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「仕方がない」!「やむをえない」!だけでは、政治は動かない、一人でも発言していくことだ!真実 を本音の言葉でずばりと言うブログ!

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                    「植草一秀の『知られざる真実』」

                             2015/04/21

 総督でなく首相なら米国債売却を決断できる
               

                               第1129号

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4月15日、米国財務省が発表した国際資本収支統計で、2月末の米国債保有
高は、日本が1兆2244億ドル(約145兆7000億円)となり、リーマ
ン・ショック直前の2008年8月以来、6年半ぶりにトップになったことが
明らかになった。

メディアは、日本の米国債保有が世界一位に「返り咲いた」などと表現して、
日本にとっての「吉報」であるかのように伝えているが、論評にも堪えない低
質な情報である。

報道は、

「成長鈍化で国内への外貨流入が細り、人民元安の傾向が進む中、以前のよう
な元売り・ドル買いの為替介入がなくなってきていることが要因」

などとするが、これも完全な事実誤認である。

たとえば、人民元円レートを見ると、2011年3月に1人民元=11.7円
だったのが、2014年12月には1人民元=19.8円に、人民元が大幅上
昇している。

中国人にとってみれば、訪日して消費を行う際の購買力が、わずか4年足らず
の間に2倍近くに跳ね上がっている。

この中国人観光客が「爆買い」と呼ばれる消費激増を実行して、消費税増税不
況に苦しむ日本の消費業界を救済していることがよく知られている。

政府の外貨準備高で言えば、中国がダントツ一位の約4兆ドル。

日本は3分の1の1.3兆ドルである。

日本は外貨準備の大半を米国国債で保有している。

中国の外貨準備が約4兆ドルも存在するなかで、米国国債の保有は中国全体で
1.2兆ドルにとどまっている。

中国は外貨準備の保有構成(ポートフォリオ)を多様化しているのである。



日本政府が外貨準備で米国国債を保有している経緯は次の通りである。

2012年まで、円ドルレートは、円高・ドル安傾向で推移した。この過程
で、日本政府は円高の進行を食い止めるという名目の下で、

ドル買い・円売りの為替介入を続けてきた。

日本政府が日銀からお金を借りて、米ドルを買うのである。

具体的な保有は米国国債である。

政府が日銀からお金を借りて米国国債を購入する。

これが、政府による外為市場でのドル買い=円売り介入である。

2007年6月の時点で日本政府は外貨準備を9136億ドル保有していた。

当時の為替レート1ドル=124円で換算して、113兆円のドル資産を保有
していた。

この2007年6月から2012年1月までの4年半の間に、日本政府はさら
に米ドル資産を3931億ドル買い増しした。

政府が米ドル資産を追加購入した際の為替レートは、平均すると1ドル=10
0円程度だった。

つまり、日本政府は約39兆円のお金を注ぎ込んで、3931億ドルの米ドル
資産=米国国債を追加購入したのである。



2007年6月時点で日本政府が保有していた米ドル資産=外貨準備高が91
36億ドル=113兆円で、ここに39兆円の資金を注ぎ込んで、日本政府の
外貨準備高は1兆3067億ドルに膨らんだ。

円資金では113兆円に39兆円を追加投入したから、152兆円の元手がか
かっている。

ところが、2012年1月には、大幅に円高・ドル安が進行していた。

1ドル=75円にまで円高・ドル安が進行したのである。

その結果、1兆3067億ドルに達した、日本政府が保有する米ドル資産の円
換算金額が、なんと98兆円に目減りしたのである。

152兆円の元手で購入した米ドル資産の時価評価額が、なんと、たったの9
8兆円に減少してしまったのだ。

日本政府の米国国債投機で、4年半で53兆円の巨大損失を計上したのであ
る。

このような投機損失など前代未聞である。

民間の投資顧問会社であれば、1000億円の損失を出しただけで大騒ぎであ
る。

それに対して、日本政府の投資損失は、わずか4年半で53兆円。

1000億円の投資損失の、なんと530倍の超巨大損失が生まれたのであ
る。



米国では政府による外国為替介入に対して、厳しい制約と監視がある。

「儲かる介入は良い介入、損する介入は悪い介入」

として、政府の外為介入での損失を議会が許さない。

為替レートが行き過ぎた上昇、下落を示したときに外為介入は行われる。

ドル高が行き過ぎたときにドルを売って日本円を買う。

ドル高の行き過ぎが是正されればドルは下がり、円は上昇する。

この局面で、介入して購入した円を売れば、為替利益を獲得できる。

これが「良い為替介入」である。

日本政府が、値下がりするドルを買い続けて、巨大な為替損失を生み出すこと
など、まさに言語道断。

厳罰に処されなければならない、国民に対する背任行為なのだ。

しかし、日本では、53兆円もの外為損失を計上したにもかかわらず、ただの
一人も責任を問われていない。

その一方で、米国国債保有が世界一などと持ち上げる、馬鹿馬鹿しい報道が展
開されているのである。



2007年6月を起点に考えると、2012年1月に日本政府の損失は53兆
円に膨らんだ。

まさに犯罪的な巨大損失である。

日本政府の損失は、そのまま日本国民の損失になる。

財政事情が厳しく、巨大な増税が必要だとするご時世で、当の財政当局が管理
する外為介入で53兆円の損失を生み出したのだ。

これだけの資金があれば、消費税率の2%引上げを10年間凍結できるのだ。

外為介入で53兆円の損失を計上した財務省に、消費税増税を求める資格など
あるわけがない。



その53兆円の外為損失が、この2年半の円安、ドル高で消滅した。

98兆円に目減りした日本の外貨準備高の円換算金額が、1ドル=120円の
円安で、152兆円に回帰したのである。

53兆円の損失を、全額回収できる千載一遇のチャンスが到来した。

53兆円もの損失を計上していた日本の外貨準備高であるが、いま、保有して
いる米ドル資産を全額売却すれば、その損失を全額回収できるのである。

株式投資したお金が、株価の暴落で大幅に減少してしまったとしよう。

「売るに売れない」安値に下落すれば、ため息しか出て来ないだろう。

その株価があるとき急騰して、買い値の水準に回帰したとしよう。

巨大損失は一掃され、投資元本を回収できるチャンスが到来したとする。

普通の感覚の持ち主なら、ここで保有資産を売却して、元本を回収するだろ
う。

日本政府は1ドル=120円にまでドルが上昇した現局面で、保有米国国債を
全額売却するべきである。

日本の米国国債保有高が世界一になったと喜んでいる場合ではないのである。



英国の経済誌「エコノミスト」が毎年初に公開する「ビッグマック指数」とい
う為替レート評価がある。

マクドナルドのビッグマックを基準にした、購買力を均質にする為替レートを
計算している。

ビッグマックを基準にした為替レートの「購買力平価」が示されているのであ
る。

本年1月発表の「ビッグマック指数」では、円ドルレートの購買力平価は、

1ドル=77.2円である。

つまり、現在の1ドル=120円は、円安が大幅に行き過ぎた水準であるとし
ているのだ。

為替レートはさまざまな要因で変動するから、この指標ひとつで、今後は円高
に回帰すると決めつけることはできない。

しかし、再び円高の方向に回帰する可能性は十分にある。

そうであるなら、円安進行で、ドル資産投資の巨大損失を解消できるいま、保
有している巨大なドル資産を、ドルが高いうちに売却するのが、適正な行動で
ある。

日本政府が保有する米国国債をいま全額売却すれば、53兆円の巨大損失を完
全解消できるのだ。

これが、日本国民の利益を優先する政府の責任ある行動である。



ところが、安倍政権は1.3兆ドルの外貨準備=保有米国国債を売る気配を示
さない。

理由は、米国が米国国債を売るなと命令しているからである。

米国の植民地総督は、米国が

「米国国債を売るな」

と命令するときに、米国国債を売却できないのである。

日本政府が米国国債を購入するということは、日本政府が米国政府にお金を貸
しているということである。

米国国債を売却するということは、日本政府が米国政府から貸したお金を返し
てもらうということである。

ところが、米国政府は安倍晋三氏に、

「米国国債を売るな」

と命令している。

そして、安倍晋三氏は、米国にひれ伏して、

「かしこました。米国国債を売るなどという行動はとりません」

と服従しているのだと思われる。



日本政府が保有している米国国債は、満期が到来してもお金を返してもらえな
い。

満期が来ると、新しく発行した国債に再投資させられるのである。

「こわもての人」が

「金を貸してくれよ。期限が来たら返すから」

と言って、金をせびり、期限が来ると、

「借りたお金は返すけど、また、同じ金額だけ借りておくぜ」

と言って、1円も金を返してくれないのと同じだ。

こうなると、

「お金を貸した」

のではなく、

「お金を取られた」

ということになる。

日米政府間では、130兆円という規模で、この

「カツアゲ」

が行われているのである。

安倍政権が「総督」を止めて「首相」になりたいと思うなら、1.3兆ドルの
米ドル資産を思い切って売却するしかない。

中国が4兆ドルも外貨準備を持ちながら、米国国債に巨大投資をしていないの
は、ドルが値下がりするからである。

中国政府は4兆ドルの外貨準備の有効活用を考えている。

その一環として登場したのがAIIB(アジアインフラ投資銀行)である。

🔣コメント、いかに戦争に負けたからと,70年間も基地があり軍隊が駐留している国が世界広しと
いえ無いであろう。それが日本の現実である。あまりにも情けないのではないか、貸している金を
売れないとはどういうことか、弱いところを握られているからである。政治が弱いのは国民が弱い
からでもある。
 もっと日本人は気骨を持つ必要がある。国民が強い政治を作らなければならないのである。
それには自国は自国で守る体制を整えることからである。


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