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【第一話】
http://blogs.yahoo.co.jp/rok_dorafa/15223142.html
【前回】
http://blogs.yahoo.co.jp/rok_dorafa/17052851.html
・・・だれでも・・どこでも・・いつでも・・叫んでいる・・・
転倒というアクシデントに乗じてわきが五十嵐にはなんとか勝てた。しかし・・・
「次が最強の相手だぞ・・・心してかかれよ!!」
(?)
若田部の言葉に赤坂の心に疑問がわいたがとりあえず場の中央に向かった。そして相手を見ると・・・
「・・・」
やはり見たこともない奴だ。やはりまだ19番目。青木が20番目だから最強は青木ではない・・・どころか奴はNo.2の五十嵐にも勝てないらしい。
「準備はいいか大滝!?」
青木の言葉通りなら、相手の名前は大滝というらしい。
背丈は五十嵐ほど大きくないが、170センチとやや大き目といったところか。五十嵐の様にガタイがいいというわけではないが、体脂肪がかなり少ないようでとても引き締まった体をしている。髪は長くサラサラヘアーと淡い紫の着物ががきつめの目とミスマッチだ。肝心の獲物は・・・槍・・・というか長い棒・・・時代の流れなのかもはや剣ではないのだろうか。
戦国時代・・・剣での戦いが主流だったと思われがちだが、それは信長が現われる前の話・・・つまり、戦国前期での話なのである。後期の戦での死因は・・・半分以上が銃・・・残りは弓とそして少数だが槍・・・とは言っても弓や槍では当たり所が悪くない限り即死はあまりない。間合いの短い剣では農民が持つ竹やりにすら苦戦するだろう。そういった意味で、槍使いはこの時期あたりから増え始めていた。
「赤坂よ・・・こいつは槍をかの有名な宝蔵院で学び、この城でかつて最強を誇った兵よ!!貴様じゃ勝てんわ!!」
青木は吠えたが赤坂は動じない。目をつぶったまま試合が始まるのを待っている。
「はじめぃ!!!」
青木がイラッとしたのか早々に試合を始めた。赤坂は型どおりの攻めを展開した。槍はリーチが長い。しかし、一撃かわせば容易に一撃入れることができるだろう。赤坂は五十嵐もこの長大なリーチの差で手が出なかったのだろうと予想した。二刀あれば話は変わる。赤坂は両方逆手で持ったまま大滝に突進した。
カン!
大滝の放つ槍の一撃を、赤坂は突進しつつ右の小太刀で受ける。そして左で一撃・・・と言うところで、槍の柄(手で持つ部分)が右下からこちらに向かってくるのが見えた。
カン!
素早く赤坂は左でそれも払う。今度こそ右を入れようとすると、柄のその払われた勢いを利用して槍の矛が左上からこちらに向かってくる。
ガキッ!!
それを右で受け止めた・・・と思った瞬間右の小太刀がなぎ払われ右後方に飛んでいった。赤坂は逆に右を受けた反動を利用して腰を回転・・・左を入れにいったら・・・
バシッ!!
「・・・」
「・・・」
「・・・」
青木も安井も若田部たちもみんな黙っている。わずか数秒のことだったが、あまりの早い攻防にみんなあっけに取られているのだ。
・・・見ているほうから見えた光景はこうだ・・・
まずは大滝が赤坂の右を槍を突き
それを赤坂が右の小太刀で受け止めた
大滝が柄で下から切り裂くように払い上げると
それも赤坂は左の小太刀でなぎ払った
そのまま赤坂が右の小太刀で切りかかると
大滝の槍の矛が右の小太刀を弾き飛ばした
・・・そして・・・
「一本!!」
青木の持つ赤い旗が上がった。
見事に赤坂の残った左が大滝の脇をえぐるようにヒットしていた。
「お見事!」
安井が言うと。若田部をはじめ――青木以外の――青木一派からも次々に興奮したように歓声が上がった。
「まっことに見事じゃ!!」
突然戸の方から、どすの効いた声がした。
「おぉおおお!!!・・・おおお?」
歓声はぴたりとやみ、安井をはじめ全員がそちらを向いた。
「そのままでよい!! 続けよ!!!」
そこにいたのは手配書の人物・・・
この城の主であった。
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