ここから本文です
「仕方がない」!「やむをえない」!だけでは、政治は動かない、一人でも発言していくことだ!真実 を本音の言葉でずばりと言うブログ!

書庫全体表示

                 「植草一秀の『知られざる真実』」

                             2015/08/15
 矛盾だらけ安倍政権矛が主権者盾でポキリ

              第1219号

   ウェブで読む:http://foomii.com/00050/2015081513305228114
   EPUBダウンロード:http://foomii.com/00050-28768.epub
────────────────────────────────────
敗戦から70年の時間が経過した。

しかし、8月15日は昭和天皇による「大東亜戦争終結ノ詔書」朗読音声が放
送された(玉音放送)日であって戦争が終結した日ではない。

日本がポツダム宣言を受諾して降伏することを決定したことが公表されただけ
である。

日本が降伏文書に署名したのは9月2日であり、戦争終結は9月2日とするの
が正しい。

敗戦の日は9月2日とするのが正しい。

重要な歴史期日が粉飾されることは望ましいことではない。

敗戦70年に際して、安倍首相が談話を発表した。

閣議決定せず、首相談話として発表することが検討されたが、閣内不一致の批
判を受ける可能性が高いことから、閣議決定する道が選ばれた。

「侵略」、「植民地支配」、「反省」、「おわび」

の言葉が盛り込まれたが、安倍首相の言葉として表出されるものにならなかっ
た。

日本の過去の歴史を直視し、事実を認め、その事実に対する態度を示すもので
なかった。

この意味での談話はすでに20年前に、村山富市首相にが発表している。

村山談話では、日本の過去の行為として

侵略

植民地支配

を認め、

このことについて、

痛切な反省



心からのお詫び

を述べたものである。

この村山談話によって、日本の戦争責任についての言及は総括されたのであ
る。



安倍首相は村山談話を否定するために70年のこの年に談話を発表する意向を
示したのだと考えられる。

村山富市元首相は

「村山談話を継承する」なら、基本的な事項を省くことはおかしいが、安倍氏
は本音では、「侵略」や「反省」、「おわび」を認めたくないという心理を
もっているのではないか」

との疑念を示していた。

ところが、安倍政権が戦争法案を推進するなどの暴走を繰り広げるなかで内閣
支持率が急落し、いよいよ赤信号が灯る20%台に突入する様相が示されてい
る。

安倍首相は当初の意向を撤回さざるを得ないところに追い込まれた。

安倍政権を支えているのは公明党である。

公明党は村山談話を継承する表現を盛り込まなければ談話を了承しない方針を
明示した。

安倍首相は閣議決定ではなく首相個人の談話発表で意向を貫くことを検討した
が、談話発表後に閣内不一致を追及されることは必定である。

公明党の連立離脱という事態さえ想定しなければならなくなる。

それは、安倍政権崩壊を意味することだ。

結局、追い込まれた安倍政権が、村山談話の四つのキーワードをそのまま用い
るところにまで追い込まれたのである。



しかし、安倍談話は四つのキーワードを盛り込んだとはいえ、その言葉は安倍
首相の認識、心を表現するものになっていない。

第三者が心も込めず、状況を記述するだけのもので、まったく意味のない談話
になったと言える。

大山鳴動してネズミ一匹も出ず、ということになった。

安倍談話の最大の問題は、

「二度と戦争の惨禍を繰り返してはならない。

事変、侵略、戦争。いかなる武力の威嚇や行使も、国際紛争を解決する手段と
しては、もう二度と用いてはならない。」

と述べておきながら、国際紛争を解決する手段として武力を行使する集団的自
衛権の行使を容認する戦争法案を推進していることである。

こうした二枚舌、二律背反、言行不一致が、国民の不信感を増幅させているの
である。

敗戦から70年を迎えるいま、日本がまずやるべきことは、戦争推進の戦争法
案を完全廃案に追い込むことである。



戦争法案の推進で安倍政権は急速に衰え始めている。

なぜか。

それは、戦争法案が日本国憲法に反するからである。

正統性のない施策を、力で強引に押し通す。

この姿勢が、政権の自己崩壊を招いているのである。

安倍首相は談話で、

「二度と戦争の惨禍を繰り返してはならない。

事変、侵略、戦争。いかなる武力の威嚇や行使も、国際紛争を解決する手段と
しては、もう二度と用いてはならない」

と述べた。

集団的自衛権の行使とは、日本が他国から直接攻撃を受けていないのに、日本
と密接な関係にある国が外国から攻撃を受けたときに、日本が武力を行使する
ことを意味する。

日本国憲法第9条は、

「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決
する手段としては、永久にこれを放棄する」

と定めている。

この規定によって、日本の集団的自衛権行使は禁止されているのである。



集団的自衛権の行使について、日本政府は1972年に公式見解を明示した。

その政府見解のなかで、

「わが憲法の下で武カ行使を行うことが許されるのは、わが国に対する急迫、
不正の侵害に対処する場合に限られるのであって、したがって、他国に加えら
れた武力攻撃を阻止することをその内容とするいわゆる集団的自衛権の行使
は、憲法上許されないといわざるを得ない」

と明記した。

「いわゆる集団的自衛権の行使は、憲法上許されない」

とはっきり明記したのである。

安倍晋三自民党は、驚くことに、この1972年政府見解を根拠に集団的自衛
権行使容認を主張しているが、詭弁そのものである。



自民党副総裁の役職にある高村正彦氏は、1999年2月9日の衆議院安全保
障委員会において、外務大臣として次の答弁を示している。

「国際法上、国家は個別的自衛権に加えて集団的自衛権、すなわち、自国と密
接な関係にある外国に対する武力攻撃を自国が直接攻撃されていないにもかか
わらず実力をもって阻止する権利を有しているものとされています。

我が国が国際法上このような集団的自衛権を有していることは主権国家である
以上当然であり、日米安保条約前文も、日米両国がこのような集団的自衛の固
有の権利を有していることを確認しているところであります。

しかしながら、憲法第九条のもとにおいて許容されている自衛権の行使は我が
国を防衛するため必要最小限度の範囲にとどまるべきものであると解してお
り、集団的自衛権を行使することはその範囲を超えるものであって、我が国の
憲法上許されない、こう考えております。」

「主権国家でありますから、国際法上主権国家に当然認められている自衛権、
これは個別的自衛権だけじゃなくて集団的自衛権も有しますが、日本国国民自
身がみずからの憲法をつくって、それは行使しないと、その集団的自衛権の方
は行使しないと決めたわけでありますから、当然日本国政府はそれに縛られ
る、こういうことだと思います」



いま問題になっている集団的自衛権の行使について、高村氏自身が、明確に、
誤解の生じる余地もなく、はっきりと明言している。

その主張は、1972年の政府見解を踏襲するものである。

日本国憲法の解釈として、

1.日本は主権国家として、個別的および集団的自衛権を有している

2.しかしながら、自衛権発動については、憲法上の制約が課せられている。

3.自衛権の行使は、

  (1)外国の武力攻撃によって国民の生命、自由及び幸福追求の擁利が根
底からくつがえされるという急迫、不正の事態(に限り)、

(2)国民のこれらの擁利を守るための止むを得ない措置として、はじめて容
認され、

(3)その措置は、右の事態を排除するためとられるべき必要最小限度の範囲
にとどまるべきもの

4.わが憲法の下で武カ行使を行うことが許されるのは、わが国に対する急
迫、不正の侵害に対処する場合に限られるのであって、したがって、他国に加
えられた武力攻撃を阻止することをその内容とするいわゆる集団的自衛権の行
使は、憲法上許されない

というものが明示され、長い年月を経過して、憲法解釈として確立されてい
る。

この憲法解釈を維持することが、

「法の安定性を重視する」

行動なのだ。



安倍首相が、安全保障環境の変化を認識し、日本の集団的自衛権行使を容認す
るべきであると考えるなら、堂々と憲法改定の提案をすればよいのである。

そして、その主張に賛同する主権者の拡大を目指す。

この道を辿るなら、政権が崩壊するという事態には追い込まれないはずだ。

現に、安倍首相は当初、憲法改定を提案していた。

ところが、憲法改定が容易でないことが分かると、手順を変えて、憲法解釈変
更で集団的自衛権行使容認に突き進んだのだ。

ここに安倍首相の浅薄さ、弱さがある。

国会の参考人質疑で自民党推薦の憲法学者が、安保法制が憲法違反であること
を指摘して、問題が一気に顕在化した。

その結果が、いまの状況なのだ。



さらに、談話で

「二度と戦争の惨禍を繰り返してはならない。

事変、侵略、戦争。いかなる武力の威嚇や行使も、国際紛争を解決する手段と
しては、もう二度と用いてはならない」

と明言しながら、いまの通常国会で、

「国際紛争を解決する手段として武力の威嚇や行使を用いる」

集団的自衛権行使を容認する戦争法案

を推進しているのだから、主権者の支持が急落するのは当然のことだ。

敗戦から70年。

不戦の誓いを新たにする主権者は、まずは目の前にある戦争法案を葬ることに
力を注がねばならない。
 
 
 
 
https://news.blogmura.com/ ←にほんブログ村 政治ブログ
_(._.)_(^_-)-☆にクリックよろしく、お願いします。
 
 
 
 
 




本文はここまでですこのページの先頭へ
みんなの更新記事