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「仕方がない」!「やむをえない」!だけでは、政治は動かない、一人でも発言していくことだ!真実 を本音の言葉でずばりと言うブログ!

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各地で発生するゲリラ豪雨が甚大な被害をもたらしている。

広島の土砂災害では多くの犠牲者が発生し、いまなお行方の分からない市民が
多数存在するとともに、1000人を超す市民が避難生活を余儀なくされてい
る。

犠牲になられた方々のご冥福を祈るとともに、行方不明者の一刻も早い救出と
被災者に対する万全の生活支援が望まれる。

時間雨量が50ミリを超える、いわゆるゲリラ的な豪雨はかつてはあまり観測
されなかったが、ここ数年、非常に高い頻度で発生するようになった。

こうしたゲリラ豪雨が数時間にわたって同一地域で発生すると、今回のような
土砂災害はいつでも再現され得る。

昨年の10月には台風26号に伴う豪雨が伊豆大島を襲い、東京都だけで37
名の死者と3名の行方不明者が発生した。

同じような災害は、日本全国のいずれの場所でも発生し得る。

時間雨量の程度、土壌の種類及び状況、地形によって、今回と同じような土砂
災害が発生し得る箇所は日本全国に多数存在する。

日本の住環境の厳しさから、こうした、土砂災害の危険のある土地の上に住居
を構えなければならない事情がある。

2009年7月に発生した山口豪雨では、土石流が特別養護老人ホームに流れ
込み、高齢者12名が犠牲になる被害が発生したが、この特別養護老人ホーム
は川の合流地点に立地していた。

土木工学の知見をもとにすれば、50ミリを超す時間雨量が3時間以上継続し
て発生するようなゲリラ豪雨が観測される場合に、どの地域にどの程度の被害
が生まれるかを、あらかじめシミュレーションすることができる。

こうした災害に関する情報を、平時に広く流布して浸透させることが、人的な
大参事を防ぐうえで不可欠である。



南海トラフ地震などのシミュレーション調査に膨大な国費が投ぜられ、影響調
査と防災対策が検討されているが、こうした大地震対策よりも、より身近で切
実な豪雨による土砂災害に関する調査と情報提供が遅れているのではないか。

広島市では1999年6月に、今回のような崖崩れなどが発生し、20人が死
亡する大災害が発生している。

この災害をきっかけに、土砂災害防止法が2001年に施行されたのだが、そ
の教訓が十分に生かされなかった。

今回の土砂災害で最も大きな被害を受けた広島市安佐南区の2つの地区につい
ては、広島県が9年前に土砂災害警戒区域に指定しようと現地調査を進めなが
ら、調査が白紙に戻されていたことが判明した。

土砂災害警戒区域に指定されていれば、住民の土砂災害に対する日常の警戒心
がまったく違うものであったと考えられる。

大雨の予報や大雨警報の段階で、予防的な非難を実行する住民の数は格段に多
くなったはずである。

土砂災害が発生しても、住民が災害が発生する前に、安全な場所に避難を終了
させていれば、人命が失われる事態を回避することが可能になる。

建造物は修復可能だが、一度失われた命を修復することはできない。

平時におけるリスク管理が極めて重要な意味を持つ。



今回の土砂災害で、被害が大きかった地区のうち、警戒区域に指定されていた
のは広島市安佐北区の1か所だけだった。
?
広島県は、「過去に災害の被害があった地域を優先した結果、警戒区域に指定
する作業が後回しになってしまった」と説明していたが、広島県が記録を調べ
直したところ、今回の土砂災害で最も被害が大きかった安佐南区の八木と緑井
の二つの地区で、2005年度に土砂災害警戒区域の指定に向けた現地調査が
行われていたことが判明した。

土砂災害警戒区域に指定されれば、地下には強い下方圧力がかかる。

土地所有者にとっては保有資産の時価下落の要因になるわけで、警戒区域の指
定を望む者は少ないだろう。

また、住宅建設業者にとっても、土砂災害警戒区域の指定は、営業上の不利益
をもたらすことが多いだろう。

こうした利害関係が、土砂災害警戒区域指定の妨げになっているとすれば問題
である。



台風による被害と異なり、ゲリラ豪雨の場合には、事前に確度の高い情報を提
供することが難しい。

積乱雲は急速に発達し、ゲリラ豪雨に見舞われる地域はごく狭い場所に限られ
る場合も多く、しかも、こうしたゲリラ豪雨が深夜に発生する場合、住民が事
態を正確に知ることも難しく、また、豪雨のなかでの避難も容易ではない。

国や地方自治体は、全国規模で土砂災害のリスクのある地域の特定を急ぐべき
である。

地区指定をすることよりも、住民に対して現実のリスクを正確に伝えることが
重要である。

近年の日本の気候変動の急変を踏まえれば、居住地を定める際に、ゲリラ豪雨
による土砂災害の発生可能性を十分に点検することが必要になる。

基本的に土砂災害のリスクの大きな場所には居住しないことが重要であるが、
やむを得ず、リスクのある地域に居住する場合には、常に大雨に対する情報入
手と早期の避難措置などをいつでも取れる体制を構築することが必要である。

巨大な災害の教訓を今後に確実に生かしてゆく対応が強く求められる。



他方、福島県地方を中心に、福島第一原発の放射能事故に伴う住民への影響が
依然として甚大である。

農林水産業への影響も依然として深刻である。

原発は電源を失えば、いつでも過酷事故を引き起こす。

東電福島第一原発の場合、地震と津波によって原発が電源を喪失した。

その結果、人類史上最悪レベルの放射能事故が発生した。

不幸中の幸いで、原発大爆発を避けることができたが、紙一重の状態だった。

福島原発の現状は、原発が津波ではなく地震で損傷したことを示唆している。

東北地方では一定の周期で巨大な津波が発生してきたことが東北大学、東京大
学、産業技術総合研究所などの調査、研究で明らかにされていた。

この知見をもとに、福島原発の津波対策がまったく不十分であるとの警告が示
されてきた。

ところが、国と東京電力は、この警告を無視して十分な津波対策を講じなかっ
た。

その結果として、過酷事故が発生した。

事故対策を怠った刑事責任は極めて重大である。



5月21日に複地方裁判所の樋口英明裁判長は、関西電力大飯原発について、
運転停止命令を示した。

2008年に4000ガルを超す地震動が岩手宮城内陸地震で観測された。

関西電力は大飯原発の耐震能力を1260ガルとしているが、福井地方裁判所
は1260ガルの耐震基準では不十分であるとして、関西電力に大飯原発停止
を命じたのである。

つい最近、4000ガルの地震動が観測されているのに、原発の耐震基準が1
260ガルであったり、1000ガルであったり、あるいは500ガルという
のは、安全基準にほど遠いというのは、誰にでも分かることである。

こんな単純なことですら、社会的にコンセンサスが作られていないのは、安倍
政権が原発を無理やり再稼働させようとしているからである。

万全の安全対策を講じて、それでも事故が起こるということと、安全対策をま
ともに取らずに、それで重大な事故を引き起こし、国民生活を破壊することの
間には大きな違いがある。

より重要な知見とは、放射能は人間がコントロールし得ないものであることを
認識することである。

日本は広島に原爆を投下され、長崎に原爆を投下され、そして、第五福竜丸に
死の灰を注がれた国である。

その日本が原子力にのめり込んだのは、原子力で金儲けを企む巨大資本が、

「原子力の平和利用」

という「偽計=トリック」を構築したからである。

そして、多くの人々がこのトリックによって「幻想=イリュージョン」を持た
されてしまった。

原発についても「絶対安全神話」が流布されてきたが、原発の「絶対安全」な
ど、電源を喪失しただけで、わずか半日で崩壊する、砂上の楼閣だった。



甚大な土砂災害が発生すれば、弱い地盤の上、山裾の谷沿いに、住居を構える
ことの危険を多くの人が認識するだろう。

このような場所に居住しようとする人は減るだろう。

安倍政権が現在進めている施策は、こうした重大災害が発生したなかで、あえ
て、危険な場所に住宅建設を促進して、人々を住まわせようとするようなもの
である。

地震が起これば取り返しのつかない事態が発生することが分かっていながら、
原発を再稼働させようというのは、未必の故意による殺人行為であると言って
過言でない。



原子力規制委員会の田中俊一委員長が、「安全だと言っていない」と明言する
原発再稼働を国が容認することは、未必の故意による殺人行為であって、許さ
れるものでない。

重大な事故が発生すると、多くの国民が不幸に巻き込まれる。

報道も大参事を大きく取り上げるが、大事なことは、その重大災害、重大事故
の教訓を、今後にどう生かしてゆくのかということである。

地震と津波で、取り返しのつかない重大な放射能事故を引き起こしながら、地
震や津波に対する十分な備えを講じることなく原発を再稼働させることは、ま
さに「狂気の沙汰」と言うより他にない。

メディアは社会の木鐸として、政治権力のこうした暴走を、体を張って阻止す
るべきではないのか。

政府の手先になって、正当性のかけらもない原発再稼働を強引に推移しようと
する権力迎合メディアの行動に、日本の主権者は、怒りと拒絶の行為を示すべ
きだろう。

重大災害、重大事故を、お祭り騒ぎのように大報道だけ展開し、政府の無責任
を糾弾もしない日本の大半のマスメディアは、本当に腐り切っているとしか言
いようがない。
 
 
 
 
 
※有料メルマガ版第942号植草一秀の『知られざる真実』2014年8月22日より「転載」


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    頂きます。

    [ 短足おじさん ]

    2014/8/23(土) 午後 0:15

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    短足おじさん経由でまいりました。

    転載させていただきます。

    *nya〜*

    2014/8/23(土) 午後 1:10

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    短足おじさん、今月の花さん「転載」拡散ありがとうございます。

    roo*6ak*o

    2014/8/23(土) 午後 5:01

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