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(前回の続き)
「失礼します。」
すると中には50才ぐらいの白衣に眼鏡をかけた、少し頭の毛が薄い医者が座っていた。
「あーあなたですか?私に話があるという方は。」
「はい。さっき救急車で運ばれてきた子について、聞きたいことがあるんです。彼女は、僕の恋人なんです。」
「あーあの子の彼氏ですか。それでどうかしましたか?」
「いや、少し気になることがありまして、香織の病気のことで・・・。」
「なんだね?」
「・・・がんが再発する恐れがあると聞いたんですが、大丈夫だったんでしょうか?」
「・・・」
先生は少し黙りこみ、ため息を一度つくと、重い口を開いた。
「そこまで知っているんですか。それではお話ししましょう。
あの子の耳の奥あたりに新しい腫瘍が見つかりました。しかも悪性の腫瘍です。
かなり腫瘍は大きくなっていました。
よくあそこまでほっといたもんだ。
普通なら痛みで気付くはずなんだが。
とにかく危険な状態なのは間違いありません。」
それを聞いた僕は、返す言葉が見つからなかった。
僕の恐れていたことが現実になったんだ。
僕は先生に訊いた。
「香織は・・治るんですか?」
「・・・言いづらいんですが、あそこまで広がってしまってはもう手の施しようがありません。
彼女はこの数か月病院に通ってなかったみたいですね。
残念ですが、あの子の命はもって後、・・半年の命です・・・」
“覚悟”
僕はわかっていた。
心のどこかでこんな日が来ることを・・・
しかし、これほどまでに突然やってくるとは思いもしなかった。
香織はなぜ病院に行かなかったんだ。
僕はてっきり通っているものだと思い込んでいた。
俺は今まで香織の何を見てきたんだろう?
自分のことでいっぱいで、何も気付いてやれなかった。
いったい、どうすればいい?
香織とこれからどう過ごせばいい?
どうしてもこの現実を受け入れることができなかったんだ。
現実が夢であってほしい。
ただ、そう願った・・
ショックを受けている僕に気付いた先生は、それ以上何も言わなかった。
それから僕は、香織に会わせるよう先生に頼んだが、香織は眠っているみたいなので、明日また病院に来ることにした。
先生に頭を下げ病院を出ると、そこには会長やジムのみんなが香織を心配し、外で待っていてくれた。
会長は僕に言った。
「おい。拓人!香織ちゃんは大丈夫だったか?」
「はい。とりあえず今は眠っているそうです。」
僕は本当の病気のことをみんなに言うことはできなかった。
「それはよかった。どうだ?勝った祝いにこれからみんなで飲みに行かないか?おまえは酒じゃなくジュースだがな!」
会長は笑ってそう言ったが、僕はこんな状態で飲みになんていけるはずもなかった。
「すみません。今日は試合で疲れていて行けそうにないです。」
すると会長は言った。
「そうか。主役がいないと寂しいが、今日の試合はなかなか苦しかったからな!おまえも疲れているだろう。ゆっくり休め!」
「はい、すみません・・・おつかれさまでした。」
僕はそう言うと、会長に頭を下げ、近くにいたタクシーを拾った。
僕はタクシーの中で流れる景色をただ眺めていた。
この気持ちはなんなのだろう。
僕にあったすべてのエネルギーが体から抜けていく感じだ。
もしものときの覚悟はしていたつもりだったが、実際にこうなると、思っていた以上に辛くて耐えられない。
考える度に胸が締め付けられる思いだった。
すると運転手が僕に声をかけた。
「お客さん?」
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えんまちゃんおつかれさま!! 今回は小説の続きをこちらで読ませてもらいました。 香織どうなるの???もう先がきになるぅ(>_<) 忙しい中,同時進行大変と思うけど、読者がいる限り ガンバリンコO(^_^)O なな
2005/5/29(日) 午前 3:20 [ - ]
ぇんちゃん(*`・∀・)ノ☆.。.こんばんわぁ.。.☆ヾ(・∀・´*)こっちに来てみた サイト戻ることないと思うから今度からこっちにするね
2005/5/30(月) 午後 8:53 [ 亜悠夢 ]
先ほどは訪問&コメントありがとうございました!小説初めからすべて読ませてもらいました!もう次が気になって気になって仕方ありません♪忙しいでしょうが頑張って下さいp(*゜▽゜*)q
2005/5/31(火) 午後 1:46 [ rab*it*ur*3 ]