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刑法犯罪全体が減少するなか、高齢者による犯罪が増えている。08年版犯罪白書が
7日発表され、高齢者の犯罪に焦点当て、警鐘を鳴らした。法務省は、生活苦や不十分な
福祉制度が背景にあるとみており、「団塊の世代」の高齢者を控え、「従来のだけでは対処できない」
と懸念している。
白書によると、07年に、交通事故による業務上過失致死傷などを除く刑法犯で検挙された65歳
以上の高齢者は4万8605人。「65歳以上」の各種統計がそろった88年以来、最多となった。
刑法犯罪全体に占める高齢者の割合も88年の2.5%から13.3%へ20年で大幅に高く
なった。人口あたりの犯罪率をみると、各年代で前年を下回ったが、70歳以上だけが上昇している。
これに伴って、新たな受刑者に占める高齢者の割合も88年の1.1%から、07年は6.2%
女性に限れば、7.9%に達している。
高齢者の犯罪では、万引きなどの窃盗犯が65%と最多。自転車泥棒などの横領が22%で続き
特に女性の場合、81.5%が万引きだった。件数は少ないものの、暴行や傷害といった危害を
加える犯罪も増加している。
こうした現状を受けて、法務省の法務総合研究所は主に07年東京地検が扱った高齢者の犯罪について
分析。その結果、初犯から再犯にへと進むにつれ、ホームレスが増えるなど住まいが不安定化していた。
また、単身者の割合が高まり、親族との関係も薄れるなど孤独な生活に陥るも強まっていた。
万引きの背景を探ると、生活費に困ってしまう男性にくらべ、女性は将来の経済的不安から、
いまある蓄えを節約するために犯行に至る例が多かった。
件数が少ない殺人は過去50件を調べたところ、親族間が半数を超え、「介護疲れ」や
「将来を悲観した無理心中」などが目立った。 〔朝日新聞〕
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