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法学部1回生J子とK教授の会話 J子:先生、今度、取調状況を録画・録音(可視化)するようになったってニュースで 言ってましたけど。 K教授:ああ、検察官の取調に限ってで、しかもいろいろ限定をつけてだけど、 「試行」という形で行うことになったんだよ。参照:検事取調、録画・録音へ 私も最初聞いたときは、びっくりしましたよ。 J子:弁護士の先生が歴史的な第一歩だと授業でおっしゃっていましたが、 この録音・録画にはどういう意味があるんですか。 K教授:憲法38条と刑事訴訟法319条はもう勉強しましたか。 憲法38条2項には 「強制、拷問若しくは脅迫による自白又は不当に長く拘留若しくは拘禁された後の自白は これを証拠とすることができない」 刑事訴訟法319条1項には 「強制、拷問又は脅迫による自白、不当に長く拘留又は拘禁された後の自白その他任意 にされたものでない疑いのある自白は、これを証拠とすることができない。」 と規定されています。 つまり、脅されたり、「認めたら出してやる」とか騙されたりとか、被疑者(被告人)が 自分から任意に自白したといえないような場合にはその自白は証拠として認めませんよ っていうことです。 J子:何故、このような決まりがあるんですか? K教授:まあ、根拠については強制とか拷問されて出た自白は、嘘の自白である可能性が 高いからとか(自白してしまえば楽になるから)、被告人の人権保障のためだとか、 強制とか拷問とかの捜査方法は違法だからそんな違法捜査で採られた自白は排除 すべきだとか、諸説あるんだけど、とりあえず、そういう自白は排除されるん だよっていう結論を抑えて次に行きましょうか。 J子:はい。えっと録音・録画されてなくて批判があったってことは何か問題があったって ことだと思うんですが、どのような問題があったのですか。 K教授:強制等で採られた自白が、排除されるのはさっきやりましたよね。 取調段階で自白した被告人が、法廷でこの自白は脅されてしたものなんですって 主張するケースが今までたくさんあったんだよ。 こうなると強制が「あった」「なかった」の不毛な論争になって、上の記事でも 触れられているけど、審理も不毛に長くなることになるよね。 そして、自白が採られるのは主に取調室だけど、取調室は密室だから強制等が あったかどうかわかんないんだよ。出てくる証人も中に居た捜査側の人間だから 本当のこと言っているのか疑わしいしね。 J子:なるほど、それで取調状況を録画・録音しろという話になるわけですね。 中の様子が録音等されていたらそういう強制等があったかどうかはすぐわかり ますね。 K教授:そういうことだね。 J子:じゃあなんで、今まで録画・録音しなかったんですか?かなり昔から議論 されてたって聞きましたけど。 K教授:それは、捜査機関側が、録音等すると被疑者と心と心のぶつかりあいができ ないとか何とか、つまり被疑者が本当のことを話さないでしょみたないことを言っ て反対してきたからですよ。 J子:なるほど、言われてみれば、私も取調状況が録音とか録画されているとなると 話をしにくいと思うかもしれません。 K教授:でも実際、話したことは調書に取られるし、録音等は人権侵害が起きないよう に貴方のためにやりますっていう説明を受けたらどうですか?特に貴方が否認して いる場合。 J子:なるほど、それなら録音・録画して欲しいです。 ・ ・ ・ J子:ただ、冒頭でもおっしゃってましたが、今回の可視化にはいろいろ限定が あるらしいですね。 K教授:そうそうたくさん批判されている点があるね。 ここでは二つの点について検討してみようか。 第一点目が録音・録画は検察取調だけであって、警察での取調には適用されないとい う点だね。 J子:私も「取調」って言ったら警察官がやっているイメージが強いです。 ドラマとか見てても何か警官が机叩いたりして取調やっているようなイメージが あるんですが。。。 K教授:その通りです。初期段階で取調を行うのは警察機関ですから。 ここでガンガン取り調べられて、自白が強要された後、検察官の取調を録音・録画 しても意味がないですよね。 警察機関の取調も全て録音・録画すべきだと思います。 J子:でも、ニュースで警察の偉い人が、警察取調では「可視化」はないって言い切って ましたけど。。。。。。 K教授:今まで頑なに拒んでいた検察が限定付とは言え、重い腰を上げたんだから、裁判 員制度導入までにかなり議論が進むと思いますよ。 警察も、もう可視化の議論から逃げられないと私は思います。 J子:これからの活発な議論が期待されますね。 ・ ・ ・ K教授: 第二点目の問題は「取り調べの機能を損なわない範囲で、検事が相当と 認める部分の録画・録音を行う」とか言ってることですね。 マズイ所を隠されて都合の良い部分だけ録画・録音されるようになったら 意味がないでしょう。 被疑者の供述を検察官がとった調書は、整然としていて「検察官の作文だ」など と批判されることがあるのですが、都合の良い部分だけ録画されるとなると、 「検察官の作った映画(ドラマ)だ」などと批判されるかもしれませんね。 J子:そんなのじゃ意味がないんじゃないですか。 K教授:これも今後議論が進んでいくと思います。 検察側もそういう部分的な可視化ではまずいとわかるでしょう。 「何でこの部分は録画していないの?」 →とてもお見せできるような内容ではないから →強制とかやってるんじゃないの?
という風な経験則が働くでしょうから(裁判員が)。
K教授:かなり批判も多いようですが、今までのことを考えると、歴史的な大きな一歩だ と思います。 捜査機関も一歩、踏み出した以上、もう後戻りはできない、前にすすむしかないでし ょう。 今後の、人権尊重と真実発見の調和が取れた捜査体制がなされることを いのりたいですね。 J子:そうですね。あっそろそろ来週提出のレポートに着手しないと。。。。。。
K教授:レポートですか、学生は大変だねー。
J子:(そう思うならレポート出さないでよ(`ω´))はい、がんばります(^ ^) 今流行の?対話形式で取調可視化をまとめてみました。 某教授から最近、こういう書き方が増えるのは読み手の側がバカになっているからだよと キツイ一言をいただきましたが、やっぱ対話形式の方が読みやすいですよね。 難解な表現方法で書かれている文献はできるだけご遠慮したいモンです(゜〜゜;) 若輩者なので、間違っている点とかあったら指摘お願いします。 下のリンクから記事の評価をお願いします。4段階評価です。 |
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質疑応答のようなスタイルが一番分かり易いですね。 やっぱり文章続きだと難解なイメージが先に立ってしまいます。 取調可視化が進むと、ハードボイルドの刑事ドラマもスタイルが変わってくるでしょうね。
2006/11/30(木) 午前 2:22 [ ヒトリシズカ ]
そうですね。ただ本文中にもあるようにこういうスタイルが多く鳴ってきているのは学生(読み手)がバカになってるからとか教授がいってます(^_^;) まあイタイ指摘ですが難しい文章を読めても、読みやすい文章の法がいいですよねw 刑事司法に対する意識が高まってくると、ドラマとかをみたときに、この捜査は違法じゃないの?とか思う人も出てくるかもしれませんね。
2006/12/2(土) 午前 0:50
警察による嘘の自白強要は恐ろしいです。 筋弛緩剤事件などと呼ばれている6年前の仙台の事件も 嘘の自白のみが根拠の冤罪です。 4/28に弁護団長を招いて勉強会を行います。 無実の守大助さんを支援する首都圏の会
2007/4/22(日) 午後 8:05 [ shige ]
経費もかかるでしょうけれど、実施してほしいです。。
2007/12/10(月) 午後 8:23