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全てを終わらせる戦争・・・そう言われていた欧州大戦(※1)・・・
現実にはこの戦争処理により戦前よりも遥かに多くの問題が生み出される形となったのは戦争終結の後始末をしていた当の本人たちでさえ本当のところは理解できていただろうか?
1918年11月11日パリ郊外のコンピエーニュの森にてワゴン・リ社保有の食堂車2419Dにて、ドイツ及び連合国の休戦協定が調印され同日11時に両軍の軍事行動が停止された。(※2)
1919年1月28日パリ講和会議開会
1919年6月28日ヴェルサイユ条約調印、欧州大戦終結
■ドイツ植民地の分割譲渡
日本:南洋群島、山東省権益
イギリス:タンザニア、ニューギニア
フランス:カメルーン
南アフリカ:ナミビア
■ドイツ本国の領土分割譲渡
ポーランド:シュレジエン、西プロイセン、南プロイセン、ダンツィヒ回廊
フランス:エルザス、ロートリンゲン、ザールラント(保障占領)
ベルギー&フランス:ルール(保障占領)
リトアニア:メーメル
■オーストリア=ハンガリーの解体
ポーランド:ガリツィア獲得
チェコスロヴァキア:独立
ルーマニア:トランシルヴァニア獲得
セルビア:クロアチア・ボスニア・スロヴェニア獲得
イタリア:南ティロル・トリエステ獲得
オーストリア:帝政廃止&ドイツとの合併禁止
■オスマン帝国の解体
イギリス:イラク、パレスチナ、トランスヨルダン獲得
フランス:シリア、レバノン獲得
ギリシア:エーゲ海諸島獲得、アナトリア進駐
■ロシア/ソビエトへの介入
連合国:シベリア出兵
ポーランド:白ロシアへの進駐
連合国&ドイツ:反共内戦介入
バルト三国:独立
フィンランド:独立
■ドイツの軍備制限と賠償義務
1320億金マルク(2790金マルク=金塊1kg)
ラインラントの非武装化
軍用機・戦車・潜水艦・航空母艦・化学兵器の保有禁止
参謀本部の廃止解散
徴兵制廃止
陸軍:兵力10万以下、将校4000名以下
海軍:戦艦6、軽巡洋艦6、駆逐艦12、水雷艇12、主砲口径11インチ以下
ここに新たなる火種が生み出された。
ドイツを徹底して弱体化させるために取られたヴェルサイユ体制は、その徹底した弱体化とそれがゆえに生み出された条約文の抜け道が戦後体制を狂わせることになる・・・。
また、本来道義的である民族自決による旧オーストリア=ハンガリー帝国構成諸国の独立もまた大きな火種となったのである。
元々、各民族が混在し共存していた旧帝国を多数は民族の主張するラインで国境の線引きをしたため、これまで支配側であったドイツ人、マジャール人が独立各国では少数派となり、立場の逆転で迫害される側となり、更なる火種をバルカン半島に植え付けてしまったのである。
次回、”第二章 燻る火種”と題して、それぞれの火種にスポットを当ててみたいと思います。
※1:第二次世界大戦前は、大戦争、諸国民の戦争、世界大戦、欧州大戦、全ての戦争を終わらせる戦争などと呼称されていたのが現在の第一次世界大戦です。
※2:食堂車2419Dはその後博物館に保存されることとなったが、1940年6月22日に再び同じ場所で勝者と敗者が入れ替わる形で再び休戦協定を調印することになる。その後、ドイツへ移送され終戦間際に破壊される。もっとも、同型の食堂車を使用しレプリカ復元して現在もコンピエーニュの森に展示されている。
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週末ワールドウォー
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なぜ人類はあの過酷な世界大戦を二度も起こしてしまったのか?
なぜ、泥沼化してしまう大戦争に踏み切ったのか?
戦争をしてまでも得ようとしたものは何なのか?
各国の思惑と世界の構図とはどのようなものだったのか?
パンドラの箱を開けてしまった参戦国に希望は残っていたのか?
真の強さとはいったい何なのか?
イカロス出版から発刊されているMC☆あくしずに連載されていた世界戦略ロールプレイングシミュレーション、放課後ワールドウォー。
本書を元に史実における事件や戦闘をさらに掘り下げていこうと思っています。折角なので比較対照できる資料も載せて当時の世界観を再現し、現代の価値観や戦争観によらない戦争論を語っていく、これが本企画”週末ワールドウォー”の趣旨と目的です。
ちなみに”放課後ワールドウォー完全版”は以下のURLから購入できます。
何ゆえ週末なのか?そりゃ週末でもないとこんな企画に費やせる時間なんてないですよ・・・。それなりの準備と工夫しないと駄目ですから・・・。
第一回は第一次世界大戦モノ!!
現代の全ての火種を作った欧州大戦 -第一章 終戦処理-
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