎は寝る前と早朝に必ず剣を振ることにしている。起きたときは体が硬くなり、動きも鈍ることを彼は知っている。

ビュン! ビュン!

徹夜で見張っていた者たちのまどろんだ目は、この音で冴える。


一平「・・・いつ見ても恐ろしや。」

二郎「おらたちは真剣で切ったこともないからなぁ・・。」

三助「本当だべ。今の時代、戦は鉄砲だからなぁ」

一平「十郎殿の刀は鉄砲も跳ね返しそうだべぇ・・・あんなのが城主のところに襲ってきたら・・・どうする?」

二郎・三助「逃げる」

一平「それは名案だべ!」

二郎「人任せが一番だ!」

三助「あったまいいだろ!」


・・十郎の素振りはそんな会話が繰り広げられるほどであった。

そんな彼にも弱点がある。

「おっとう! 朝ごはん!! 早く!!!」

娘のすずだ。相変わらず明るく可愛い最高の娘だ。(←十郎談)

「すまんすまん! おお! 今日もうまそうじゃなぁ!」

「そうでしょ!!おみおつけもどうぞ♪」

・・ずずず・・・

「う・・うまい!!」

「それだけ?」

「お・・おいしい!!」

「もう・・・見張りさんたちに味を見てもらってくる!」

「・・・(がーん・・全部一人で食べたいのに・・)」

・・・会話は十郎の欠点であった。



「はいどうぞ!お疲れ様♪」

「ありがとう!!」

すずはすぐ外にいる見張りの人に味噌汁をほんの少しだが一杯ずつ振舞った。

一平「・・・すくな・・・」

一平は思わず口にした後すぐに殺気を感じた。しかしそちらの方向は本能的に見ることができない。

すず「すくないかなぁ・・・ごめんなさい・・・」

一平「いや!十分やで!」

テンパって関西弁が混じってしまった。

二郎「いやいや・・十分じゃな・グホ!」

一平に口を押さえられた。一平の額から汗が滝の様に流れる様子を見て二郎も気がついた。やっぱりそっちはみれない。

二郎「十分やでほんまに!!」

そして三助のほうを見ると・・・。

三助「・・・」

一平「あかん!三助君が立ったまま気絶してもうてるやん!!

・・どうやらそっちを見てしまったらしい。

すず「じゃあ、お二人だけどうぞ♪」

一平・二郎「最高やで!!」

すず「まだ飲んでないでしょ!」

一平・二郎「に・・匂いだけでわかってしまいました!!

一平「それじゃあ・・・三助を墓地・・・じゃなくて看護しに寝床のほうへ運んでまいりますさかい・・・ありがとうございました!!

・・二人は固まった三助を担いでどこかへと去っていった。



すずが肩を落として戻ってきたのを見た十郎は嬉しそうに・・

「あ・・余ったか!! しょ・・しょうがないから残りは全部・・」

「しょうがなくは飲んで欲しくない!!ばか!」

(がーん)

十郎は落胆してご飯と漬物と残り少ない味噌汁を一気に平らげた。



・・それでも毎日が楽しい。特に何かがあるわけではないが、十郎は充実した日々を過ごしていた。


(今日もお天道様に感謝・・・)


祈りをこめ・・・すずに蒲団をかけ・・就寝した。




・・・十郎が寝ている間は誰が殿様を守るのか・・・?

誰というか・・・大勢だ。城主の藤堂高虎は一国の主で合戦時には1万の軍勢を率いることのできるランクの武将である。当然、各門には数名の門番や数匹の番犬がおり入ることは出来ない。普通、殺そうなどと思ってもやらないのだが・・・やはり忍ぶ者だけは恐い。万が一主が殺されれば、たちまち次の主を決める内部の争いが起こる。当然、国力は低下する。それだけは避けたい。・・そこで6条程度の寝床の入り口には常に二人見張りがおり、寝床の周りにある東西南北の部屋に2人ずつ見張りがいる。そして十郎が寝ている間はそれが倍の人数になる。・・・この人数をもって忍び込んだものは全員殺されている。





朝になった。いつもの様に素振りをしていて、番をしていた人がそれで目を覚ます。

ところが素振りを始めてからしばらくすると・・・


(・・・騒々しい・・・)


十郎が見に行くと、どうも十郎の小屋とは逆側の方で人が集まって騒いでいる。


 「誰かが忍び込んだ形跡がある!!!」


城壁の隅に番犬の死骸が積まれていた。

イメージ 1

【第一話】
http://blogs.yahoo.co.jp/rok_dorafa/15223142.html

【前回】
http://blogs.yahoo.co.jp/rok_dorafa/17375530.html


・・・だれでも・・どこでも・・いつでも・・叫んでいる・・・



・・・今はすでに真夜中。ナナシは十郎との一戦を必死に振り返っていた・・・


・・・あの時何が起こったのか・・・




・・・あのやや古い板の間の道場で城主・藤堂高虎の計らいにより二人は対決をすることとなった。そこに十郎の娘・すず姫が十郎の試合を聞きつけ無邪気な笑顔でやってきた。

「お父ちゃ〜ん!!」

・・と十郎を読んだあと、どうやら十郎の試合を今まで見たことがなかったらしい会話が聞こえてきた。ナナシはあの“すず”という名前に多少の動揺を覚えているようだった。

「はじめぃ!!」

見掛け倒しの青木の掛け声とともに二人はお互いの体から発する気をぶつけ合うようににらみ合い、十郎がナナシへと仕掛けていった。

ヒュン!!

・・というまに十郎は間を詰めてきた。ナナシには十郎が一瞬馬鹿でかい男に見えた。そして・・

バシィィィイイイ!!!

・・と、巨人がナナシへ向かって一撃を入れてきた。ナナシはそれを両手の小太刀を交差させて受け止めようとした・・・しかし完璧に止めきったはずの右の小太刀が支えきれずに弾き飛ばされナナシから見て左のほうへと弾き飛ばされた。止めそこなった巨人の一撃はそのまま左の小太刀を滑るようにしてナナシの左手の直撃した。そしてまた十郎が間を詰めて巨人へと変貌する。


あぁああああ!!!


バシィィィイイイイイ!!!


巨人の叫び声とともにその一撃がナナシの脳天めがけて一直線に降ってきた。ナナシはそれを一本の小太刀を両手に持ち、必死に守った。しかし、迫り来る一撃を抑えきれず脳天へと直撃して・・・。



「目が覚めたようだな」


若田部が目の前にいた。しかし、この場所はいつもの寝床ではない。

「ここは母武者の寝屋だ。殿が我らに目をかけてくださったのだ!」

ナナシもとい赤坂はまだ状況が把握できていない。

「出世じゃ!!出世したのじゃ!!!今度の大戦で手柄を立てれば末代まであんたいじゃ!!!」

要はターゲットへと近づいたらしい。そう赤坂は解釈すると若田部にニコリと笑いかけ、また眠るふりをしながら今日の一戦をまた振り返り始めた。

「今日は・・・すごかったなぁ!!最後はあれだったが・・20人抜きしただけでも立派じゃ!」

赤坂は最後の試合だけが気になっていた。なぜ負けたのか!?大滝や五十嵐も強かった。おそらく、その辺で威張っている素浪人よりずっと強い。しかし、そんな彼らとは違う威圧感を十郎は持っていた。

単純に才能の差か?それとも自分の体力が限界にきていたのか?はたまたすず姫の登場で自分を失ったのか?


違う


そんなものではない。よく思い出せ・・・。何か引っかかっている・・・。


【殺しの一歩】


赤坂の中にこの言葉がピーンときた。【殺しの一歩】を踏んでいるから強いのだと。


間合いには色々ある。遠ければ遠いほど回避しやすい代わりにこちらも攻撃しにくい。逆に近ければ攻撃しやすい。普通は剣先(刀の先から1/3程度)があたる間合いに相手の虚をついて素早く進入し、そして相手よりも素早く一撃を入れる。その間合いを自由に掴み取れるようになれれば一流とされている。しかし、それはあくまで稽古に過ぎない。実戦でそれをやればどうなるかというと、相手に刀が突き刺さって・・・終わり。殺すには至らない。

そこでもう一歩踏み出し、刀の中ほどで切り付ける必要がある。その一歩こそ【殺しの一歩】と呼ばれているもので、さらに一歩踏み出し刀の中ほどで切りつけた後、刀を相手の体から引き抜くようにして真っ二つにする。包丁を使ったものならわかるが、まっすぐ叩きつけても鳥の骨などはほとんど切れない。・・そうやって引くことによって初めて刀は切れるものである。


実際、この一歩を踏み出せる人間はほとんどいない。あまりにもリスクが大きすぎる。相手の動きを完全に把握していなければできる芸当ではない。赤坂でさえ、殺しの一歩を踏み出すのには道具に頼る必要がある。闇にまぎれたり、相手に目潰しを浴びせたり・・・。

その一歩を踏み出したことで相手の体が以上に大きく感じたのかもしれない。



赤坂はその晩、十郎の恐怖と敗北の悔しさで・・寝付けなかった。

なぜ、赤坂は若田部が恐れおののく顔でこちらを見ていたのかようやくわかった・・。



そして舞台は十郎のほうへうつって行く。


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