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「仕方がない」!「やむをえない」!だけでは、政治は動かない、一人でも発言していくことだ!真実 を本音の言葉でずばりと言うブログ!

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                      「植草一秀の『知られざる真実』」
                                   2019/06/17
    有機農業大国目指すのが正しい日本の選択
             第2358号
   ウェブで読む:https://foomii.com/00050/2019061710451055447 ──────────────────────────────────── 6月11日に「TPPプラスを許さない!全国共同行動」主催の院内緊急集会
「STOP!日米FTA−わたしたちの暮らしを守ろう−」
が開かれた。
第1部で金子勝氏と孫崎享氏による講演が行われ、第2部では安田節子氏に加 わってくださり、パネルディスカッションが行われた。
私は第2部でコーディネーターを務めさせていただいた。
第1部では、まず孫崎享(東アジア共同体研究所所長)氏が「日米通商交渉を どうみるか」と題して、現在の日本と米国の政治状況の分析をもとに本年夏以 降の日米合意可能性について話された。
5月の安倍・トランプ首脳会談後に、トランプ大統領が農産物の関税引き下げ を含む日米協議を8月に妥結させる意向を示した。
孫崎氏は現在の日米交渉が最悪の組み合わせになっていることを指摘した。
最悪の組み合わせとは、
日本からむしり取れるものはすべてむしり取ろうとする米国大統領と
米国から要求されれば、何の抵抗も示さずに言いなりになって何でも差し出す 日本の首相
という組み合わせだ。
米中の貿易戦争が勃発しているが、技術面ではすでに中国が米国を凌駕してい ることが客観的データに寄って裏付けられている。
その経済の現実を覆い隠すために、米国が「政治力」で中国を抑圧しようとし ているのが現状であるとの認識が示された。

世界秩序は大きく変化している。
安倍政権はその変化に目を向けることなく米国に追従し続け、官僚機構はこれ に盲従し、メディアは安倍支持への偏向を続け、経済界が追随する。
しかし、根源的には日本の国民の責任が大きいわけで、ダメな安倍内閣によく 似合うダメな日本国民という図式が成立してしまっているのではないか。
孫崎氏は日本全体の現在の風潮、空気全体を厳しく指弾した。
日米同盟=米国の核の傘という「信仰」が存在するが、これも現実妥当性を 失っている。
世界情勢の変化を直視することが重要だと指摘した。
立教大学大学院特任教授の金子勝氏は、交渉能力のない日本政府が日米貿易交 渉において譲歩を重ね、食の安全や農業を危機に陥れる恐れがあると指摘され た。
金子氏は、現在の状況が第二次世界大戦前と酷似していることを指摘した。
ポピュリズムの象徴と言えるトランプ大統領が危機の象徴である、とした。
関税引き上げ、ドル切り下げが進行するに連れて貿易も縮小していく。
また情報通信分野においては、米国企業のプレゼンスが大幅に低下している現 実がある。
日本は旧産業・企業を重視し続けているが、日本企業の凋落は目を覆うばかり である。
日本政府が米国に組み込まれ続ける対応を続ければ、日本産業が崩落すること は間違いない。

同時に、大規模化一辺倒の日本の農業政策が日本農業の力を低下させ続けてい る。
これからは、拠点に集中するのではなく、分散型の持続可能なネットワークを 構築する必要があると提言した。
第2部のパネルディスカッションでは、安田節子氏が、「日本はGATT ウルグアイラウンド交渉以来、譲歩を重ねてきており、とりわけ安倍内閣は国 内での規制緩和を率先して推進している」と指摘された。
トランプ米国大統領は日本に対してTPP以上の譲歩を求めており、日本政府 はこれまで聖域とされた重要5品目(コメ、麦、牛肉・豚肉、乳製品、サトウ キビなど甘味資源作物)の輸入拡大とともにGMO、食品添加物、農薬などに おける安全性にかかる規制緩和を積極的に推進している。
食の安全に関する米国の主張は「科学主義」に基づいているが、食の問題への 対応に必要な基本姿勢は「予防原則」である。
米国流の「科学主義」に基づく対応を日本政府が採用してしまっており、日本 の食の安全が完全に崩壊しつつある。
安田氏はこの点への強い警戒を呼びかけた。
安田氏はさらに、「日本での農薬使用量は世界最高水準に達しており、国民の 命が侵されている。
全耕地面積の0.5%でしかない有機農業を拡大し、日本は有機農業立国を目 指すべきだ。
そのために、まず、食品の農薬使用を表示させる必要があると訴えた。
この主張は荒唐無稽だと批判されたが、現実にフランスで農薬使用を表示する 法案が上院に提出されており、同じ考えを持つ人々が世界に存在することに勇 気づけられた。」と述べた。
現実は危機的であるが、ものごとを真剣に考え、現実を是正するために行動す る者が存在する。
運動を継続して、日本政府の間違った対応を正してゆかねばならない。

パネルディスカッションでは、現在の極めて危険な状況を打破するために、命 と健康、環境を重視する新しい価値観を広く共有することを訴えてゆく必要性 が強調された。
農業は私たちの命の根源に関わる重要な産業である。
農業は農家のために存在するものではなく、食料を得て生存してゆかねばなら ない市民、国民のために存在する極めて重要な産業なのである。
食料自給率が低下し、安全な食を得ることができなくなることは、国民の危機 そのものである。
米国に媚びへつらい、米国の命令に唯々諾々と従うだけの政府では、私たちの 命と健康、ひいては生存そのものが守られなくなってしまう。
世界では大きな変化が進行し始めている。
命、環境、健康を重視するグループが、政治的にも大きな力を持ち始めてい る。
この新しい大きな流れに対する注目が重要になっている。

農業における有機農業大国を目指すべきとの安田氏の提言は極めて重要であ る。
有機農業を発展させることが、生命、健康、環境を守る政策そのものになる。
米国でラウンドアップ使用によってがんを発症した人がモンサントに対して損 害賠償を請求した訴訟で、カリフォルニア州の地方裁判所がモンサント(=バ イエル)に320億円の支払いを命じる判決を示した。
この判決を契機に、米国でも有機農業に対する関心が急激に高まっている。
米国は日本の食品表示基準において、
「GMではない」

「イザマリル使用」
の表示が米国産農産物の販売の障害になっているとして、日本政府に表示規制 を撤廃するように圧力をかけている。
日本政府はGM表示基準について、GM混入率ゼロでなければNON−GM表 示ができないように制度変更したが、これは、実質的なNON−GM表示の撤 廃である。
意図せざる混入を完全に防ぐことは不可能で、混入率ゼロでなければNON− GM表示をさせないというのは、事実上のNON−GM表示の撤廃なのだ。
シャイロックに、肉1ポンドを取り出してもよいが、血は1滴も流してはなら ぬと言っているのに等しい。

深刻な健康被害が懸念される成長ホルモン(エストロゲン)、ラクトパミンに ついても、日本は米国基準で野放しの対応をしている。
EUは「予防原則」の立場に立って、成長ホルモンもラクトパミンも禁止であ る。
日本のマスメディアは、米国産牛肉が自由貿易によって安く食べられるとの宣 伝しかせず、成長ホルモン投与の米国産牛肉、豚肉が深刻な健康被害をもたら すことに対する注意を喚起することがほとんどない。
米国が採用している「科学主義」は、「毒であると確定するまでは食べ続け ろ」というものだ。
消費者の保護ではなく、業界の利益だけが優先されている。
「毒であることの立証」のハードルを極めて高く設定する。
がんの罹患率が急上昇しても、別の要因が影響している可能性を否定できない と言い張って、成長ホルモン剤の投与が原因であるとの仮説を認めないのだ。
これを彼らは「科学主義」と称している。
福島原発事故後の甲状腺がん発生の急増についても、このいみの「科学主義」 が用いられている。
多くの実証研究で、有害性が高い確率で推定されるから、使用を禁止するべき だとする「予防原則」に立つ対応を、「非科学的」だとして排除するのだ。

オーストラリアは、EUがラクトパミン投与を認めていないので、EU向け輸 出ではラクトパミン不使用の肉だけを供給するが、日本はラクトパミン投与肉 の輸入を禁止していないので、日本向けにはラクトパミン投与肉を輸出してい る。
小林麻央さんが乳がんで亡くなった。
1周忌に際して、姉の小林麻耶さんが、小林麻央さんがジャンクフード好き だったことに触れた。
ジャンクフードに接するときに妹のことを思い出して欲しいと述べたことに批 判が生じた、
しかし、小林摩耶さんが伝えたかったことは、米国や豪州産の牛肉を使ったハ ンバーガーなどの食品が、重大な健康被害をもたらす可能性の高さだったのだ と推察される。
食は命と健康の問題と直結する極めて重要なものだ。
私たちは「医食同源」という言葉の意味をかみしめるべきだ。
そして、政府は大資本の利益ではなく、主権者である国民の生命と健康を重視 するべきだ。
この意味でも、私たちは早急に安倍内閣に退場を求める必要がある。

注:今や政界は暴走する資本主義に翻弄されて、資本、企業が儲かりさえすればよしとの考えに基づいて動いている。アメリカがその先頭を走っている。それに追随しているのが日本である。大事な国民の生命が侵されようともである。間違っている資本の論理に動かされることなく日本独自の農業生産を守り国民の人体の安全を守るべきであろう。


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