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(前回の続き)
それは香織からのメールだった。メールの中身を見ると、
香織:[拓人。急に帰っちゃったけど、お父さんに何か言われたの?もしそうでも気にしちゃダメだよ!]
僕はそのメールを見て、すこし考え込むと香織に返事を送った。
拓人:[俺はもう香織と会わない方がいいのかな・・・?なにがなんだかわからなくなってきた・・・でもこれだけは言える。俺は香織のことが好きだ。どうしても今日の返事が聞きたい!香織の気持ちを知りたいんだ!]
僕は香織の気持ちが知りたくてしかたなかった。
こんなに人を好きになることなんて今までなかったからか、その時僕は香織の返事が早く聞きたくて焦っていたんだ。
だが、香織からの返事は何分待っても返ってはこなかった。
そうすると僕は知らぬ間にあの公園にいた。
以前となにも変わりのない風景と落書きだらけのベンチ。
僕は香織の返事を待ちながらいつものベンチに座った。
その時に気付いたのだが僕の服には喧嘩のときの血がこびりつき、口元は赤く腫れあがっていて、それが今になって痛みはじめていた。
そして僕は夜空を見ながら考えていた。
「やっぱり香織にとって僕はただの友達なのかな・・・。」
それからも香織からのメールはなかった。
僕はため息をつくとそのままうつむき、地面に目をやった。
そこにはもう五月だというのに何枚かの桜の花びらが地面を彩っていた。
「俺の恋も桜の花びらみたいに散ったの・・か・・・」
そんな馬鹿なことを考えていたその時、僕の携帯が鳴った。
「んっ!?」
それは香織からの返事だった。
僕は慌ててメールをみた。
香織:[なにそんな所でうつむいてんのよ!]
「!?」
僕は驚いた。
香織は公園のどこかにいる。
しかし、どこを見渡しても香織の姿はなかった。
僕はメールを返した。
拓人:[どこにいるんだよ!?近くにいるんだろ!?]
すると向こうから一人誰かがこっちに向かって歩いてきた。
それは香織だった。
香織は僕の前までくると、笑顔でこう言ったんだ。
香織:「えんないとに、つけあえてるいたいらから、となりるわってていいれるか?」
その言葉は僕にはすぐに理解できた。
三年前に初めて出会った時に香織が僕に声を掛けてきた最初の言葉だった。
僕はそのときと同じように一度香織にうなずいたんだ。
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