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『蘇える金狼』









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チラシと前売り半券です。
この作品は1979年の角川映画で、地方によっては『金田一耕助の冒険』と同時上映だとデータに記されているんですが、大阪では最初から2本立て上映でした。
約35年以上も前の映画ですが、当時この2本立ては、たいへんな人気番組だった。





『蘇える金狼』
解説:大藪春彦の同名小説の映画化で、遊戯シリーズでコンビを組んだ村川透監督、松田優作主演のハードボイルド。朝倉哲也は表向きは平凡なサラリーマンだが、夜は身体を鍛えて巨大資本乗っ取りを企んでいる。朝倉はある日、手に入れた麻薬で上司の愛人、永井京子を手なずけた。しばらくして会社幹部達の横領事件をネタに、桜井という男がゆすりに来ていることを突き止めた。朝倉は桜井と会社を巧みに利用して社長令嬢の絵理子と婚約することに成功するが、その一方で嫉妬に燃える京子は、ある決意をしていた。
 
 
 
昼間は平凡なサラリーマンの朝倉は、夜はボクシングで身体を鍛え、銃を所持して一億円の強奪に成功する。
しかし、奪った紙幣の番号がリストアップされていたことを知り、方向転換して盗んだ金を麻薬に変えるために暴力団組織を襲い接触するんですね。
上司の愛人である京子を麻薬で釣り、関係を持つことに成功する。
そんな時、朝倉は自分の会社の首脳陣すべてが横領に絡んでおり、その事で桜井という男にゆすられていることを知るんですね。
この作品、麻薬を牛耳る組織のバックが市会議員で(汗)、さらに上のレベルで悪いやつのバックには、次期総裁なる人物がいるというね(爆汗)・・・。
この国独特の政治家と悪と企業との癒着がベッタリと描かれています。
朝倉は野心だけで、そんなワルたちの間をのし上がり、大きな勝負を挑むようになるんですが・・・。
 
この映画はとにかく松田優作演じる朝倉が、裏社会の奴らを力で制していく物語。
ヘタに風呂敷を広げずに、ひとつの企業を巡る舞台を描いたお話なので、ぶっさいくな人間模様がひたすらリアルなんですよね・・・。
こういう作品を見ていると、ツッコミどころ満載でも面白いドラマって、逆にクソリアルなんだということ(笑)・・・。
人間はそんなに都合よく完璧に綺麗に身は振れないというね(爆汗)・・・。
強さと度胸の良さでのし上がっていく朝倉。しかし、ある不器用な面で想いを隠してしまったために、意外な破滅を迎えてしまうんですよ・・・。

ラストの朝倉=松田優作のセリフは、今や伝説になってる。






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昼間は冴えないサラリーマンの朝倉(松田優作)は、夜になるとボクシング・ジムに通い、「アンタならチャンピオンになれるよ」と絶賛されているという極端な顔を持つ逸材。
そんな朝倉、現金輸送中の警備員を襲い、1億円の強奪に成功するが、リストアップされた札束を洗濯する為に麻薬を買う方向に転換を強いられる。
この作品、後の『野獣死すべし』とよく似た感じのお話なんですが、朝倉のバックボーンなどは一切描かれていない。
朝倉はむちゃくちゃ強い謎の野心家という設定になっていて、自分が勤める企業の乗っ取りを企てている。
昼間の冴えないサラリーマン演技の優作が最高!
この人は異様にドスの効いた声なんで、その声で上司にペコペコしているだけでコミカル(笑)・・・。






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麻薬を得るために裏社会を強襲する朝倉。
その朝倉のクソ度胸とハッタリの効いた取引描写自体が胸のすくアクションになっている。
まるで黒豹のような松田優作の躍動を長回しで捉えた銃撃戦シーンは圧巻です。










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朝倉は手に入れた麻薬を餌に、上司の愛人である京子(風吹ジュン)に接近する。
朝倉に勧められたタバコに仕込まれた薬を、麻薬とは知らずに吸ってしまう京子は、朝倉に口説き落とされ、以後は朝倉に会社の裏情報を流す事になる。
朝倉が京子と出会うゴルフ練習場のシーンは、ありえなくて笑える(爆)・・・。
いかに優作さんがゴルフしないのかよくわかるシーン。

近年も映画で大活躍の風吹ジュンさん、この作品の重要人物なんですよね。
ハードボイルドがこれほど似合う女優さんも稀。




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この作品、小池朝雄さんとか佐藤慶さんというクセ者俳優に交じり、東映のクセ者俳優たちがやたらとキモい演技て対抗しているのも見もの(笑)・・・。
朝倉の上司を演じた成田三樹夫さん、京子の部屋にいるであろう間男に向かって、「いるんなら出てきなさい」って(汗)・・・ヤクザが赤い羽根に笑顔で募金した・・・みたいなフェイントが怖いわ(爆汗)・・・。





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裏社会の大物政治家の甥っ子である桜井(千葉真一)は、横領に手を染めている朝倉の会社の重役陣をゆする。桜井は最終的には朝倉の勤める東和油脂という会社を乗っ取ろうとしている。
この作品の千葉さん、全然カッコよくないのも重要ポイント(汗)・・・。




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ハイっ!
松田優作さんが愛してやまなかったという岸田森さんが、なぜか桜井を追う探偵として登場するんですが・・・。
この作品の岸田森さん、白いスーツに黒いマントのようなコート姿で、ステッキをついて歩きカタコトでしか話せないという、凝りに凝った役作りで(笑)、最終的には障子にありえない突っ込みかたをして死ぬ(超爆)・・・。
合間で神戸から連れてきた殺し屋と共に千葉真一さん演じる桜井を殺してるし(笑)・・・。





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そんな濃いすぎる脇役陣に負けじと粘着質な主人公を演じる松田優作、女を尋問するときもね、服をビリっと破り、女を立バック姿勢でいたぶりながらなんですよね・・・。





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桜井などが絡んで少し脱線するこの作品、悪い東和油脂の重役陣は、実は格闘家という冴えないサラリーマン朝倉に目をつけ、出世を条件に会社を乗っ取ろうとする奴らとの対決を朝倉に依頼するんですが、結局は逆に朝倉にゆすられてしまうんですよね。
冴えないサラリーマン姿で重役たちを破滅させる朝倉の姿を見て、当時のサラリーマンたちはスカっとしたと思いますよ。
富を得た朝倉がカウンタックを買って乗り回すという描写が、当時のスーパーカー・ブームの名残りを感じる。



ハイっ!
ここから豪快にネタバレします。
観覧注意でお願いいたします。












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自分のいた会社の乗っ取りどころか、裏社会の大物に認められた朝倉は、目をつけていた上司の令嬢と婚約まで果たし、持ち金をドルに替えて海外進出を考えていた。
しかし、利用されたと誤解された京子に朝倉は刺されてしまう。
実は朝倉、口には出していないんですが、京子とは一緒に海外へ行くつもりだった。
ちゃんと朝倉は京子を愛していたんですね。
そういう、惚れた腫れたの恋のあやから完全犯罪が綻ぶという様がね、いかにも松田優作らしいというか、1970年代のハードボイルド映画という感じですね。




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「ジュピターには何時に着くんだい?」

昔も今もそうなんやけど、松田優作さんって、男に人気のあった俳優さんですよね。
私、大阪・梅田の三番街にあった阪急プラザという劇場に友人と行ったとき、『乱れからくり』という作品の予告編が流れた。すると、スクリーンに松田優作さんが映った瞬間、斜め前に座った女性が、「キャ〜、優作や」って叫んだ(笑)・・・。子供心に私は、「へぇ〜、松田優作って女にも人気があるのか」と驚いたくらいですから(汗)
ベテラン脇役陣の変態性個性を喜々と引き出し、ど真ん中で遊んでいた松田優作という役者の“唯一無二”を猛烈に味わえる作品です。
当時の東映系の邦画の音楽って、安物のシンセがキンキンという感じなんですが、当時を知る人はそれがまたたまりませんよ(笑)・・・。



『ユナイテッド93』


この記事は作品の性質上、作品の内容案内にはなっておりません。
資料が多いので、資料編としてお楽しみください。


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↑チラシ3種です。




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関西版新聞広告2種とパンフです。





『ユナイテッド93』


解説:アメリカ史上最悪のテロ攻撃事件として記憶された2001911日の出来事を、当事者の視点から再現した衝撃的作。『ボーン・スプレマシー』のポール・グリーングラスが脚本と監督を手がけ、4番目のハイジャック犠牲となった、ユナイテッド航空93便の乗員と乗客らが経験した未曾有の恐怖心をリアリスティックに描く。離陸からハイジャック、そして運命の瞬間までを時間軸にそって再構築し、悲劇の結末を臨場感たっぷりに伝える。


 


あらすじ:2001911日。大勢の乗員・乗客を乗せたユナイテッド航空93便は、離陸後にテロリストによってハイジャックされていることが判明する。やがて、その情報は搭乗者のみならず、地上にいる彼らの家族や管制塔にも伝わった。耳を疑う情報が流れ、想像を絶する恐怖に襲われながらも、機内の人々は一丸となってある決断を下す。


 


 


 


先日鑑賞したクリント・イーストウッド監督の『ハドソン川の奇跡』の冒頭、自らが操縦する旅客機を見事ハドソン川に着水させたはずのトム・ハンクス演じる機長は、低空でNYのビルの隙間を操縦不能の旅客機で彷徨うという悪夢に苦しんでいた。
映画のクライマックス、実際の事故現場で乗客全員を救い終えたとき、最高の仕事を称え合いながら茫然とハドソン川に目をやる機長と副操縦士に、救助艇の男が言う・・・「特にNYは、飛行機では暗い事しかなかっただけにな」と・・・。


 2009年1月の実在の事故を描いた『ハドソン川の奇跡』を見た時に、2001年9月11日の同時多発テロの恐怖を、特にニューヨークの人たちは忘れる事がない・・・というより、テロを体験・目撃された人の心に本当に大きなダメージを与えたのだなと感じました・・・。
奇跡の前にあの9・11の恐怖が立ちふさがっているんですよね。


 9・11、テロリストに奪われた旅客機3機は、テロの目的を遂げてしまった。
しかし、4機目のユナイテッド航空93便は、離着陸時の倍のスピードでペンシルベニア州の高原に墜落した。地面に大きな穴を開け、まさに機体は木っ端みじん。
(ユナイテッド93便をハイジャックしたテロリストの標的はホワイトハウスだった)
なぜそういう事態になったのかというと、事件を携帯電話などの外部との交信で知った乗客たちが団結し、「Let’s Roll!」の合言葉と共にテロリストに反撃したからなんですよね・・・。


『ユナイテッド93』という作品は劇映画なんですけど、ドキュメンタリーとリアルな再現フィルムの中間というスタンスで撮られている。
おもいっきりテロの恐怖をリアルに捉えて伝える事のみに徹底されています。

しかし、マット・デイモンと「ボーン」シリーズを手掛けるポール・グリーングラスという監督さんはね、テロリストでさえ被害者だと言わんばかりの慈悲を持って、一番伝えたいクライマックスを実に映画的に撮って見せてくれた。
実際はどうなのかわかりませんが、テロリストに向かっていった人々の勇気を描き、緊張感が半端ではないこの作品を見ている人々の魂をおもいっきり掴んで揺さぶった。


テロリストに向かっていく為に乗客たちが立ち上がった瞬間、映画は終わるんですが、見ているお客さんたちは悲しい結末を知っている。
意外やったんですが、エンドロールが終わると殆どのお客さんが号泣していたんですよね・・・。手を合わせているお婆さんまでいて驚いたという、忘れられない鑑賞でした。


 


[2006年、8月16日、『ユナイテッド93』、ОS劇場にて鑑賞]


 


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ひたすらリアルにテロの様子を多角同時進行で再現して描いているので、誰が主役とか関係ない。
実際の通話記録などをもとにできるだけ忠実に再現しているらしいです。




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左端が演出中のポール・グリーングラス監督。
監督が無名俳優たちを使い、何にこだわったのかというと、現場の恐怖の再現なんですよね。
そのドキュメンタリータッチは尋常ではない緊張感を生み出している。
ある意味マインドコントロールされているだろうテロリストに対する目線も優しいというか同情的なところに驚きました。
そう、あまりのダメージに、「やられたらやりかえす」では根本的にテロはなくならないよってスタンスの作品なんですよね・・・。


『醉いどれ天使』




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『醉いどれ天使』


解説:戦後の混乱期のヤミ市を舞台に飲んべえの医者と結核にかかった若いチンピラやくざとの交流を描いた作品。本作が新人・三船敏郎の初主演映画にして、黒澤=三船の黄金コンビ誕生の記念すべき作品。ヤミ市の近くの小さな病院。院長は愛想は無いが貧乏人ばかり診察する飲んべえの男。そこへ、眼をギラギラさせた若者が、銃弾の傷の手当てのために現れた……。戦後の混沌としてエネルギッシュな雰囲気が見事に描かれている。


 


 
最初に、日本の映画史を大きく変えたエピソードを紹介しましょう。
1946年、終戦により、食うために知人のつてを頼ってカメラマン希望で映画会社「東宝」に履歴書を送った男がいた。
ところが運命のいたずらにより、提出した履歴書は「第1期ニューフェイス募集」の応募に回されていたんですね。
男は「ツラで飯を食う俳優なんて大嫌い」な人(爆)・・・しかし、「復員したてで何でもいいからやりたい」という男は、嫌々、面接と実技のテストを受ける事にする。
その面接会場にいた名女優・高峰秀子は、驚いてある映画監督を探しに行った。
長身の監督はすぐに見つかり、女優は監督に言った、「凄いのがひとりいるんだよ。でもその男、態度が少し乱暴でね、当落すれすれなのよ。ちょっと見に来てよ」って。
女優と監督が試験場に駆けつけると、試験官に、「笑ってみて」と言われ、「面白くもないのに笑えません」と不貞腐れて暴れる男がいた(爆)・・・。
「はは〜ん、照れ隠しだな」と見抜いた監督のはからいで、野獣のような男は補欠合格するんですね・・・。
監督は男の中に、とてつもない原石の輝きを感じ、男の不思議な魅力に一目惚れした。
それが身長でも外国人に負けない世界の黒澤明監督と、野獣のような元上等兵の男、三船敏郎との出会いだった。


以後、二人は『生きる』を除く、『醉いどれ天使』から『赤ひげ』までの日本映画の金字塔を打ち立てる事になる・・・。


 『醉いどれ天使』という作品、メタンガスがぼっこんと湧き出る池を囲むように広がる戦後の闇市が舞台で、池の横で開業医をする真田は、口が悪くて医療用のアルコールですら飲んでしまう飲兵衛(汗)・・・しかし、そんな真田の心根は天使のように優しい。
ある夜、銃で撃たれた傷の手当てを受ける為、地元やくざの顔役である松永という男が真田を訪ねてくる。真田は咳き込む松永に肺病の気配を感じ検査を勧めるんですが、怒った松永は真田に乱暴を働き去っていく。
相手が乱暴者とはいえ、医師という責任感から松永を放っておけない真田は松永をつけ回し干渉する。
虚勢ばかり張る松永なんですが、真田に弱みをふと見せて治療に積極的になろうとはする。真田の見立て通り、松永は重度の肺結核だった。
しかし、松永の兄貴分の岡田が出所してきた事により松永の立場は微妙になり、ヤケになった松永は壮絶な決闘のあとにゴミクズのように死んでしまう・・・というお話。


 1948年公開のこの作品は、戦後の混沌とした焼け跡を舞台にした型破りな開業医とヤクザ者の交流を描いているんですが、地に足のついた人間を描く視点がダイナミックかつ斬新なので、古さを感じさせない(黒澤明監督の作品世界はいつもそうなんですが・・・)
本来は志村喬さん演じる真田が主役の物語なんですが、その規格外の存在感で圧倒する三船敏郎さんの繊細なる野獣ぶりが眩しくてたまらない。


この作品はとてつもないスター誕生の瞬間を捉えた名作であり、数々の名作を世に放出するスタートでもあった。


 



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闇市で開業医を開く真田(志村喬)は、とても口が悪く飲兵衛なんですが、患者にはとても優しい。
こんなドクター、今の時代なら完全アウトですが(爆)、この真田は黒澤明監督が知っている実在の医師がモデルになっているそうです。






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ある夜真田を訪れた町の顔役である松永(三船敏郎)は、銃で撃たれた傷を真田に手当してもらう。
真田は松永の結核を疑うが、松永は真田の話を真面目に聞こうとはしない。






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虚勢ばかり張る松永を心配し、松永に治療を勧める為に、真田は松永に何かと干渉する。
闇市を闊歩する松永の日常はダンディでめちゃくちゃカッコいい。






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真田の熱意に人としての弱さを見せ始めた松永、やはり重度の肺結核だった。
松永は兄貴分が出所してきた為に、組織での立場が微妙になり、渡世に嫌気が差してますます自暴自棄になってしまう。






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この作品、サイドストーリーで、懸命に結核を治療する女学生(久我美子)の姿が描かれる。
このエピソードがラストに希望を感じさせてくれるんですよね。





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この作品の三船敏郎さん、病人なので頬がコケて体格の良いゾンビみたいなんですよね(汗)
ペンキまみれになって兄貴分と刺し違える松永の鬼気迫る姿には猛烈な儚さを感じる。
真田が最も恐れていた姿なんよね・・・。

三船さんは黒澤明監督から、「自由におやりなさい」と言われていたようなんですが、その型にはまらない表現力は荒削りながら凄いですわ・・・。







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黒澤明監督はやくざが死ぬほど嫌いだったそうですが、そんなやくざの内面を三船敏郎さんを通して実に優しく愛おしむように描いている。
そんな監督の分身ともいえる真田を演じた志村喬さんも凄い。
『生きる』での役所人間や、『七人の侍』の勘兵衛とは違う魅力を見せてくれています。
最近少なくなりましたね、むちゃくちゃ口が悪いのに世話焼きで優しいおじさん。

タイトルバックでメタンガスを放出する池。
私が子供の頃にいた大阪の寝屋川市は道路も舗装されていないような未開発地区やったんで、なんかボコボコと湧き出した汚い池が普通にありましたわ(笑)・・・。
昭和40年代、街には戦後の名残を感じさせる風景がまだあった。
私はこの作品で描かれた町並み、幼い頃を思い出させてくれるから大好きなんですよ。








『誘拐の掟』



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この作品のふたつ折りチラシの両面と関西版新聞広告です。




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本日の梅田ブルク7の様子です。
朝からアニメ作品が上映されていたので、ロビーは大混雑。
『誘拐の掟』の初回もね、なかなかの盛況でしたよ。



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前売り特典の手ぬぐい。なんで手ぬぐいやねん(爆)・・・。
どこのなにが“ヨロシク”やねん(爆)・・・。



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パンフ、定価700円です。






『誘拐の掟』
解説:『96時間』シリーズなどでアクション俳優としての地位を確立した名優リーアム・ニーソンが主演を務め、ローレンス・ブロックの傑作ミステリーを映画化したサスペンス。引退した敏腕刑事が、猟奇殺人犯と激しい頭脳戦を繰り広げる姿を活写する。『ザ・ゲスト』などのダン・スティーヴンスや、ラッパーのアストロことブライアン・ブラッドリーらが共演。邪悪な猟奇殺人鬼に挑む主人公のパワーに圧倒される。
 
あらすじ:ニューヨーク中が連続誘拐殺人事件におびえていた1999年、元刑事のマット(リーアム・ニーソン)のところにある依頼が舞い込む。それは妻を誘拐された夫からの、犯人を見つけ出してほしいというものだった。マットはこれまでの刑事人生で身に付けた全てのスキルを総動員して誘拐犯の捜索に挑むが、相手もなかなか尻尾を出さず……。
 
 
 
近年のリーアム・ニーソン、ジェイソン・ステイサムに負けないほどの多作アクションスターになっていますが・・・。
私は『96時間』を見逃してしまったばっかりに、リーアムさんの近年のアクション作はスルーしていました。ところが、信頼できるブロ友さんが、「この作品は一味違う」みたいに褒められていたので、速攻で前売り券を買いに行って鑑賞してきました(汗)・・・。
 
まず最初に、この作品はアクション映画ではない。
一流のプロたちの仕業による、極上のサスペンス映画でした・・・。
 
この作品ね、ネタふりとして1991年のニューヨークから始まる。
ワイルドな風貌で昼間っから同僚の制止も聞かず酒を飲んでいる刑事マットは、店にやって来た強盗を退治するんですが・・・。
1999年、サッパリとイメチェンしてるマットはね、警察を引退して無免許の私立探偵をしているんですが、教会の酒を断つ会に参加している。
その会で知り合った若者ピーターから、ある依頼をされるんですね。
それは、ピーターの弟ケニーの妻を誘拐して惨殺した犯人を見つけ出してほしいというもの。
実は表向き建築業のケニーの裏の顔は麻薬の仲介人なんですね。だから警察には通報できない。
情にほだされて嫌々仕事を引き受けたマットは、様々な人と協力し合い、犯人に接近していく・・・というお話。
 
この作品、ネタふりでマットに酒を断念させるきっかけになったアクシデントがあって、その傷を背負って生きているマットの悟りを開いたような佇まいが独特かつ重要ポイントなんですよ。
人に対してクールかつ穏便に接する無表情のマットが出会うワケありの登場人物たちは、心のどこかで救いを求めているような人間ばかりで、事件に巻き込まれたマットの人柄に見事に絡め取られてしまう。
実はこの作品の素晴らしいところって、サスペンス以上に、人のハートの動きが魅力的に描かれているところなんですよ。
そういう地に足のついた人物描写がグイグイと物語を牽引しているから面白い。

この作品、あらすじだけ追うとかなり複雑なドラマなんですが、どれだけ暴れても紳士としての品格が崩れないリーアム・ニーソンの誠実キャラが活きた傑作探偵サスペンスでした。
これはリーアム・ニーソンの同じキャラで続編が見たいと思いましたね。
 
[2015年、5月30日、『誘拐の掟』、梅田ブルク7、シアター6にて鑑賞] 







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 1999年、2000年問題が騒がれるNYで、私立探偵のマット(リーアム・ニーソン)は、自分が参加している断酒の会の若者ピーター(ボイド・ホルブルック)からある人に会ってほしいと頼まれる。
すっかり落ち着いた物腰のマットですが、冒頭ではその8年前、マットの人生を変えた事件が描かれていて、マットが参加する断酒の会が教会のサークルだというところがミソなんですね。
この作品の根底にはほのかな宗教観が漂う・・・。







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マットはピーターの弟ケニー(ダン・スティーヴンス)から、妻を誘拐して惨殺した犯人を探してくれと依頼される。
元警官のマットは、ケニーが裏で麻薬に絡んでいるいる事をすぐに見抜き、依頼を断るんですが、ケニーの傷心ぶりと犯人のあまりに残虐なやりくちに憤りを感じ、犯人を捜す決意をする。
まず、マットがなぜ麻薬成金で格好つけてるケニーの依頼を引き受ける気になったのか?という部分の脚本が上手い。
ふと見せる人の繊細で弱い本性を、切れ者のマットは見逃さないハートの持ち主だという部分が、一番この作品の魅力な部分ですから・・・。






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マットは地道な聞き込みで、誘拐事件の輪郭を掴んでいく。
この作品の事件の裏側は複雑。
裏に麻薬捜査官の動きが絡んでいるし、バラバラになっている猟奇誘拐殺人事件の背景もある。
それらがね、物語の進行と共に繋がっていく過程も見事。





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マットは、図書館で出会ったワケありの黒人少年ТJ(ブライアン“アストロ”ブラッドリー)を相棒にする。
このマットとТJの出会いのシーンもいい。
頭が切れるマットは、優秀な人を見分ける目も鋭い。
あのムツゴロウさんが、動物に噛まれながらも(爆)、相手を引き入れる術に優れているように、マットも問題を抱えた人たちを仲間にする手練手管に優れているというキャラ造形が面白い。





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この作品のもうひとつの見所は、誘拐犯人の二人組のサイコキラーぶり。
犯人はね、あえて警察に通報できない黒い背景を持つ成金だけをターゲットにしている。、






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新たなターゲットを誘拐した犯人に対し、マットは正面から対峙する。
「相手はすぐに人質を殺してきた。では、相手が人質を殺さない状況を与えてやることだ」というマットの機転のもとに、マットに協力してきた人物たちが集結するというクライマックスの展開もおもろい。





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この作品で殆ど表情を変えないリーアム・ニーソンの内面演技が魅力的。
銃を向けられても恐れないマットの不動心には、トラウマからくる贖罪の念が作用しているという設定も良い。
マットのね、「私も実はこうなんだ。君もよければ話してみないか?」というぬるま湯のような人との接し方がすんごく効いてる。
マットはТJに探偵の条件を聞かれて、「運が凄く大事だ」と答える。
この作品を見ると、運は自分の能力と出会う人によって切り開かれるという語り口が心地よい。

私、ブロ友pu-koさんのおかげもあるんですが、最近見た映画って当たり続き。
それらの作品群に共通しているのは、作り手がよく映画を勉強してるのが分かること。
個人的に感じたのは、70年代の映画をよく勉強しているなと思いました。
ゆったりと重要なタイトルバックの使い方に、効果的な音楽。
そして、この作品の凝った絵心のある撮影と脚本は素晴らしいです。





この映画記事は、作品の内容案内にはなっておりません。
資料編としてお楽しみください。

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上から、『夜霧のマンハッタン』のチラシ、前売り半券、パンフです。





『夜霧のマンハッタン』


解説:絵画盗難の罪で告訴された美女と女弁護士は地方検事補の協力を得て事件を調べる内に、18年前に起きた画廊の火事に鍵がある事を知る。ライト感覚のラブ・ロマンス・サスペンス。R・レッドフォードとD・ウィンガーの共演。「ゴースト・バスターズ」のアイバン・ライトマン監督作品。


 


 


 前記事『ラビッド』で少しアイバン・ライトマン監督に触れたんですが、ロバート・レッドフォードとデブラ・ウィンガーが共演した法廷劇、『夜霧のマンハッタン』は面白かった記憶がある(超爆汗)・・・。
その私の記憶の中に残っているシーンというのがね、ユーモラスなシーンと、当時はまだ珍しかったCGを使ったぶっ飛んだシーンなんですよね。
アイバン・ライトマン監督の遊び心の部分が凄く楽しくて、肝心の法廷劇の部分はややこしくて覚えてないんですよ(汗)・・・。


 
私的にこの作品で一番印象的だったのが、実は字幕スーパーなんです。


 
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今の字幕スーパーって、機械的なちゃんとした文字体で画面に映し出されています。
私が劇場で洋画を観だした頃から、この作品を見た1987年頃までは、字幕スーパーって字幕監修者による手書き文字で、ミミズがのたくったような文字やったんですよ。
時期的な作品の前後はあると思いますが、私が映画鑑賞するうえで、一番最初に今の字幕スーパーの文字体になっていたのが『夜霧のマンハッタン』でした。


 


[1987年、4月7日、『夜霧のマンハッタン』、三番街シネマ1にて鑑賞]







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この作品で一番おもろかったのは、デブラ・ウィンガーがね、法廷でのロバート・レッドフォードのドヤ顔の真似をするところ(笑)・・・。
あと、このふたりがシンクロで見せてくれる、お互いの“眠れない夜の過ごし方”とかね(汗)・・・。
本編に関係のないシーンがやたら笑えるんですよね。
レッドフォードなんて、眠れないからといって部屋でバンバン・ボールとかやっとるしね(懐かしい)





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参考までに、これが昔の手書きの字幕スーパー。
右サイドに出ているところもポイントで、その事には後日の『ランボー・怒りの脱出』の記事で触れます(汗)・・・。
 


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