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(前回の続き)
僕はその二人にこう言った。
拓人:「おい!なにがおかしいんだ!?」
長髪の男がタバコをふかしながらこう言った。
男A「はっ?文句あるの?」
普段はこんな挑発には乗らずに、できるだけトラブルは避けてきた僕だったが、今日は違った。
拓人:「文句があるからいってるんだよ!!」
するともう一人の坊主の男が、
男B:「あんまり調子こいてんじゃねーよ!にーちゃん!」
そういうとその男が僕の胸ぐらを掴むと突然殴りかかってきた。
僕は顔面にそのパンチを受けて吹っ飛ぶと、口の中が血の味に変わるのがわかった。
僕は喧嘩など生まれて一度か二度したぐらいで勝てるはずがないのはわかっていたが、その日の僕は我を失い、そしてキレていた。
拓人:「うぉぉぉ―!!!」
僕はその坊主頭の男に飛び掛かり、顔面にパンチを食らわせた。
だがその男は、ひるむことなく、また僕に殴り掛かってきた。
僕はそのパンチを避けると、男の腹に蹴りを食らわせた。
その蹴りは男のみぞおちに入り、男はうずくまった。
すると次に長髪の男が僕に飛び掛かってきた。
僕はその男のパンチを避けると、腹に一発パンチを食らわし、そのままその男の顔面に拳を叩きこんだ。
するとどこからか大声で、
「警察が来たぞー!!」
という叫び声が聞こえた。
すると二人組の男は、
男A:「ちっ!この借りはかならず返すからなっ!!」
と言うと警察から逃げるかのように去っていった。
だが警察の姿はどこにもなかった。
ふと後ろを見るとそこには一人の中年の男が立っていた。
するとその中年の男は僕にこう言った。
中年男:「君は何かスポーツをやっていたのかい?」
拓人:「はっ?」
中年男:「警察が来たぞ〜と叫んだの私なんだよ。君の喧嘩を見させてもらったが君の身のこなしはなかなかセンスがあるね。」
拓人:「はぁ…」
中年男:「おっと、すまん。すまん。私はこういうもんだ。」
男は僕に名刺を渡した。
すると中年男は言った。
中年男:「私は広田と言うもんだ。ボクシングジムの会長をやっとる。さっそくだが君、ボクシングをやらないか?」
拓人:「ボクシング!?」
会長:「そうだ!ボクシングだ!君にはセンスがある。今は体力はないと思うが、鍛えればきっといい選手になるぞ。」
そういわれた僕も正直自分があそこまでできることに内心驚いていた。
たまに筋トレはしていたが運動神経なんてまったくないと思っていたのに。
なにかドラマみたいな話だったが、僕はその人にこう答えた。
拓人:「すいません。僕にボクシングなんてできるわけがないし、まして今はそんなことができる状態でもないんで・・・」
その男は困った顔をした後、こう言った。
会長:「そうか・・・まぁいい。もしボクシングを始める気にでもなったらいつでもジムにきなさい。住所は名刺に書いてある。それでは君が来るのを楽しみに待っとるよ!」
そういうと男は立ち去っていった。
するとその時、僕の携帯に一件のメールが届いた。
それは香織からだった。
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