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「仕方がない」!「やむをえない」!だけでは、政治は動かない、一人でも発言していくことだ!真実 を本音の言葉でずばりと言うブログ!

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                     「植草一秀の『知られざる真実』」

                             2016/02/03


 2016年米国大統領選挙のゆくえ

               第1357号

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プロ野球のスーパースターの一人であった清原和博氏が覚せい剤取締法違反
(所持)の疑いで逮捕されたと報じられている。

有名人の麻薬犯罪事案はメディアの報道時間、スペースを占拠する。

2009年夏の酒井法子氏の麻薬事件、

2014年5月のチャゲ&飛鳥の飛鳥こと宮崎重明氏の麻薬事件、

そして、今般の清原和博氏の事案。

当局は内定で実情を掴んでいる。

事案を表面化させるタイミングを選ぶことができる。

2009年は8月30日に衆議院総選挙が実施されて政権交代が実現した。

鳩山由紀夫政権が誕生した局面である。

「政権交代」に人々の関心が集中しないように麻薬事案を表面化させて、メ
ディアジャックを図ったものと推察される。

2014年は7月1日に安倍晋三政権が集団的自衛権行使容認の閣議決定を
行った。

この閣議決定に向けて、その是非が十分論議される必要があった。

こうした事情が背景にあり、やはりメディアジャックするために事案が表面化
されたものであると推察される。

今回の公表タイミングは、甘利明氏および秘書のあっせん利得処罰法違反容疑
について、国会で論戦が繰り広げられるタイミングである。

この問題に焦点が当たらぬよう、メディアジャックを図ったものと推察され
る。

「麻薬事案表面化の影に政治の暗部が潜む」

ことを忘れてはならない。



米国大統領選がアイオワ州の党員集会で本格始動した。

米大統領選の緒戦となるアイオワ州、ニューハンプシャー州の戦いは、大統領
選に強い影響を与える。

8年前の大統領選では、民主党候補指名レースのトップを走っていたヒラリー
・クリントン氏がアイオワ州でバラク・オバマ氏に敗北して、その後、指名
レースに敗北した。

オバマ氏はアイオワで敗北すればレースからの撤退の意向を有していたという
が、アイオワで勝利して、その後の大統領当選への道を切り拓いた。

アイオワ州の結果がその後の指名レースに直結するわけではないが、アイオワ
州の結果がその後の大統領候補指名レースに大きな影響を与えることは事実で
ある。

今回の結果から、重要な方向が見えてきたことは間違いない。



民主党では、ヒラリー・クリントン氏が僅差で勝利を収めた。

終盤で急追したバニー・サンダース候補が僅差で次点に泣いた。

得票率はクリントン氏が49.8%

サンダース氏が49.6%

だった。

サンダース氏は僅差で敗れたが、投票人獲得は比例按分であるので、ほとんど
差がついていない。

新たなサプライズは、サンダースがクリントン氏に肉薄したことである。

サンダース氏は民主社会主義を掲げている。

冷戦時代以降、米国では社会主義に対する反発が強かった。

その米国で、民主社会主義を掲げる候補者が台頭していることが重大な変化で
ある。

背景には、米国における格差問題の拡大、そして、エリート主義、反エスタブ
リッシュメントの旋風がある。

1%の超富裕層と99%の下流国民。

格差拡大、中間層の消滅が米国でも深刻な社会問題になっている。

クリントン氏が勢いを弱め、サンダースが急速に台頭している背景に、米国国
民の格差問題への強い不満が存在する。

とりわけ、若年層は圧倒的にサンダースを支持している。

サンダースが僅差でもアイオワ州で勝利していれば、図式大転換の可能性が急
浮上したところである。

僅差でクリントン氏が勝利したため、クリントン陣営は指名獲得に向けてひと
つの地歩を固めたと判断していると見られる。

2月9日のニューハンプシャーの予備選ではサンダース候補の優勢が伝えられ
ている。

2月27日のサウスカロライナ州以降はクリントン氏が盛り返すと見られる
が、民主党候補者氏名では、サンダース旋風が大きな焦点になる様相が強まっ
ている。

共和党ではテッド・クルーズ氏がドナルド・トランプ氏優勢の事前予想を覆し
て勝利した。

テッド・クルーズ氏はティー・パーティー派、キリスト教福音派の支持を受け
て勝利し、一躍脚光を浴びる存在になった。

しかし、共和党の結果において、とりわけ注目されるのは、マルコ・ルビオ氏
が23.1%の得票率で3位に食い込んだことである。



第2次大戦後の米国大統領選で、同一政党が3連勝したのは1988年にレー
ガン政権2期の後、ブッシュ父が勝ったケースだけである。

米国大統領は共和、民主が頻繁に後退する歴史を刻んでいる。

2016年の大統領選で民主党候補が勝利すると、1988年以来のことにな
る。

1980年代は規制緩和の時代だった。

レーガン・中曽根・サッチャー

の言葉も使われた。

保守主義、規制緩和論、市場原理万能主義が急激に台頭したのが1980年代
だった。

オバマ大統領が誕生した2008年以来、新自由主義、市場原理万能主義、格
差拡大に対する批判が強まっている。

このなかで、民主党大統領が2期続いたことは順当であるとも言える。

市場原理万能主義は言い方を変えると、反ウォールストリート、反エスタブ
リッシュメント、ということにもなる。

リーマンショックが発生した2008年以降に、この風潮が強まってきたのは
当然のことでもある。



しかしながら、2014年の米国中間選挙の結果、米国議会では共和党が上下
両院の過半数を制している。

民主党のオバマ政権の下でも、格差問題が解消しなかったことに対する不満、
不信も強まっているのだ。

このことを踏まえると、2016年大統領選で共和党大統領が誕生しても不自
然ではない。

2016年の大統領選は波乱含み、混沌とした接戦になる可能性が高まってい
る。



反エスタブリッシュメント、反格差の旋風が強まることは、バーニー・サン
ダース候補に有利に働くことになる。

現時点では、全米で優位に立っているのはヒラリー・クリントン候補である
が、若年層を中心にサンダース支持の傾向が強く、8年前にオバマ氏が若年層
の支持を背景に大統領候補に躍り出たことと重なる部分がある。

まずは、ニューハンプシャーで、サンダース候補がどこまで支持を広げるのか
が注目される。

共和党では、トランプ候補がアイオワ州でテッド・クルーズ候補に敗北した。

テッド・クルーズ候補は、アイオワ州で勝利したことを受けて、

「アイオワは次期大統領がメディアやワシントンの支配階級によって選ばれな
いことを知らしめた」

と述べた。

反エスタブリッシュメントの旋風は、共和党支持者の間でも吹き荒れているの
である。



しかし、そのテッド・クルーズ氏自身が正真正銘のエスタブリッシュメントで
ある。

テッド・クルーズ氏はプリンストン大学在学中にディベートで全米チャンピオ
ンになった経歴を有する。

プリンストン大学卒業後はハーバード・ロー・スクールに進学し、ハーバード
・ロー・レビューの編集者を務めた経歴も有する。

また、テッド・クルーズ氏の妻は、ウォールストリートの代表企業であるゴー
ルドマン・サックスの投資マネージャーを務めている。

テッド・クルーズ氏自身がワシントンの支配階級に極めて近い存在なのであ
る。

テッド・クルーズ氏は共和党保守派およびティーパーティー派の支持を集めて
いるが、共和党穏健派の支持を集めていない。

大統領選の共和党候補者に指名されても、共和党支持者の投票を集中させるこ
とができるか、疑義がある。



共和党主流派が注目するのがマルコ・ルビオ氏である。

テッド・クルーズ氏と同じく、11月の大統領選を45歳で迎えるキューバか
らの移民の系譜を持つ候補者だ。

フロリダ州の上院議員を務めている。

フロリダ州ではブッシュ大統領の弟にあたる元フロリダ州知事のジェブ・ブッ
シュ氏が大統領選に名乗りを挙げているため、共和党中道派の支持がルビオ氏
とブッシュ氏に分散している。

ブッシュ氏が大統領選から撤退するとルビオ氏への支持が上昇することが予想
される。

共和党大統領候補が大統領本選で勝利するには、共和党支持者の投票をまんべ
んなく集めることが必要であり、この意味で、共和党主流派はルビオ氏への支
持一本化を目指すことになるだろう。



民主党ではクリントン氏とサンダース氏が今後の選挙戦をどのように展開する
のかが注目される。

全米規模では依然としてクリントン氏が優位にあるが、反エスタブリッシュメ
ント旋風が強まり、若年層を中心にサンダース支持が強まると、情勢が逆転す
ることも考えられる。

共和党では共和党中道穏健勢力がルビオ氏に支持を一本化すると、ルビオ氏が
浮上する可能性が高いのではないか。

本選挙での結果は、もちろん現段階で見通せないが、かなりの接戦にもつれ込
む可能性が高い。



市場原理万能主義、格差大国の米国において、

反格差、反ウォールストリート、反エスタブリッシュメントの旋風が強まりつ
つあることは注目に値する。

この旋風を日本の2016年選挙にも巻き起こす必要がある。




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