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(前回の続き)




病院を退院した後、何事にも気力を無くしてしまった僕は会社さえも行かなくなった。

部屋に一人でなにをするでもなく、ただ天井を眺めてはため息をつき、食事もろくにとらない生活で、まるで死人同然だった。
あれから三日が断ったが、まだあの事件のことが頭から離れてくれない。
今、香織はなにをしているのだろうと何度もメールを打とうとしたが、つらい思いをさせてしまった罪悪感からかメールを送信することができなかった。

わかっているんだ。
香織は僕のことを責めたりなんかしていないのは・・・

だけど、今のままの僕では、香織に堂々と顔を向けることができない。
このまま今まで通りに付き合ったとしても、あの事件で香織を守れなかった事実はきっと頭から消えることはないだろう。
僕はそう考えていたんだ。

けれど、香織に会いたいという気持ちは日に日に増していくのが自分でもわかっていた。
香織にもらったあのブレスレットを外すことはどうしてもできなかったんだ。
こんなやりきれない気持ちが、たまに爆発しそうにもなったが、答えが見えない僕にはどうすることもできなかった。



その日も僕は一人で部屋の中にいた。
ふと時計を見るともう夕方の五時だった。
いつもならそろそろ会社が終わる時間。

♪ピーララリー・・・

すると、突然僕の携帯のメールが鳴った。

心の中で香織からのメールだと一瞬考えたが、それは香織ではなく会社の同僚からだった。

同僚:[どうしたんだよ!?もう退院したんだろ?電話にも出ないし、課長も怒ってるぞ!]

その同僚は熊田といって、体格が良く熊のような容姿から、通称“熊さん”と呼ばれていた。
年は僕の一つ上で、入社日が同じだったので親しくなったんだ。
感情を表に出さない僕にも、いつも笑顔で話かけてくれて、困ったときには便りになるいい人だった。

僕は熊さんにメールを返した。

拓人:[迷惑かけてすみません。いろいろあって・・・もう会社をやめようかと思ってるんです。]

すると熊さんは、

熊さん:[バカなことを言うな!やめてこれからどうするんだよ?]

そう聞かれて返す言葉が見つからなかった僕は返信をしなかった。

♪ピーララリー

すると続けてメールが入ってきた。
また熊さんからだと思い、メールを見るとそれはなんと香織からのメールだった。
メールを見ると、

香織:[拓人。今日七時にあの公園で待ってるから。話があるの。]

こんな状態の僕がどうやって香織に会えというんだ。
そう考えた僕はこうメールをした。

拓人:[もう俺とは会わない方がいい]


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