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(前回の続き)
そのカップルにお礼を言った後、僕達は砂浜に座り込んだ。
すると香織がメールを打ち始め、それを僕に見せた。
香織:[拓人聞いてー。拓人がね、うちに挨拶に来た日があったでしょ?
あれ以来だったかな?お父さんがあんまり外出しなくなってまっすぐ家に帰ってくるようになったの。
もしかしたらそれって拓人のおかげかもしれないね。
お父さんはたぶん拓人の気持ちを聞いてなにかを感じたんだと思う。
だから最近はお父さんとお母さんの仲が良くてほんとに私は嬉しいの。]
その時の香織は、本当に嬉しそうな顔を浮かべていた。
拓人:[へぇ。そうなんだ。お父さんも昔を思い出したのかもね。]
香織:[かもね!私達もずっと変わらず幸せでいられるかなぁ?]
僕は笑顔で答えた。
拓人:[いられるに決まってるだろ!俺たちは、おじいちゃんとおばあちゃんになってもずっと一緒だよ。]
香織:[そうだね。私ね、子供ができたら最初は女の子で次に男の子がほしいな。拓人はどっちが欲しい?]
拓人:[んー。そうだなー。俺は男の子が欲しいな。野球選手にでもさせようかな(笑)]
そのメールを見ている香織の横顔を見ると、香織はとても幸せそうに微笑んでいた。
僕は香織の肩を叩き、香織を呼んだ。
僕は覚えたてのヘタな手話で香織にこう伝えたんだ。
拓人:[オレハ・・・カオリノコトヲ・・・ココロカラ・・・アイシテル。
オレガ・・・カオリヲ・・・ズット・・・マモルヨ。]
香織は僕の手話を見ると、すこし驚いた顔をした後、涙を浮かべて僕にメールを打った。
香織:[ちゃんと私に伝わったよ。今の手話。]
拓人:[よかった。まだあれだけしか覚えてないんだけどね・・・]
すると香織は手話で僕に伝えた。
香織:[ワタシモ・・・タクトノコト・・・ココロカラ・・・ココロカラ・・・アイシテルヨ。]
僕はうなずいて返事をすると、香織はあふれる涙をこらえきれずにいた。
そして香織はゆっくりと目を閉じると、僕達は軽くキスを交わした。
香織との初めてのキスだった・・・
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