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「白鳥の湖」、「ジゼル」と並び称されるバレエ・ブラン。
この演目がバレエ史上大きな意味を持つのは、実は、今日、一般に「バレエらしい」と考えられるバレエの特徴、ポワント(トゥシューズ)で踊るとか、ヒラヒラとした膝丈のチュチュを身に付けるとかってのは、この演目から始まったってことですね。
でもって、この演目、大きく二つのバージョンがあります。
ひとつは、フィリッポ・タリオーニ版。
こちらがオリジナル・バージョンです。
音楽はジャン・シュナイツホーファ。
ちなみに、振付のタリオーニの娘マリーがパリ・オペラ座での「ラ・シルフィード」の初演で主役を踊りました。
マリーは腕がすんなりと、とても長かったそうで、そんな娘の身体的特徴を生かすために、あの、頬に手を添えるシルフィードのポーズが考案されたと伝えられています。
そして、もうひとつのバージョンは、今回のボリショイのブルノンヴィル版。
こちらの音楽は、ヘルマン・フォン・ロヴィンショルドが担当しています。
初演はデンマーク王立劇場バレエ団。
実は、ブルノンヴィルは、オペラ座の「ラ・シルフィード」を観て、自分が所属するデンマーク王立劇場バレエ団での上演を望んだのですが、オペラ座からの許可が下りず、仕方なく自分で振付けをしたそうなんです。
シュナイツホーファの音楽も使用料が高かったため、こちらも諦めて、作曲料が安かったロヴィンショルドに依頼したそうです。
でもって、その後、このブルノンヴィル版のが広く上演されてきたのですが、1972年にオペラ座でタリオーニ版が復元されてから、オペラ座はタリオーニ版のほうを多く上演しているんですね。
トモコ、「ラ・シルフィード」はオペラ座版を見ることが多く、ブルノンヴィル版の存在をすっかり忘れておりました。
で、この度のボリショイの公演は、トモコ的にはひさびさのブルノンヴィル版(ただし、ヨハン・コボー振付)だったのでございます。
出演は…
シルフィード: アナスタシア・スタシュケヴィチ
ジェイムズ: セミョーン・チュージン
占い師マッジ: アンナ・バルコワ
エフィ: クセニア・ジガンシナ
グエン: アルトゥール・ムクルチャン
エフィ役のジガンシナが「シェルブールの雨傘」のころのドヌーブにそっくりで、可憐でした。
マッジを演じたバルコワの演技は迫力があり、特に群舞の男性舞踊手たちのテクニックの高さに驚かされました。
でも…トモコはタリオーニ版の1幕のパ・ド・トロワ、あれが観たかった。
結婚式の場で、ジェイムズとシルフィード、シルフィードが見えていないエフィが踊る、あのシーン。観客的にはパ・ド・トロワなんですが、ジェイムズとシルフィードのパ・ド・ドゥ、ジェイムズとエフィのパ・ド・ドゥとしても成立している、あの不思議な振付け。
あのひねりが好きだ。
とはいえ、コボー振付のボリショイ版もラストが衝撃でしたね。
マッジが現れ、息絶えたジェイムズの骸を前に客席に向かって立ち、薄汚れた衣装のスカートを持ち上げて見せる。そのスカートの中には真っ白なチュチュ。
マッジは元シルフィードだったんですね。
さて、次回のボリショイ・バレエ in シネマは「ラ・バヤデール」です。
ニキヤとガムサッティの掴み合いの喧嘩が楽しみです。
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