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“梅一輪 一輪ほどの 暖かさ”・・・・・ 服部嵐雪
梅が一輪咲いていて、そこだけが、ぽっと暖かく感じることって確かにありますね。
1月、初春ということで、通称「梅一」の鉋です。
スタートからいきなりの長文ですが、おつきあいいただければ幸いです。
「梅一」は大阪で仕事をした鍛冶屋で、現存する道具から、鑿、鉋、チョウナなど、刃物ならなんでも作る鍛冶屋であったようです。
竹中大工道具館の解説によれば、
「梅一は加賀百万石刀鍛冶清光七代目。大正5〜6年に大阪に移り、福島に住む。当時「善作」とならび名声を得た名工である。昭和10年頃老齢で鍛冶をやめた。」
とされています。
そして、一説によればこの刀工「清光」は「加州金沢住長兵衛藤原清光」であるとされているようです。
実際に調べてみると、「加州金沢住長兵衛藤原清光」はたいへん有名な刀工で、その刀は、東郷平八郎や新撰組の沖田総司が所持したと伝えられます。しかし、八代目以降も加賀で作刀していた記録があることから、この「刀工清光七代」が大阪に移って鑿鉋を作ったとは考えられません。(十代清光も金沢で没したと記録があります)
また、年代的にも六代清光は「貞享4年(1687年)」没、ということですから、仮に七代清光がこの貞享4年(1687年)に生まれ、100歳まで生きたとしても、天明7年(1787年)ですからまだ江戸時代で、「大正5〜6年に大阪に移り」とする説に矛盾します。
では、「梅一」の作者はいったい誰なのか?
まず考えられるのは、加賀出身の鍛冶が、故郷の有名な刀工の名を勝手に使ったという可能性。この気持ちはよくわかりますし、ありそうな気がします。
もう一つは、清光七代ではないものの、ほんとうに清光の末裔のひとりが、明治の廃刀令で職を失って刃物鍛冶に転じ、大阪に移った可能性・・・・・個人的には、これが一番カッコ良くて、そうであってほしいところです。だって、ロマンがあるじゃないですか。(「ロマン」って死語?)
更に勝手な想像をふくらませると、加賀の刀工の末裔「清光」は、故郷、加賀百万石「前田家」の家紋が「梅」であったことから、「加賀一番」という誇りをもって「梅一」の刻印を作った。というのはいかがでしょう?もっともらしくないですか?
一説には、『通常作は「梅一」の刻印、上作には「清光」を加える。そして更に最上作には「精製」の刻印を打った』といいますが、単純に製作年代の違いかもしれません。
造りは関西系とは違って、東日本系の雰囲気があります。薄手の造り、薄い鋼、鑢目の方向、まるで、古い時代の東京鉋か、会津の鉋を見るようです。
もっとも、関西の鍛冶でも源兵衛や勘兵衛などはとても薄手の鉋を作っていましたから、近年の三木の鉋と比べて、ということになりますが。
地金は日本鉄。鋼は、もう少し研いでみないとわかりませんが、玉鋼のような感じです。鋼の鍛接も巧みで、成形精度も高く、たいへんよくできた鉋だと思います。
鋼の硬度は高くありませんが、玉鋼ならよくある甘さです。
入手は昨年最後の骨董市で。価格は1000円でした。
真冬の5時起きも無駄じゃないようです。
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かじやさんの想像に一口乗ります(笑)
色々考えるのも楽しいですよね(^^)
2010/1/18(月) 午後 8:03 [ オイ ]
梅一ですか〜♪
うめあにさんのホームページにも掲載されていました。
千円とはすごいですね!
しかしイイ肌をしている鉋ですね〜♪
ポチ★押して行きます。
本題とは関係ない話ですが、東郷平八郎は東郷零号でお馴染みの件の方でしたっけ?
2010/1/18(月) 午後 9:14
再開されたのですね♪
お待ちしておりました!うれしいです
梅一で再開、粋ですね(^^)
1000円でもとても良い状態ですね
うっとりです♪
2010/1/18(月) 午後 10:19 [ 工人堂 ]
オイさん、空想は楽しいですよね。でも、真実も知りたいところです。関西系の鍛冶は、データが少なすぎですね。
2010/1/19(火) 午前 8:30
Alcesさん、そうですね、うめあにさんのページには、すごいのがたくさん・・・・
関東では梅一はあまり知られていないので、骨董商も高値は付けないのでしょう。でも、「千代鶴」と書いてあったら、本物でも偽物でも高値です。
東郷平八郎は、おっしゃるとおり、東郷鋼の東郷元帥です。英語表記でも「To Go」で語呂が良かったみたいですね。
2010/1/19(火) 午前 8:36
工人堂さん、ご無沙汰しておりました。またよろしくお願いします。
梅一で再開、なんかちょっと演歌っぽい気も・・・・
1000円で買えたのも、氷点下の中、出かけていったからです。暖かくなってから行ったら売れちゃってたでしょうね。
早起きは、「三文の得」じゃなくて、とってもお得です。
2010/1/19(火) 午前 8:40
再開を楽しみにお待ちしておりました。
たくさんは無いないですが、うちので清光とあるのは作里とか脇取りなんかの比較的小さい物しか無く、普通の鉋や鑿では持っていません。
小さい物しか高くて手が出なかったのかも(笑)
2010/1/19(火) 午後 10:28 [ うめあに ]
うめあにさん、早速のコメントありがとうございます。
うめあにさんのような方に、「楽しみにしていた」などと言われると、ほんとうに励みになります。
でも、作里とかって鍛冶屋にしたら不採算ですよね。手間は掛かるのに高くは売れない・・・・
2010/1/20(水) 午前 9:01