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マイケル・サンデルの著書がベストセラーになってるらしい。そういや、東京駅新幹線改札前の本屋でも平積みになってたもんな…。ロールズの本も売れてるらしい。
で、NHKで放映されて世間の話題を呼んだサンデル教授の「ハーバード白熱教室」。それを真似て、なぜか東大の主催になっちゃってたみたいだけど、サンデル教授を招いて、夏に安田講堂で「白熱教室 イン ジャパン」が開かれた。
その様子は9月末から10月初旬にかけて、BShiやNHK教育で放送されましたが…トモコ的には「ん〜、やっぱだめじゃん?」って感想で…。
そもそも討論のテーマが本家の白熱教室の焼き直しだったので(本家「マイケル・ジョーダンが高額の所得を得ることにに正義はあるか?」→安田講堂「イチローが高額の所得を得ることに正義はあるか?」とか)、参加者(おそらくはちゃんと番組を見ていたはず)が議論の進むべき方向を最初から把握してて、だから、ま、なんとかつじつまが合うように議論が成立してはいたけど、ひどいのもいたよなぁ。編集してあれか?(たぶん、半分くらい切ってるはず)
「あなたの意見はわたしには全く受け入れられません」(それはどのような点において?)、「あなたの意見に賛成できません」(だから、なぜ?)、といちいちつっこみを入れたくなるような、無内容な発言を勢い込んで続ける1階のフロアにいた中年女性。
いいかげんであいまいな歴史知識を元に、「戦争責任」について思い込みをとくとくと語る若者。
「白熱教室 イン ジャパン」に関して、今度は「白熱教室の衝撃」という自画自賛的な番組(10月17日、NHK教育にて放送済)を製作するNHKだけど、あれ、誰かつっこまないんだろうか。
そちらの番組によると、どうやら世間では、「白熱教室」の放映を受けて、「日本人のディベート能力の向上の必要性」を議論する向きがあるらしい。
でも、「ハーバード白熱教室」って、あれ、ディベートのスキルを磨く授業じゃないから。
あれは「政治哲学」の授業だから。
学生たちが、渡された膨大なリーディング・リストに載っている課題をあらかじめ読みこなし、知識として得た政治哲学の理論的枠組みを、実際に身近なテーマに適用して理解を深める、それが目的の授業だから。
だから、あそこで語られてるテーマは、それ自体は授業にとって重要ではない。所得格差もゲイの結婚問題も命の価値も、そういう意味では全く重要ではない。
ところがどうやら、それが分かってないひとが多いらしい。
思考のための理論的枠組みを全く知らず、ただ何かについて思いつきで意見をたたかわせるだけなら、それは小学校の学級会に等しい。お互いの立ち位置の理論的な違いを意識せず、どうして相手の意見に反論したり、自らの意見を省みたりできようか。
議論をするためには、まず勉強すること、つまり、知識を得ることが必要だ。そこをすっとばして(似非)「白熱教室」的な議論をして何か一仕事やり終えた気分になって満足するなんて、恥ずかしいだけだ。
それが、「白熱教室 イン ジャパン」を通して明確になった気がトモコにはしたんだけどな。
でもって、恐ろしいことに、文科省の役人がこの番組に興味を持ってるらしい。
マジかよ。
そのうち絶対に、ディベートのスキルを涵養するための演習的な性質の授業をカリキュラムに積極的に取り入れるように、と各大学に通達を出すんじゃないかと…。
問題はそっちじゃないって。自分の意見が言えないのはディベートのスキルがないからじゃないの。意見を言うだけの理論的枠組みと知識がないからなの。
ま、授業を設定するだけなら簡単だ。高い授業料払って、息子や娘が学級会してるだけなんて、親がどう思うか知らんけどな。
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「白熱教室」、話題になってるようですね。うちも娘も先日文化祭で真似事してました。1学期から準備して、夏休み中、受験勉強そっちのけで資料を作っていました。
>自分の意見が言えないのはディベートのスキルがないからじゃないの。意見を言うだけの理論的枠組みと知識がないからなの。
まったくそのとおりで、指導してくださる先生も同じようなことをおっしゃっていたようで、何度もだめ出しされてようです。
高校生の真似事ですから、準備する過程を興味深く見守りましたが、せめて1年早くやってくれよ! と思ったのでした。論理的思考が求められる2次試験対策にはなるかもしれないけど、理系だしな〜と。
ちょっと反対意見を言われただけで自己否定されたと思ってしまうような人も多い日本人には、議論する機会そのものが必要かもしれません。
2010/10/25(月) 午前 0:50 [ miemama ]
miemamaさん、こんばんは。
「白熱教室」、高校でも注目されているようですね。「イン・ジャパン」のほうにも、たくさん、高校の先生方が参加されたようです。
ただ、あれは、表面だけを真似してもなんにもならないよなって思います。少なくとも、本来の目的は果たせないなって。
>ちょっと反対意見を言われただけで自己否定されたと思ってしまうような人も多い日本人
トモコは、仕事上で反対意見に遭ったときは、そうだな、と思うときは受け入れちゃいますし、自分が正しいと分かっているときは100倍にして返すかな…議論する機会って意外にたくさんあるように思うんですけど、そうでもないんですかね…
2010/10/25(月) 午後 11:38 [ トモコ ]
トモコさんの職場は議論してなんぼの世界ですものね。
でも、トモコさんの100倍返しは怖そうだわ。
2010/10/26(火) 午前 10:53 [ miemama ]
2010/10/26(火) 午前 7:07さま〜(号泣)
2010/10/26(火) 午後 8:45 [ トモコ ]
いや、情けなく、くだらん議論のが多いです…年寄り多いから、ボケてるんでしょう…。
相手してて一番しんどいのはウチのアレで、あまりに理屈っぽくて、どうでもいいときにも厳密な言葉遣いを要求するので、ときどき、「あ〜めんどい、もっとユルイ男と過ごしたい」と本気で思ってしまうことがあります…
2010/10/26(火) 午後 8:49 [ トモコ ]