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                    「植草一秀の『知られざる真実』」

                             2016/02/29

 アベノミクス失敗と求められる政策対応

               第1376号

   ウェブで読む:http://foomii.com/00050/2016022921371131813
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中国の上海で2月26‐17日、G20財務相・中央銀行総裁会議が開催され
た。

27日に発表された声明には、

均衡の取れた成長や市場の安定などG20の経済目標の達成に向けて

「個別および集団的に、金融、財政、構造上のあらゆる政策手段を活用する」

と明記された。

金融、財政、構造上の政策手段を総動員する

方針が明記されたのである。

しかしながら、具体策は明記されなかった。

総論賛成だが、各論は明示できなかったのが実態である。

G20会合を受けた週明けの東京市場では、日経平均株価が寄り付き後、25
0年高まで上昇したが、大引けは161円安と沈んだ。

G20での合意に切実感がないことが影響したと考えられる。

『金利・為替・株価特報』2016年2月29日号

http://www.uekusa-tri.co.jp/report/index.html

タイトルは、

「アベノミクス失政明白で政策は抜本修正へ」

である。

アベノミクスは

金融緩和、財政出動、成長戦略、の三つを提示したものである。

そのアベノミクスの失敗が明らかになり、政策の抜本転換が強く求められてい
るのである。



アベノミクスという固有名詞が使われているが、その内容は目新しいものでは
ない。

マクロ経済政策において、

財政金融政策の同時発動

を示しただけなのである。

成長戦略は、大資本の利益拡大を追求するものだが、短期的に大きな変化を引
き起こすものではない。

したがって、中短期の日本経済に影響を与えるのは財政・金融のマクロ経済政
策であり、この点に関してアベノミクスは当初、金融緩和・財政出動のポリ
シーミックスを示していた。

金融緩和政策はインフレ誘導を目指すものであったが、結局、インフレ誘導は
成功しなかった。

日本の消費者物価上昇率は現在、前年同月比ゼロの水準で推移している。

「インフレ誘導は可能である」

と主張した論者は、現実のデータの前に、敗北を認めるほかはない。

日銀副総裁の岩田規久男氏は、2年度に公約を実現できなければ、辞任して責
任を明らかにすると国会で明言したのだから、まずは、職を辞してけじめをつ
けるべきである。



インフレ誘導派は量的金融緩和政策によってインフレ率を上昇させることが可
能であると主張した。

しかし、短期金融市場残高をいくら積上げたところで、金融機関の与信活動が
活発化しなければマネーストック=マネーサプライは増加しない。

マネーストックの増加なくして、インフレ率の上昇は生じないのである。

黒田東彦氏が1月29日に、突然のマイナス金利導入を打ち出した最大の理由
は、量的金融緩和政策ではインフレ誘導ができないことを認識したことにあ
る。

日銀執行部は確約した公約を実現できず、その責任を明らかにする前に、イン
フレ誘導に向けての手段を変えた。

こうした責任回避、無責任体質が日銀に対する信認をさらに低下させることに
なる。

しかし、あまりにも準備不足であった。

日銀政策決定会合での評決では、5対4の僅差でのマイナス金利導入決定に
なったが、賛成票5票は、安倍政権が起用した政策決定会合メンバーだけだっ
た。

安倍政権発足以前に起用されたメンバーは全員が反対票を投じた。

政策論議が十分に行われず、「数の力」で決定を押し通す姿勢は、日銀の政策
決定プロセスとして大きな問題を残すものになった。

政策論議の的がずれているのだ。

いま必要なことは、財政政策の路線転換である。

超緊縮の財政政策が日本経済の悪化を加速させている。

この本質に気付かず、この本質を是正する措置が必要であるのに、そこに対処
しない。

これが今回G20会合における日本政府の対応のまずさである。

機動的、積極的な対応が求められているが、安倍政権の対応は遅すぎる。



今回のG20会合では、財政政策の重要性が明記された。

日本の財政当局は抵抗したと見られるが、この表現が盛り込まれた。

この意味は大きい。

日本の経済政策は

金融政策依存症

の状況を示している。

2013年に日本経済が不況から脱出することに成功できたのは、2013年
は財政金融政策を総動員したからである。

2014年に日本経済は消費税大増税によって大不況に陥ったが、2015年
に崩落せずに済んだのは、2015年10月の消費税再増税を延期したからで
ある。

そこに原油価格急落という、日本経済にとっては外から減税がプレゼントされ
た事態が発生し、株価も2万円を突破した。

しかし、財政政策が2016年度は超緊縮に戻る。

さらに、2017年4月には消費税再増税が計画されている。

このまま進めば、日本経済は底割れしてしまう。



つまり、財政政策スタンスの転換が必要な局面なのである。

そのことが、G20会合でも話題に上ったのである。

日銀が泥縄でマイナス金利を導入したが、為替市場における円安誘導は実現し
ていない。

それどころか、G7では、各国の自国通貨切下げ政策が牽制された。

つまり、金融政策での対応が限界に直面していることが、改めて確認されたの
である。

このなかで、世界経済の失速を防ぐには、財政政策を活用するしかない。

日本の場合、財政政策を活用するというよりも、現在の超緊縮の財政政策スタ
ンスを修正することが先決なのである。



安倍政権は今年の政局スケジュールを計算していると思われる。

7月10日の投開票日が有力視される参議院議員通常選挙。

ここに照準を合わせていると考えられる。

5月26、27日には伊勢志摩サミットがある。

4、5、6月にかけて、政策演出を集中させることが目論まれているのだろ
う。

予算審議中に追加経済政策策定を表明すれば、予算の組み替えを要求される。

そのような事情で、政策対応に遅滞が生じているのだと思われる。



しかし、こうした打算に基づく経済政策運営は邪道である。

政策が有効性を高めるためには、市場の機先を制することが重要なのである。

政策変化が市場に織り込まれてしまうと、せっかくの政策発動も効果が大きく
減殺されてしまう。

早め早めの対応が政策効果をより大きくするのである。



重要なことは、政策当局が何を目指すのかを市場に十分に理解されることであ
る。

世界経済はいま非常に重要な分岐点にある。

中国経済が減速し、原油価格が急落。

中国、ロシア、ブラジル、南アフリカなどの新興国経済が極めて厳しい状況に
直面している。

これらの新興国での金融危機発生は世界に連鎖する可能性を有する。

新興国発の金融危機を世界に連鎖させないためには、世界経済の底上げが必要
になる。

日本と中国の財政政策の対応がカギを握る。

しかし、日本の対応が遅い。

アベノミクスはすでに支離滅裂な状況に陥っている。

第三の矢とされる成長戦略も大資本の利益増大を追求するもので、それが同時
に労働者の所得減少=消費減退をもたらしている。

アベノミクスの失敗を認めた上で、政策の全面的な刷新が必要になっている。

そして、機動的、機先を制する対応が重要であることを認識する必要がある。





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