ここから本文です
「仕方がない」!「やむをえない」!だけでは、政治は動かない、一人でも発言していくことだ!真実 を本音の言葉でずばりと言うブログ!

書庫全体表示



                                   
                        
                  「植草一秀の『知られざる真実』」

                                    2019/03/10

    フクシマ事故再発に向かう安倍内閣を許さない

             第2278号

   ウェブで読む:https://foomii.com/00050/2019031012250252763
────────────────────────────────────
イギリスの哲学者エドマンド・バークは

「歴史から学ばぬ者は歴史を繰り返す」

の言葉を遺し、

ドイツの思想家カール・マルクスは

「歴史は二度繰り返す。最初は悲劇として、二度目は喜劇として」

の言葉を遺した。

東京電力福島第一原子力発電所の過酷事故発生から丸8年の時間が経過する。

この事故は、原子力発電所は制御不能である現実を私たちに突き付けた。

日本は地震大国である。

原発には耐震性能が備えられているが、原発が備える耐震性能を上回る地震の
揺れが原発を襲う。

この揺れに原発は耐えられない。

ひとたび事故を引き起こせば、滅亡の危機が広がる。

福島原発事故は偶然によって東日本全体の滅亡をもたらさなかったが、そのリ
スクは十分に存在した。

偶然の結果として被害は限定されたが、それでも事態は収束していない。

被害は放置され、健康被害はいまなお広がっている。

放置された放射性物質の処理は一向に進まず、汚染された冷却水は今後、さら
に大量に太平洋に垂れ流されることになる。



東京電力幹部の刑事責任を問う裁判が行われているが、日本が適正な法治国家
であるなら、幹部の責任追及は免れない。

しかし、警察・検察当局は、いまなお強制捜査を実施していない。

日本の刑事司法が政治権力によって不当支配されているからだ。

安倍内閣は原発の安全性が確認されていないにもかかわらず、全国の原発の再
稼働を推進している。

狂気の行動と言うほかない。

安倍内閣は原発が原子力規制委員会の定める規制基準を満たすことをもって原
発再稼働を推進しているが、言語道断の対応だ。

原子力規制委員会は規制基準を定めて、原発が基準を満たしているかどうかを
審査する。

しかし、原子力規制委員会は基準をクリアすることが、

「原発が安全であること」

を意味しないことを明言している。

原子力規制委員会は規制を定めて原発が基準を満たしているかどうかを審査し
ているだけである。

2014年4月11日、安倍内閣は「エネルギー基本計画」を閣議決定した。

エネルギー基本計画で安倍内閣は、原子力発電を「ベースロード電源」と位置
付けた。

原子力発電を、「発電」、「運転」、「コスト」が低廉で、安定的に発電する
ことができ、昼夜を問わず継続的に稼働できる電源として「ベースロード電
源」としたのである。



最大の焦点は地震への備えである。

福島原発では、産業技術総合研究所が、再三にわたって福島原発の津波対策の
不備を指摘してきた。

国と東電はこの警告を無視して津波対策を講じなかった。

これが、悲劇の原発事故を生み出す一因になったことは間違いない。

裁判ではこの点が審理される。

原発で「備え」をおろそかにしたことは犯罪行為であったと言える。

現時点での最大の問題は、発生し得る地震の揺れに耐え得る耐震性能を保持し
ないまま、安倍内閣が原発稼働を全面推進していることだ。

地震が原因で日本を破滅させかねない重大事故を引き起こした現実がありなが
ら、その地震に耐える構造を保持しない原発を稼働させる判断はあり得ない。

日本では、2008年6月14日に発生した宮城岩手内陸地震で、4022ガ
ルの地震動を観測している。

この点を踏まえて、福井地裁の樋口英明裁判長は2014年5月に大飯原発
3、4号機の運転差し止めを命令した。

判決文で樋口裁判長は、「極めて多数の人の生存そのものに関わる権利と電気
代の高い低いの問題とを並べた議論の当否を判断すること自体、法的には許さ
れない」と述べた。

樋口裁判長は、

「基準地震動を超える地震が到来すれば、施設が破損するおそれがあり、その
場合、事態の把握の困難性や時間的な制約の下、収束を図るには多くの困難が
伴い、炉心損傷に至る危険が認められる」

と指摘している。

しかし、日本ではこうした正論を政治権力が排除する。

フクシマの悲劇が喜劇として繰り返される日は遠くないだろう。



2008年6月に4022ガルの地震動が観測されている。

この地震は内陸地殻内地震であり、日本中のどこでも、いつ発生してもおかし
くない地震動である。

原子力規制委員会が定めた新規制基準のなかに、原発の耐震性能に関する基準
が設定されているが、

「全国で20カ所にも満たない原発のうち四つの原発に5回にわたり想定した
地震動を超える地震が2005年以後10年足らずの間に到来している」

ことが指摘された。

原発の耐震性能は、少なくとも4022ガルを上回るものでなければならな
い。

ところが、関西電力大飯原発の耐震性能は関西電力説明で1260ガルであ
る。

このことから、樋口裁判長は福井地方裁判所が2014年5月に、大飯原発運
転差し止め命令を出した。

順当な判断である。



2008年6月14日に発生した宮城岩手内陸地震で、4022ガルの揺れが
観測された。

したがって、少なくとも、日本で稼働を計画している原発施設の耐震性能は、
この4022ガルを上回る必要がある。

2014年5月21日、福井地方裁判所の樋口英明裁判長は、大飯原発運転差
止請求事件について、運転差止命令を示した。

樋口裁判長は命令で次のように指摘した。

1.我が国において記録された既往最大の震度は岩手宮城内陸地震における4
022ガルであり、1260ガルという数値はこれをはるかに下回るものであ
ること

2.岩手宮城内陸地震は大飯でも発生する可能性があるとされる内陸地殻内地
震であること

3.この地震が起きた東北地方と大飯原発の位置する北陸地方ないし隣接する
近畿地方とでは地震の発生頻度において有意的な違いは認められず、若狭地方
の既知の活断層に限っても陸海を問わず多数存在すること

4.この既往最大という概念自体が、有史以来世界最大というものではなく近
時の我が国において最大というものにすぎないことからすると、1260ガル
を超える地震は、大飯原発に到来する危険がある。



地震大国日本では、4022ガルの揺れが発生する可能性は、日本のすべての
原発にある !

したがって、少なくとも、すべての原発の耐震性能は、4022ガルを上回る
必要があるということになる。

もちろん、この基準を満たせば、原発を稼働して良いということではない。

原発の安全性は確保しようがなく、原発の存在そのものが否定される必要があ
るのだが、現実には電力会社と安倍政権が原発稼働を強引に推進しているた
め、まずは、この勢力を撃破するロジックが必要であり、もっとも分かり易い
根拠として耐震性能基準が提示されたのだ。

樋口英明裁判長が、このことを明示したのも、この理由によると思われる。

ところが、日本の原発の耐震性能基準は、500〜1000ガルの水準にしか
設定されていない。

唯一の例外は、東京電力柏崎刈羽原発である。

その理由は2007年7月16日に発生した新潟県中越沖地震によって、東電
柏崎刈羽原発3号機タービン建屋内で2058ガルの揺れが観測されてしまっ
たことにある。

実際に、2000ガルを超える揺れが観測されてしまったから、柏崎刈羽原発
の耐震性能基準だけが引き上げられたが、他の原発は、「まだ強い揺れが観測
されていない」という理由だけで、放置されているのだ。



原発は活断層の真上に立地してはならないことになっている。

石川県能登半島に立地する北陸電力志賀原子力発電所直下に活断層が存在する
疑いがあり、志賀原発の再稼働が認められていない。

しかし、活断層の存在は事前に明らかになっていないことが多い。

直下型の地震が発生して初めて活断層の存在が確認されることが多いのだ。

2016年4月に発生した熊本県益城町を震源とする地震でも約1500ガル
の揺れが確認されている。

福島事故のあと原発の耐震性能基準が引き上げられたが、引き上げられた基準
値のほとんどは500ガルから1000ガルに過ぎない。

日本で最近発生した地震の揺れに対する耐震性能をも満たさない耐震性能基準
で原発の稼働を認めることが「狂気の行動」であることは、誰にでも理解でき
ることだ。

安倍内閣の原発稼働方針を撤回させるべきである。

フクシマの教訓がありながら、フクシマ事故を再発させるリスクを冒す政権を
存続させるわけにはいかない。
                           

『政治』 ジャンルのランキング

  • 顔アイコン

    安倍の「全電源喪失はありえない」が齎した福島の拭いきれない悲惨、友達作戦で救援に来てくれたアメリカの部隊から23人も癌が発症しているとのこと、でも通常の発症頻度と変わらないとか抜かすのだろう、福島の収拾に80兆もニッポンが一年すっ飛んでしまうほどお金も掛かり気の遠くなるような年月がこの悲惨の収拾にかかる、これほどの惨い惨状にも安倍はノウノウと首相ゴッコに興じている、コイツを豚箱へ。放射能この目に見えぬ恐ろしき兇器。

    [ sun*ife**sto*e ]

    2019/3/10(日) 午後 4:27

  • 顔アイコン

    > sun*ife**sto*eさん,のように今や全国民の80%以上が安倍に怒りを抱いているが。、NHKはじめ大手新聞,
    テレビは批判報道一つとしないので、安倍は救われている。アメリカと日本のNHKはじめ大手新聞、テレビに守られている安倍政権である。

    roo*6ak*o

    2019/3/10(日) 午後 5:32

開くトラックバック(1)

本文はここまでですこのページの先頭へ
みんなの更新記事