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                 「 「 植草一秀の『知られざる真実』」
                                    2019/05/20
   財務省の消費税増税路線が根本的な間違い
             第2335号
   ウェブで読む:https://foomii.com/00050/2019052021300054686 ──────────────────────────────────── 5月20日午前8時50分に発表された2019年1−3月期GDP速報値で は前期比年率の実質GDP成長率が+2.1%になった。
市場予想を上回った。
この数値発表で今後の政策運営が不透明になったように見る向きがあるが、大 きな流れに変化は生じない可能性が高い。
5月13日付ブログ記事 「景気動向指数が「景気後退の可能性が高い」点灯」 https://bit.ly/2PXq3aA
に次のように記述した。
「5月20日には1−3月期のGDP統計が発表される。
これも日本経済の悪化を裏付ける数値になる可能性が高い。
ただし、過去には各種関連指標から推計される数値とは異なる数値が発表され たことがある。
財務省は経済関連省庁に強い縄張りを有しているから、森友公文書改ざんのよ うな違法行為に手を染めることがある。
このことによる統計数値改ざんの疑惑は払拭できないから、この点には留意が 必要だ。」
財務省が何らかの工作を行ったのかどうか確証はないが、公文書を平然と改ざ んする役所であるから、どのような不正が行われているのかは計り知れない部 分がある。
今回の統計でマイナス数値が発表されれば消費税増税延期は確定的になる。
財務省としては「目的のためには手段を問わない」対応を示す動機があるとは 言える。

統計内容を見ると、プラス成長をもたらした主因は外需にある。
実質GDPの前期比成長率0.5%のうち、外需の寄与が0.4%ポイントを 占めた。
内需の寄与は0.1%だった。
景気の基調を判断する上で最重要になるのが個人消費の動向だが、民間最終消 費支出は前期比−0.1%を記録した。
直近5四半期のうち、民間最終消費支出がプラスになったのは2四半期、残り の3四半期はマイナスを記録した。
景気の基調を定める個人消費支出が極めて停滞している。
本年1−3月期は輸入が大幅に減少して、外需が成長にプラス寄与したが、今 後は外需の成長への寄与は期待しがたい。
為替市場では昨年10月を転換点に、日本円が円安傾向から円高傾向に潮流変 化を示している。
米国の金融政策が金融引き締め強化から金融引き締め中止に政策の基本路線を 転換しており、これを背景に米国長期金利が低下トレンドに移行したと考えら れる。
また、トランプ大統領は対日通商交渉=米日FTA協議で日本に対する要求を 強めてくる可能性が高い。
米中協議が難航しているが、米国はこの交渉のなかに「為替条項」を盛り込む ことを強く求めている。
人民元の切り下げ措置を禁止する条項だ。
この要求を日本に対しても示す可能性が高い。

これらの要因によって為替市場の基調が円安から円高に転換すると、短期的に は日本経済に下方圧力がかかることになる。
5月13日に発表された景気動向指数で景気の基調判断が6年2ヵ月ぶりに 「悪化」に変更された。
鉱工業生産指数を見ても、日本経済が昨年10月を転換点にして、新たな景気 後退局面に移行した可能性は高まっている。
GDP統計は見かけ上プラス数値を示したが、実態としての日本経済の基調は 極めて弱い。
成長率数値も第2次速報、確報の段階で下方修正される可能性もある。
2018年度の実質GDP成長率は+0.6%になった。
日本経済が極めて低調な状況にあることを示している。
財務省は強く抵抗すると思われるが、安倍内閣としては増税強行を選択しがた い状況である。
このまま安倍内閣が増税強行路線を走って参院選に突入するなら、安倍自公は 参院選で大敗することになる。
秋に消費税率10%を実行した後に衆院解散・総選挙を実施すれば、衆院選で も大敗することになるだろう。
その結果として安倍内閣が終焉するなら、その面では望ましい結果がもたらさ れることになるが、国民経済的には非常に代償が大きくなる。
まさに「毒をもって毒が制される」ことになる。
望ましいのは、安倍内閣が消費税増税を中止して衆参ダブル選に臨み、それに もかかわらず安倍自公維勢力がダブル選で大敗することである。
この方向に事態が進行することを期待する。

当面の焦点は安倍内閣と財務省のバトルである。
財務省にとっての至上命題は
消費税増税
社会保障支出削減
利権支出拡大
である。
この三つが財務省の利益を増大させる施策である。
同時にこの施策は主権者の不利益を増大させる施策でもある。
財務省職員の省内における評価の基準は財務省の利益への貢献度である。
これはどの省庁でも基本的に変わらない。
主権者の利益ではなく、省庁の利益が優先される。

省庁の利益とは権限と天下り利権の拡大である。
天下り利権の提供者は巨大資本である。
したがって、財務省は巨大資本を優遇し、その裏側の対応として一般庶民を冷 遇する。
消費税増税の歴史は、消費税で確保した財源を、法人税と富裕層所得税の減税 に充当してきたというものだ。
法人税と富裕者所得税を軽減することと財務省の天下り利権確保が取引される 関係にある。
庶民の税負担を軽減しても財務省の利益にはならない。
また、社会保障支出を拡充しても財務省の利益にはならない。
財務省の権限である裁量的な予算配分の原資が減ってしまうことから、財務省 は徹底的に社会保障支出を切ろうとする。

財務省の権限の源泉は税財源であり、法人税減税、所得税減税で税財源が減少 する分を消費税で補わなければならない。
消費税の負担は一般庶民に押し付けるもので、この一般庶民の負担を引き上げ ても、財務省の利益は損なわれないのだ。
財務省が天下国家のために行動しているというのは一種の都市伝説に過ぎな い。
財務省はただひたすら、財務省職員一族の利益極大化を目指しているだけなの だ。
消費税増税を実現するには、庶民を洗脳しなければならない。
そのために、消費税が必要である虚偽の理由が流布されている。
代表的なものは、
1.日本財政が危機に直面していること
2.社会保障財政が崩壊すること
である。
これをメディアに流布させて、情報の乏しい一般庶民を洗脳してしまう。
これが財務省のやり口である。

5月20日付の日本経済新聞Opinion欄=「核心」に上級論説委員の大林尚氏 による
「令和財政 大戦時より深刻」
と題する記事が掲載された。
大林氏とは30年近くも前に面識がある。
社内で重要なポジションを占められているが、記事は財務省の意向を受けたも のでしかない。
「大戦時より深刻」というのは、単に政府債務残高のGDP比が上昇している ことなのだが、政府の財政バランスを評価する際には、負債だけでなく資産を も考慮に入れることが必要不可欠だ。
経済新聞と銘打つ新聞が、債務残高のGDP比だけで財政が深刻というのでは お話にならない。
これは、財務省が財政危機を喧伝する際に用いる常套句であるが、資産をも考 慮すると日本の中央政府は資産超過になってしまう。
資産超過の財政バランスを財政危機だと主張するのは世界のなかで日本だけの ことだ。

安倍内閣は消費税増税延期の方針を固めていると思われる。
財務省が安倍内閣を攻撃するには森友疑惑の真相をリークするしかない。
あるいは、これを示唆して安倍首相にブラフ=脅しをかけるかどうかだ。
財務省の行動が注目される。


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