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(前回の続き)
香織は僕の隣に座ると、黙って下を向いていた。
僕は香織にメールを打ってそれを見せた。
拓人:[どうしてここにいるってわかったの?]
香織は打ち返した。
香織[んー。たぶんここにいるんじゃないかなー?って思った!当たったね。]
拓人:[体は大丈夫!?もう外にでてきてもいいの?]
香織:[うん。あれからお父さん達と実家に帰ってから寝てなさいって言われたんだけど、どうしても寝れなくて、家抜け出してきちゃった!]
拓人:[駄目だろ!そんな無理してまた倒れたりしたらどうすんだよ!しかもお父さんに俺とはもう会うなって言われてるんじゃないの?]
香織:[やっぱりお父さんにそんなこと言われてたんだ。でも大丈夫だよ。私が拓人に会いたかったんだもん。お父さんなんて関係ない。それに体も大丈夫だよ。たまに無理したときに、あーなっちゃうことがあるんだ。でももう大丈夫!]
香織はメールでそう答えたが僕は心配だった。
先生からの話が頭に過っていたからだ。
拓人:[それでも駄目だ!送るから一緒に帰ろう!]
僕は香織の手を引っ張ろうとした。
しかし香織は・・・
香織:[ちょっと待って!10分だけでもいいからもう少しここにいさせて!]
僕はそのメールを見ると香織の手を話した。
すると香織は続けてメールを打ってきた。
香織:[拓人に手紙を書いてきたの。]
そうすると香織は持っていたカバンの中から手紙を出すと僕にその手紙を渡した。
拓人:[読んでいいの?]
すると香織は縦に首を振った。
拓人へ
私は拓人と再会できて本当によかったと思ってるよ。
なんか一日一日が楽しくて拓人とメールをしてるだけで元気がわいてくるんだ。
私は耳が聞こえなくなってから人と接するのが恐くてずっと避けてきたの。
だけど拓人は違った。
最初に駅で再会したときはびっくりして逃げちゃったけど、メールをしてる内に拓人にはなんでも話すようになっていった。
デートに誘われたときなんてなんだかひさしぶりにワクワクして、前の日なんて緊張して寝れなかったんだよ。
そのデート当日に拓人に告白されたときだって心臓が飛び出そうなくらいバクバクしてて、すごく緊張してたの。
まさか出会って二回目で告白されるなんて思わなかったからね(笑)
でも拓人の告白は本当に心から嬉しかった。
こんな私に好きって言ってくれたことが、信じられなくて涙が出そうになったよ。
でもそのとき思ったの。
私は普通の女の子とは違って耳が聞こえない。
正直、私と付き合っても拓人がすぐに嫌いになっちゃうんじゃないかとか、拓人に余計な心配や苦労をかけてしまうって思った。
だからあの時、ごめんなさいとしか言えなかった。
でも、私も正直に本当の気持ちをいいます。
私は拓人が好き・・・。
こんな私でもいいのならずっと拓人のそばにいたいです・・・
カオリ
僕は目頭が熱くなった。
それを見た香織の目にも涙が薄っすらにじんでいた。
僕は香織の手を引っ張り、ぎゅっとその手を握ると香織もぎゅっと握り返した・・・
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